リーガでの黒星から中2日、チャンピオンズ制覇を目指す戦いが始まる。
フットボル(スポーツ)の良いところは挽回のチャンスが訪れることだとよく言われますが、今夜カンプノウにて行われますチャンピオンズ2016/17第1節 バルセロナ対セルティックFCもそんな試合となっています。ルーチョチームは選手を大量に入れ替えて臨んだ週末のアラベス戦でまさかの敗北を喫しており、このヨーロッパ戦でしっかり勝利し、好感触を取り戻すことが必須。カーディフでの決勝戦に向け好スタートを切ることで、リーガでの躓きの影響も最小限に止まることでしょう。アラベス戦で温存した主力たちが出てくるセルティック戦は、アラベス戦とはまた違ったバルサが見られるはず。ダイナミズムあるフットボルで初戦快勝といきましょうぞ!
体格で勝るセルティック相手にすべきこと
ブレンダン・ロジャース率いるセルティックとルーチョバルサはこの夏、インターナショナルチャンピオンズカップで対戦をしています。この時はまだ大半の代表選手たちがバケーション中だったので、レギュラー組はメッシ、ルイス・スアレス、セルジ・ロベルト、それにアルダ・トゥランくらい。結果はアルダのゴラッソ、相手オウンゴール、ムニール弾でバルセロナが3-1の勝利を収めていますが、なにぶん7月末のことですし、今回はガチ勝負なのでさほど参考にはならないかもしれません。ルーチョは前日会見にて、「似た戦術でくるだろう」と予想しています。
アラベスに対して18分までシュートを放てなかったバルセロナがセルティック戦でまずやるべきことは、体格で上回るスコットランド勢を速いパス展開で揺さぶることです。相手はおそらく守りを固めてからのカウンターアタックで勝機を目指してくるでしょうから、こちらはバルサスタイルで能動的にボールをコントロールし、こちらのペースに相手を引き込むこと。セルティックに乗らせては苦しい展開になってしまいます。
良いスタートを切ることが基本
前日会見にてルイス・エンリケが強調したのは、良いイメージを残してセルティックに勝利することの重要性でした。以下、バルサ監督の主だったコメントです。
「チャンピオンズが短い(試合数の少ない)コンペティションであることを考慮すると、良いスタートを切ることが基本となるし、リーガで予期せぬ負けを喫した後となれば尚更だ。ただし意識しすぎることを避けるために、ピッチでの出来事に集中しなければならない」
「選手たちとの話し合い?下部カテゴリーでプレーをして、トップチームまで上ってくれば、監督の対話について知ることが出来るだろうね。私たちは毎試合後、エラーを修正し、良かった点を強化するために話し合いを行っているよ。アラベス戦後の対話はいつもと変わりはなかった」
「目標は次の試合に勝つことだ。最終的には次のラウンドへ勝ち上がることや、首位通過することが目標となるけれど、最初に目指すのはセルティックに勝利すること。そのためには良いフットボルをしなければならない。ボールを上手く回し、ハイプレッシャーをかいくぐり、効率よく攻め、説得力ある守備をしなければならないだろう」
「私たちは腹を立てている。カサで負けるのは好きではないからね。けれども腹を立てる以上に、私たちは明日の試合を非常に楽しみにしているし、満員のカンプノウを見たいと思っている」
「一度も失敗しなければ、嬉しい。けれども私は監督となってからそういったことを見たことがないからね。このチームには胸躍る歴史があるし、この2年間はすばらしいものがあったけれど、それは私たちが失敗できないということを意味しないんだ。私たちに興味があるのは問題を確認し、いかに改善していくかだよ」
「私たちは多くを勝ち取ってはきたものの、改善点は常に存在しているからね。幾つかの点にはこだわり続けなければならないし、いつもの習慣は強化してかなければならない。私たちのプレースタイルは多くのチームのそれとは異なっているので、新加入選手たちが知るべきことは数多くあるんだ。適応するために選手が必要とするニュアンスもたくさんある。適応期間を短くするためには、ハードワークが必要だ」
