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取りこぼし再び:デポルティーボ戦

2点リードを守れず、またも終盤に同点に追いつかれるの巻。

ルーチョバルサが2試合連続(リーガ)で残念な試合をしてしまいました。前節のバレンシア戦は前半に何度も手にしたゴールチャンスを仕留められず、終了5分前に追い付かれて1-1のエンパテ。こちらは舞台がメスタージャだったゆえ、まだそういうこともあると考えることも出来ましたが、今回のデポルティーボ戦はカンプノウでしたし、2-0のリードもあったので残念の度合いもかなりのものです。これにてバルセロナは2試合で4ポイントを失うこととなり、日本でクラブワールドカップを競っている間に暫定3位にまで落ちる可能性も。勿体ないラスト15分でした。

終盤にコントロールを失う過ち

フットボルの世界は移り変わりが早く、チーム状況がごく短期間で大きく変化することはざらです。一つの勝利によって一気にクライシスを脱することもあれば、気が付けば不の螺旋に落ちていることもある。対バレンシア、レバークーゼン、デポルティーボと3試合連続の引き分けとなったバルセロナはどうやら悪い流れに落ちているようですし(リーガでは2試合続けて残り5分で同点にされる)、ここはいっちょ日常を離れ、日本でのクラブワールドカップに頭を切り替えるのはちょうど良いかもしれません。ベルナベウクラシコに合わせたピークが、一度少し落ちているのでしょうか。年内は勢いで突っ切ると思っていたので、この急ブレーキは正直意外でした。

サンチャゴ・ベルナベウで4-0の完勝を収めたことによる勢いは、この2試合で失われました。4ポイントを取りこぼしたことで、あのクラシコで得た白いチームへの勝点アドバンテージも手放してしまったバルセロナ。しかもバルサはバレンシアデポルティーボに対して先制点を奪い、カンプノウでは追加点もあげていたのに、終盤にコントロールし切れずに同点に追いつかれたのが勿体ないです。デポルの2点目が、セルヒオ・ブスケツからピケへのバックパス失敗から生まれたのも痛かった。これぞまさに、弘法も筆の誤り。セルヒオも人の子。

ルイス・エンリケの采配も議論の的となっています。メスタージャでは一つの交代枠も使わなかったことで話題となったルーチョは、今回はそれとは逆に、積極的に交代させすぎたことで議論のテーマに。イバン・ラキティッチセルジ・ロベルトに代えたのと時を同じくしてデポルティーボの決定機が生まれ、ジョルディ・アルバマテューに代えた直後に2-1にされたわけですから、交代の有る無しに関わらず今のバルサは試合をまとめられないと批判を受けるのも仕方ありません。それにしても、途中交代でラテラルに入るマテューの不安定さよ。

一方で天晴れだったのは、カンプノウで2点差にされても挫けなかったデポルの闘志です。7人でエリア前を固め、残る前線の3人でブスケツ、ピケ、マスチェラーノに圧力を掛けるビクトル・サンチェスの戦術も効いていました。

今のルーチョチームは、何かが上手く回っていないと思われます。それが集中力なのか、ぼんやりとした気の緩みなのか、疲労の蓄積なのかは分かりませんが、何かが上手くいっていない。それがスペインと日常から離れることで解決するかどうかは定かではないにせよ、クラブ世界一に輝き、クリスマス休暇で英気を養うことで運気がまた正の方向に向くことに期待です。

ルイス・エンリケ 「馬鹿げたボールロストがあった」

要塞カンプノウで2点を先行しながら、そのリードを守れずに2-2の引き分け。この試合結果にはさすがのルイス・エンリケも落胆を露わにしています。ガッツ監督はいつも公の場で選手たちを非難せず、強い言葉を使うことは避けるのが常ですが、このエンパテにはかなりがっかりしたようで。試合終盤にバルサはあまりに多くのエラーを犯してしまった、とこう語りました。「2-1となるまでは、試合はコントロールされていた。その後は私たちがエラーを繰り返し、いつもは犯さないような馬鹿げたボールロストも幾つかあったよ。ラスト15分間のプレーによって私たちは罰せられた

