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ダニ、ハビマル、カッサーノ

 

◇PSGがアルベスを獲りにきた

6月13日付のSPORT紙は、表紙に次のような大見出しを付けています。「危険!PSGがアルベスを獲りにきた!」。欧州の移籍マーケットにおいて、いまやオイルマネーはビッグクラブをもビビらせる存在となりました。圧倒的な資金力において、売り場に出していない選手でさえ持っていく破壊力。経済危機の欧州で、彼らのプッシュに堪えられるクラブなんてのはそうはありません。バルサとて決して例外ではなく、カンテラっ子たちはともかく、助っ人ブラジル人を狙われればどこまで突っぱねられるかは微妙なところでしょう。

フランス経由にて、今回ターゲットにされたと言われるのはダニ・アルベスです。予算規模が1億ユーロだとかいうPSGは、カルロ・アンチェロッティが「ほしい!」と言えば、スポーツディレクターのレオナルドが「わかった!」と言って希望の選手を連れてくる(ように見える)。マドリーの邪魔ならせっせとやってくれれば歓迎ですが、火の粉が振りかかるとさあ大変であります。

ペップ・グアルディオラが「掛け替えのない選手」というダニを、バルサは放出するつもりはありません。右ラテラルはあくまでも彼を基本としてプランニングしていますし、アルベス本人も「(1年前に更新した)バルサとの契約を全うする」と強調している。となれば普通は大丈夫なのですが、明日はなにが起こるか分からないのもこの世界。PSGさんにさっさと諦めいただけるかどうか、フロントの火消しに注目です。マーケットでは攻めるのが常のバルサだけに、プッシュされる立場となると、非常に落ち着かないんですなぁ。

 

◇隙なしハビ・マルチネス

一方、こちらはバルサがプッシュしていく側であるセントラルの補強作戦。チアゴ・シルバの芽が消えたことで第一候補となっている(とされる)ハビ・マルチネスが、このタイミングで、SPORT紙の独占インタビューに答えています。際どい質問が連発されることは必至なのに、いい度胸してます^^

質問は一発目からストレートです。”バルサのセントラル補強第一候補となった気分はどうですか?”
アスレチックの若きスターは危なげなくこう返しました。「そういう話題が出てくるっていうのは、それだけ物事がうまく運んでいるという証拠だからね、そう続けていかないと。自分に興味を持ってるチームがあると言われるのは、誰だって嬉しいよ。でも今代表以外のことを考えると、エゴイストになっちゃう。ユーロのことだけ考える必要があるし、他に気を逸らしてはダメなんだ」

まっすぐ行くだけでは愉快なコメントは引き出せないということで、インタビュアーさんは別の角度から攻めていきます。”ここ4シーズンのグアルディオラのチームはどう思いますか?”。これに対するハビマルの答えは、「スペクタクルだったし、フットボル好きにとってはひとつの見本。とても楽しませてもらったよ。フットボル史のベストチームだ」というもの。そこで今度は、こういう質問をぶつけました。”そのベストチームが獲得を狙うなんて、ものすごい誇りですよね?”。そしてハビはこう答えています。「バルサだけじゃなく、そういう話はどれも誇らしいよ。世界の良いチームから役立つと思われるのは、とても励みになるんだ」

どこまでも上手に答えるハビ・マルチネスは、その後のレアル・マドリーやクリスティアノ・ロナウドに関する質問でもトラップに落ちることなく対応し、ビエルサ到来については「僕にとって新しい1年だった。後ろのポジションでのプレーは楽しかった。彼はフットボルのマエストロだし、多くのことを学んだよ。彼がアスレチックと契約を延長して、僕たちはラッキーだ」とコメント。”もっとビッグクラブでステップアップするべき瞬間では?”という問いにも、「僕たちはみんな、アスレチックをよりビッグに、より高みへと上げていきたいんだ。僕たちは若く、そのためのクオリティも備えている」と、まったく隙のない答えを返しています。

打っても打っても響かないハビマル。ある意味で完敗したSPORT紙は、この記事に”バルサが興味を持ってくれて嬉しい”という見出しを付けるのが精一杯でした。ビエルサチームでの2年目に、大きな希望を抱いているマルチネス。どうしても彼が欲しければ、違約金の4000万ユーロを積んだうえで口説き落とすしかなさそうです。

 

◇バルセロニスタ、カッサーノ

歯に衣着せぬ発言でファンのハートを掴んでいるACミランのアントニオ・カッサーノが、今回もまたやってくれています。イタリア代表にホモセクシュアルの選手が云々、というやつなのですが、まあそちらの話題は別のソースで見ていただくとして・・・クレとして関心を引かれるのは、彼の別のコメントです。

この会見ではカッサーノに対し、かつて1年半を過ごしたレアル・マドリーについてどう思いますか?という質問が行われているのですが、彼の返答は白組へのリップサービスを期待したであろう質問者の予想を、ばっさりと裏切るものだったのです。「僕はね、レアル・マドリーよりもバルセロナの方が好きなんだ」。そして彼は誰に問われたわけでもないのに、こう付け加えました。「メッシは史上最高の選手だね。彼のプレーを見るためなら、夜更かししていられるよ」

なにかにつけてバルサ贔屓発言をしてくれるカッサーノ。とてもステキであります。

 

◇ベストのアドリアーノ

スター選手揃いの現バルサにおきまして、トップクラスに地味な助っ人ブラジル人選手、それがアドリアーノ・コレイアです。他の助っ人たちとは異なり、代表チームに呼ばれることは希で、この夏もフルボリュームのバケーションを満喫中の彼。しかしアドリアーノが放出対象となることなく、のんびりと夏休みを楽しめるのは、それだけの努力を行い、成果をあげたからに他なりません。アビダルの抜けた左ラテラルのポジションを、実際に彼はよくひとりで支えました。

これまでは怪我がちで、肝心な時に使えないなぁという印象の強かったアドリアーノ。しかし彼は自らをワンランク上の選手へと上げるべく、数ヶ月前から肉体改造に取り組んでいたそうです。物理療法士、ドクター、栄養士らと一丸となって行ったのは、体重を減らし、柔軟性があり、しかし耐久力は失わないボディにすることでした。そして徹底した現状分析、食習慣の改善、特定のトレーニングなどによって、アドリアーノはついに体重を5kg絞ることに成功。元々鍛えられた身体を持っている現役スポーツ選手がそれだけ身体を絞るのは、かなりの努力があったことでしょう。

この肉体改造により、筋肉量は増えつつも動きは敏捷、というニューアドリアーノが誕生しました。もしこの備えがなければ、アビさんが離脱となって以降のフル稼働状態に、アドは耐え切れなかったのではないかと想像します。怪我をしなくなったことで、より計算の立つ選手となったアドリアーノ。この夏にジョルディ・アルバが来ようとも、彼はアドリアーノとのポジション争いに勝ち残る必要がありそうです。

嗚呼、ジェフレンもこの肉体改造に成功していれば。そしてロレンソ・ブエナベントゥラさんの退団が、こういったフィジカル向上にマイナスの影響を与えませんように。

 

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