「選手を獲得する時、若さはハンディキャップになりえるけれど、必要なのは彼らの資質を評価することだ。私たちの契約した選手たちにはその資質がある。あとは試合やシーズンを経ながら、バルサのような難しいクラブでの成果を見ていかなければならない。2、3試合だけでは褒め称えることも、批判することもできないんだ。半年、あるいは1シーズンのスパンで評価をしていくことになるだろう」
セルティック
「セルティックのゲームプラン?監督にとっては、相手チームが何をしてくるかと分析するのは楽しいことだよ。5-4-1でプレーしてくるのか?引いて待ってくるのか、それともプレッシャーをかけに出てくるのか… 明日の試合はプレシーズンとよく似た展開になると思う」
「ロジャースは楽しいフットボルを愛する監督で、魅力的なフットボル観を持っているね。セルティックに来てまだ間もないけれど、彼が望むフットボルはすでに垣間見えている。彼のアイディアを私は好きだよ」
メッシの出場時間は彼のコンディション次第
セルティック戦の最初の注目点は、ルイス・エンリケの送り出す先発イレブンです。アラベス戦ではベンチスタートとなったレオ・メッシが先発で出場するのか。ミスターの答えは、“レオの身体に聞いてくれ”でした。
「私としてはメッシには常にフル出場してほしいし、彼自身もそうだと想像するけれど、ここで重視されるのは選手たちのフィーリングや身体の状態だからね。状況は短期間でそう変わるものでもない。毎試合、彼が最大限プレーできるのであればベストだ。しかしプレーする時間は彼の状態によって決まることになるだろう」
アラベス戦で2失点に関与したマスチェラーノに関しては、「試合に負けた時、個人レベルで話すことに意味はないよ。監督にとって、マスチェラーノは驚くべき選手。ピボーテが彼のポジションではあるけれど、何年間もセントラルとしてプレーをして上手くいってきたし、これからもセントラルとしてプレーし続けていくだろう」とコメント。ミスターは続けて、しれっと次のように語っています。
「おそらく休養する機会が少なくなるであろう選手はブスケツだ。彼の代役はいないからね。ただしセルジ・ロベルトやラキティッチ、マスチェラーノ、アンドレ・ゴメスなどピボーテをこなせる選手は何人かいる」
ポルテーロ問題
先発ポルテーロも議論が分かれるところです。アラベス戦を練習中の怪我で休んだテル・ステーゲンはすでに回復したとして、セルティック戦で復帰する気満々な様子。昨日さっそくSNSに「チャンピオンズで戻る」と復帰宣言をしています。一方で医療部は慎重派。傷めたのが筋肉でしたし、テル・ステーゲンのように足でボールを扱うポルテーロは再発のリスクも上がりますから、事を急いで大事に至らぬように今回は用心深い選択を求めているそうです。でもおそらく痛みはもうないとテルさんが主張し、医療部もよしとすれば、ドイツ人ポルテーロがゴールを守ることになるでしょう。
SPORT紙によりますと、昨日のトレーニングではファン・カルロス・ウンスエがシレセンと話し合いをしており、それはもしテル・ステーゲンが先発となった場合に後を引かないようにするためだと同紙は見ています。マシップにもケアが届いていますように。
ルイス・エンリケも指摘していますように、バルサの新加入選手がいきなり成果を上げるのは非常に難しいことなので、少しずつ試合を重ねながらスタイルに適応していくのを待たなければなりません。新加入選手には知るべきことが多くあるという今回のコメントを見れば、確信はないですが、アラベス戦のような極端な采配はもう行われないんじゃないかという感じがする。デニスであれアルカセルであれ、少しずつ馴染んでいってもらいましょう。その点ですでにマスチェラーノとのポジション競争に勝ったと評価を受けていて、新人で唯一先発予想に名を連ねているウンティティはすばらしいです。
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