監督によると、この試合の分岐点になったのは「(オフサイドで)無効となったデポルティーボのゴール」でした。「あれから私たちは疑問を抱えてプレーすることになり、エラーのたびに罰を受けることになった」

そのデポルの幻のゴールが75分。バルサのプレーが悪化したのはラキティッチセルジ・ロベルトに代え(72分)、ジョルディ・アルバマテューに代えた(76分)ことと時を同じくしており、そのマテューマスチェラーノの間をルカス・ペレスにぶち抜かれて2-1にされたのが77分でしたから、当然采配が疑問視されます。監督が交代タイムを始めたことで、試合が決着したとのメッセージを送ってしまったのもひとつの要因でしょう。

別の結果を期待していた。目指したのは別の結果だった。ただ、もっと良い成果を期待していたとは言っても、交代の責任は監督にある

こういった試合をしてしまった後、常套句として使われるのが“この失敗を教訓にしなければならない”という言葉です。2-0から追いつかれたことは、ルイス・エンリケにとってどんな教訓になったのか。ミスターは言います。「このエンパテは不公正な結果だけれど、フットボルはゴールチャンスの数で勝敗が決まるのではなく、より効率的だったチームが勝つ競技だ。選手たちは私と同じように落胆してるよ。この結果は私たちが改善していくために役立てる必要があるし、2点差では試合が終わらないということだよ」

「エンパテが相応しい結果だったとは思わない。ただしバレンシア戦での引き分けよりは、不公正さは少ないよ。メスタージャでは私たちがかなり相手を上回っていたけれど、今日の私たちには負けていたかもしれないからね」

「今は立ち上がり、自分たちの前にある試合のことを考えなければならない。クラブワールドカップ決勝について話すことを私は望まない。まず始めに準決勝で勝たなければならないんだ」

そしてルイス・エンリケはカンプノウにて勇敢な試合プランを練ってきたビクトル・サンチェス監督を称賛しています。「デポルティーボは勇敢だった。彼らの戦術に驚かされたのは確かだよ。私たちに対しては前線からプレッシングをかけてくるか、引いて守るのが普通だからね。戦術面では、いつもの試合とかなり異なっていた。デポルティーボは前線の3人でボールの出所にプレッシャーをかけ、残りの選手でエリアを閉ざしてきた。7対7で上手く守っていたね。相手がそんな少数で守るのは驚いたけれど、最終的に私たちには運がなかった。私たちには3-1にするチャンスもあったが、そうはならなかった」

そして今日、日本へと出発

ということでリーガでのタイトル競争はひとまず脇へ置き、これから一週間はクラブワールドカップ(ムンディアリート・デ・クルブス)です。ヨーロッパ王者バルセロナ一行はこの日曜日の現地午前10時にバルセロナを出発し、遥か日本を目指します。成田空港到着は明日の午前7時20分の予定。それから少し休息をとった後、夕方18時半からはさっそく三ツ沢球技場にてトレーニングを行うそうです。来日当日にトレーニングをする目的は、ジェットラグを少しでも早く治すこと。クラブ発表によると、バルサは日本で合計5回のトレーニングを計画しています(月・火・水・金・土)。生見学ができる人たちが羨ましきかな。

 

コメント

  1. silver より:

    マドリー、ローマ、ソシエダと続いた威圧感が全く無くなったような感じはしないのですが……

    何でしょうか?? 何か些細なところが噛み合っていない印象を受けますね
    年明けから良いスタートが切れるといいですね‼
    ただ、ひとまずはCWCですが……
    しっかり勝つことで、もう一度上昇気流に乗りたいところですね‼

    ネイマールの怪我が明けるのが待ち遠しいですね…
    また、観る者魅了するパフォーマンスを期待しています。
    しかし…… マテューの波の激しいパフォーマンスは…
    左ラテラルの交代をするなら、アドリアーノを推しますね