ラフィーニャの代わりとしてのアルダ登録を求めたバルサ。
今季中の復帰が絶望的となったラフィーニャの代わりとして、アルダ・トゥランの登録をRFEFに要請する。FCバルセロナが当初の考えを変更し、行動に移すことにしたようです。その行動の根拠となっているのは、長期負傷者が出た場合は代役を獲得できるというリーガ・エスパニョーラの特例規定と、FIFAからの罰則はすでに8月31日をもって終了しているという考え。国際フットボル連盟から科せられたのは“2つのマーケットでの選手登録の禁止”ですから、その市場が閉じた瞬間に罰は満了、ならば国内ルールに従ってアルダと登録して何が悪いか、との理論です。至極真っ当な言い分ですが、なにぶん相手はあの組織ですから、難癖付けられる可能性が濃厚ですかね。
制裁期間はすでに終わっている
SPORT紙によりますと、来年1月4日までは選手の新規登録は不可とかいうFIFAの命令にじっと従うとする考えをFCバルセロナが改めたのは先週のことでした。クラブの法律部門が過去の判例を全て分析した結果、アルダ・トゥランの登録に法的な問題がないとの結論が出たのがその理由です。バルサとRFEF(スペインフットボル連盟)の法律部門は協力してカタランクラブの置かれた状況を分析し、アルダの登録は合法だとする見解に到達。バルセロナは当初、追加罰のリスクを避け、確実な根拠を得るまでは動かないことにしていましたが、これはいけると確信を得たことでついに行動に出ました。
FIFAがFCバルセロナに科した制裁は、2014年冬と2015年夏のマーケットでの選手の新規登録を認めないこと、でした。よって罰は8月31日にリーガ市場が閉じた時点で完了している。2016年1月4日まで登録が出来ないのは、夏のマーケットを利用出来ないことによる結果、に過ぎません。例えばの話ですが、これから突然2015年秋のスペシャルマーケットが開けば、バルサは選手を新規登録できる。登録を禁じられた2つのマーケットはすでに終わっているのですから。
そしてラフィーニャが大きな負傷をしたことで、バルサの前にひとつの扉がぎぎぎ・・・ と開きました。RFEFが正式に認めている、長期負傷者の代わりに新しい選手を補強してもよいという合法的な権利の扉です。おや、バルサにはちょうど、トレーニングを共にしているけれども“浪人”(RFEF未登録)のセントロカンピスタがいるじゃないか。これは登録申請しない手はないです。FIFAとかいう組織になにを口出しする道理がありましょうか。
RFEFとFIFAに書類を送付
FCバルセロナはRFEFに対してアルダ・トゥランの登録を申請する書類を送付するのと並行して、FIFAとかいう所にも、国内の2つのコンペティション(リーガとコパ)でトルコ代表ヒゲのセントロカンピスタの登録許可を求める正式な書類を送付しています。国際フットボル連盟がこのバルサの要請に対し、すんなり譲歩するとはまあ思えません。そこでバルサはあらゆる法的権利を行使し、彼らと“闘っていく”ことになります。
SPORT紙はこの件に関し楽観的で、バルセロナはおそらくリーガとコパ・デル・レイでアルダ・トゥランを起用できるようになるだろうと読んでいます。チャンピオンズはすでに選手登録期間が終了しており、かつポルテーロ負傷以外の代替登録をFIFAが定めていないことから、アルダは1月まで使えない。しかし欧州での戦いの本番は2月の1/16ファイナルからですし、グループステージ残り5試合は現戦力でなんとか出来ましょう。重要なのは毎週厄介な課題をクリアしていかねばならないリーガでラフィーニャの穴が埋まること。リーガでアルダを使えると非常にヒジョーに助かります。
今回、この行動を起こすことによるリスクは、言いなりだと思っていたバルサが反旗を翻すことに気を悪くするであろうFIFAとかいう団体から更なる不公正で悪辣な制裁を食らうことですが、、、ただただ服従しているのは非常に屈辱的なこの頃だったので、理事会がついに動いたかと嬉しさが勝ります。ただ罰に怯えていた日々とはサヨナラ。さあさあFIFAさん、渋々の許可を早くおくれやす。
(※MD紙はより楽観度の低い見解で、FIFAからの回答は来月になるのではないかとの予想。しかも良い返事はきっと来ないだろうとしています。NO回答が届いた場合は、スポーツ仲裁裁判所へと略式手続きで訴える、とのことです。そしてアルダの代理人アフメド・ブルト氏もCOPEの取材に、「FIFAに関しては楽観的ではない」とコメントしています)
ルイス・エンリケ 「限界的状況ではない」
FIFA制裁によってダメージを受けたチームを預かるルイス・エンリケ監督はセルタ・デ・ビーゴ戦の前日会見にてこのラフィーニャの抜けた穴を埋めるための選手登録について訊ねられ、「楽観主義者になることも、悲観主義者になることもない。クラブが最良の選択肢を探していくだろうからね。自分としては、目の前のリアルな物事に集中していくことにするよ」とコメント。机の上の作業はフロントに任せるとの立場を強調しています。
一方でFIFA制裁やら負傷者の続出に苦しむチームについては、「限界的な状況でも、破局的な状況でもない」、「去年の今頃はアンタたち(記者)が私を殺そうとしてたじゃないか(笑)」との見解を示したルーチョでした。
「チームに事件があるのは普通のことで、FIFAからの罰には苦しんだけれども、私たちは普通の状況にある。ペドロもまた去ったとはいえ、それもまた考慮していたことなんだ。たしかにバルサのような状況をどのクラブも経験していないけれど、ここの選手は何が起ころうとも忘れてプレーする力を持った唯一の見本だ。罰が不公正で大げさなのは事実。しかしチームからはポジティブで勝者のメンタリティが伝わってくると繰り返すし、監督にとっては簡単な状況だよ」
水曜日のセルタ戦に関しましては、「相手の特徴やチーム状態により、最高に難しい試合になるだろう。バライドスでは昨年もかなり苦労したしね」、「しかし、全ては私たちのプレーレベル次第だ。もし私たちが並みのレベルなら、セルタが私たちを上回るだろう。激しくいければ、こちらに可能性が出てくる」と警戒しているルイス・エンリケです。
ラフィーニャは全治6ヶ月
ラフィーニャ・アルカンタラの右ヒザ前十字靭帯再生手術がこの火曜、ラモン・クガット、リカルド・プルーナ両医師の執刀によって行われ、無事成功したとの発表がFCバルセロナによってなされました。それによると、回復に要するであろう期間は約6ヶ月。つまりはラフィーニャは3月末~4月上旬には普通にグラウンドを走り、ボールを蹴ることが可能になるということで、実戦に出場できるだけのフォームへと仕上がれば、リーガ最後の数試合、もしくはコパやチャンピオンズの決勝(5月21日、28日)に出場することもありえるわけです。
これから始まっていく長く厳しいリハビリ生活を乗り切るために、そういった希望は大いに役に立つことでしょう。月並みですが、これまでよりもさらにラファが強くなって戻ってくる日を心待ちにしてます。アニモ、ラファ!
コメント
FIFAから何かしらの難癖はありそうですね。
(……それしか能がない連中ですから………)
返答やらなんやらを遅らせるとか、最悪の場合、補強期間の延長なんてことも...
それはともかく、リーガに慣れているアルダを登録できるとなると心強いですね。ラフィーニャの手術成功も喜ばしいです。