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落ち込むチームを励ますエンリケ

セルティック戦へ向け、チームを元気にするためのミーティング。

試合に敗れたその翌日は空気が淀む。これはもう仕方ありません。特に負けることはまず無いだろうと考えていた試合で躓くと、非常に落胆する。デポルティーボ・アラベス相手にカンプノウで早くも今季初黒星を喫したことは、バルセロニズモを気落ちさせるに十分な出来事でした。しかしライバルたちはバルサに一泡吹かせてやろうと立ち向かってくるのですから、なんであれ勝つよと高を括っていたことも反省をすべきでしょう。現場のチームが油断をしたとは思いませんが、彼らにとってもこのアラベス戦には自己批判すべき点は多くあったようで。トレーニング開始前のロッカールームでは、テクニコと選手たちによるミーティングが行われたそうです。

選手たちへのメンタルケア

アラベスに1-2で敗れた後の記者会見で、ルイス・エンリケは幾つかの敗因を述べていました。監督が反省点に挙げていたのは、「プレーに正確さが足りなかった」こと、「スムーズさがなかった」こと、「いつものように決定機を作り出せなかった」ことなど。「アラベスのプレーが非常に正確だったのに対し、私たちには求められる決定打がなかった」と見解を語り、責任の所在についてはいつものように、「悪いことが起こった時、一番の責任者は私だ。私はそれを知っているし、受け入れる」と、自らの判断に誤りがあったことを認めたミスターです。

トレーニング開始前に行われたというこのミーティングの内容については、部外者では入れないロッカールーム内の出来事だけに知る由はありません。MD紙は前夜の監督の記者会見コメントに添った形で敗因の分析が行われたとの見解。一方でSPORT紙は戦術分析には重きは置かれず、選手たちの気持ちを上げていくことを主目的としたとの見解。どちらにせよ、この9月の段階でそういう話し合いがあったというのはルーチョ監督としては異例です。

アラベス戦の黒星の大きな特徴は、入団間もない選手たちが複数先発で起用され、良いところなく敗れた点にあります。レギュラー陣を脅かしてほしいと期待されている選手たちが、どうすれば上手くいくのか分からない様子で攻守一丸のアラベスに負けた。古株たちがフワッとプレーして失敗したのとは意味が違い、彼らが自信を喪失させないように早いケアが必要というのは確かにそうでしょう。

よって話し合いでは具体的な戦犯は探すことなく、監督は前向きな言葉だけを用いて、タイトルを獲得するためにはスカッド全員の尽力が必要だと励ましたというのがSPORTの記事です。

選手たちの気持ちのケアに関しましては、今季のルイス・エンリケは気を遣っているらしく、MD紙によりますと彼はアラベス戦の前日にアレイシ・ビダルと個別懇談を行ったそうです。そこではトレーニングへの取り組み方やアレイシの役割、戦術に関する疑問などあらゆることが話されたとのことで。選手層が増した分、腐る選手が出ないように隅まで気を配っていこうとするミスターの変化が感じられます。

ルーチョへの教訓

アラベス戦の一番の敗因はやはり大幅にやり過ぎたローテーションでしょう。チーム状況をみれば、選手入れ替えの必然性は十分にありました。代表戦ウィークから選手たちは疲れて帰宅し、3日後にはチャンピオンズの開幕節も控えていた。メッシイニエスタアンドレ・ゴメスは前日に医療部のプレー許可が下りたばかり。今夏の補強はバルセロニスタに希望を抱かせるものとなりましたし、厚くなった選手層を活かすには絶好の機会でした。もし相変わらず鉄板イレブンを選択していたなら、それはそれで強い批判にさらされたでしょう。

ただ、その配分は難しいです。バランスを崩さないようにしようとの配慮は、セルヒオ・ブスケツイバン・ラキティッチは残したことからも窺えます。しかしサイドは右も左も機能せず、メッシイニエスタもいなかったことでゲームを作る選手が不在。セントラルからの最初の組み立てもマスチェラーノマティエウが組んだことで期待できず、前線を託されたネイマールは、周りにいるのがデニス・スアレスルーカス・ディニェパコ・アルカセルですから、1対1でどうにかしようとしてはアラベスの壁につぶされていました。バルサは良い選手たちを補強しましたが、適応には時間がかかります。

どうせローテーションを行うのであれば、新人の中で最も違和感なくフィットしているサムエル・ウンティティこそ先発起用すべきだったように思えます。アルゼンチンから疲れて帰ってきたマスチェラーノのプレーは冴えず、チームの2失点に直接関与。2点目の元となったクリア失敗など、どうしちゃったのと心配するレベルでした。

大量の選手入れ替えに関して、試合終了後のルイス・エンリケはこう説明しています。「疲れて戻ってきた選手たちがいたので、疲れの少ない選手たちを参加させるよう試みたんだ」「今シーズンは全員を使って切り盛りしていく。11人でも12人でも13人でもなく、22選手を使っていくだろう

それは大いに結構なのですが、少々極端に走ってしまうのがルーチョの悪い傾向で。幸いまだシーズンは始まったばかりですし、ここからいくらでも修正は効きますので、ミスターがこれを糧としてローテーションのちょうど良いバランスを見出し、主力を休ませつつも競争力を落とさない面子を選ぶその配分を見つけることに期待しましょう。彼も「学ぶための試合」と語っていますし。得点だけでなくプレー全域に影響を及ぼすレオ・メッシの休ませどころは本当に難しいです。

 

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