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悩めるサンペールにベンゲルの誘い

今度は少々事情が違うカンテラーノ。

FCバルセロナ史上初の、“バルサの下部組織だけに所属してきた完全ラ・マシア産トップチーム選手”になることを期待されている若きセントロカンピスタ、セルジ・サンペール。憧れの先輩セルヒオ・ブスケツの後継者となるべく、ただ今奮闘中の彼ですが、どうやらこの2015年夏、カンテラの宝石は重要な分かれ道に差し掛かっているようです。問題はプレーするバルサBがセグンダBに降格してしまったこと。実質3部カテゴリーは彼の心を引きつけず、かといってトップチームに居場所はなく、レンタルを認められなければ他クラブへの移籍も選択肢となる状況、、そこでベンゲルから甘い声が届いているというのです(MD紙)。

トップチームに入る隙間がない

現在、ルーチョチームとともにUSA遠征に参加し、昨日のLAギャラクシー戦にも途中出場したセルジ・サンペールですが、ルイス・エンリケの信頼を勝ち取り、トップチームに定着するのは容易ではありません。トップチームにはセルヒオ・ブスケツなる世界最高峰のピボーテが君臨しているだけでなく、その“5番”の代役筆頭はエンリケの信頼絶大なるハビエル・マスチェラーノ。さらには昨季ピボーテで可能性を示したセルジ・ロベルトが控えているわけですから(ギャラクシー戦ではインテリオールとして出場)、出番はまず巡ってこなさそうです。巡ってきたとしても、コパの1/16やチャンピオンズの消化試合でしょうか。

このチャンスがいつ訪れるのやらほぼ期待できない状況、というのがサンペールにとっては一番悩ましいと想像できます。順番待ちがせめて3番目であれば、負傷者発生などによってトップチームに呼ばれる可能性があり、フットボルの内容の大きく異なるセグンダBでも精進しながら機会を待つかと思えるでしょう。しかしロベルトもいることで入り込む隙間はかなり狭くなります。なんだかんだでサンペールももう20歳。後にクラックと言われる選手はトップチームに上がっていく年齢です。

プリメーラへのレンタルは認めず

ならばプリメーラのどこかのクラブに武者修行にいく手が有るのではないか、という件ですが、現在バルサはフィリアルの選手たちに対して移籍の扉を閉ざしています。セグンダBではプレーしたくないやい、と新天地を求める選手たちはいますが、自分たちの尻は自分たちで拭けの理論によりクラブは“逃亡”は許していない。MD紙によると、昨季バルサBのセグンダ残留が危なくなってきた時、フットボルバッセ責任者のジョルディ・ロウラはB選手たちに対し、“降格した場合はチームに残り、自分たちの手で昇格してもらう”と伝えており、それが実行されているわけです。実際、これが徹底されるかどうかは分かりませんが。

サンペールの場合は代理人のペレ・グアルディオラが、新セクレタリオ・テクニコのロベルト・フェルナンデスらに会って交渉するとのことですが、もしクラブからプリメーラクラブへの武者修行が認められなければ、開かれてくるのが契約解除による完全移籍です。

ベンゲルの夢が叶うか

MD紙の伝えるところによると、元ユース代表監督でサンペールを評価するロペテギ(ポルト)が個人的に電話をかけているほか、アーセナルのアーセン・ベンゲルも、もしこちらへ来る気があるのならば契約解除金の1,200万ユーロを支払う考えはある、キミにはミケル・アルテタの後継者になってほしいと誘いの声をかけているらしく。違約金が支払われてしまえば、本人を説得する以外にクラブに選手を引きとめる術はありません。

ベンゲルにとっては、待ち侘びた好機がついに訪れたというところでしょう。フランス人監督はまず2011年、ジョン・トラルエクトル・ベジェリンと一緒にサンペールを引き抜こうとしましたが、バルサでの成功を強く望んでいたセルジ少年はその誘惑には乗らずに残留。さらに2014年に引抜きを試みた際も、これからバルサBで中心選手となってトップ昇格の足がかりとする!とモチベーションを上げていたサンペールの気持ちを変えるには至りませんでした。我々クレとしましても、カンプノウでの成功を望むサンペールが移籍などするか、と自信をもって言えていました。

が、しかし、、、たった1年で状況が大きく変わってしまうのがフットボルの怖いところ。今年は楽観的に“心配不要!”と言い切る自信はありません。サンペールはまだ結論は下してはおらず、数週間前からどうするべきかを考えに考えているそうです。ここはやはり、2部Bどころか3部まで落ちたBチームの中心となりトップチームに這い上がったセルヒオ先輩の説得に期待ですかね、、とりあえず1年待ってみようよ、セルジ。

グリマルドも移籍希望か

バルサBで将来が不確かな若者たちはサンペールだけじゃありません。2011年9月のカルタヘナ戦でバルサB史上最年少デビューを果たし(15歳)、期待の選手現る!と話題となったアレハンドロ・グリマルドもその一人。今年の9月で20歳を迎える彼のフィリアル生活はすでに4年になるわけでして、そろそろトップカテゴリーへとステップアップをしたいと考えても不思議ではない時期です。彼の元にもポルトやベンフィカからオファーが届いていると言われます。

しかし前述のサンペールのようにトップチームへの道は険しく(夏の遠征にも呼ばれず)、クラブは彼も移籍させようとは考えてはいない。もしアドリアーノ・コレイアがローマへと移籍した場合はさらに移籍の可能性は少なくなるだろうとMD紙は報じています。ジョルディ・アルバが負傷した際も、左ラテラルはマテューベルマーレンが控えてますのでグリマルドにお呼びがかかるとも思えませんが、バルサが彼を出すとは考えにくいのだとか。グリマルドとバルサの契約は2016年6月まで、契約解除金は1,200万ユーロとなっています。昨年はリーガ36試合に出場し4得点でした。

トップチームに隙間がない状況は、フィリアルの若者たちにとっては難しいです。イニエスタやメッシ級の選手は例外として、“並みのエリート”に必要なのはトップチーム監督の信頼・勇気と、主力の負傷などによるアピールチャンス。今年の夏、バルサBを巡る組織には変化がありましたから、カンテラーノたちが昇格を夢見れる環境となりますよう期待したいです。

 

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