グループC首位を巡っての直接対決、第一弾。
今季前半戦における最大のお楽しみ試合の一つ、ルーチョバルサ対ペップシティの日がやってきました。独自のプレースタイルでファンを魅了するFCバルセロナと、そのバルサで黄金時代を築いた名指揮官グアルディオラ率いるマンチェスター・シティの対決。どちらもポゼッションを基本とした攻撃的チームですから、中盤でのボールの競り合いが勝負のポイントとなる、目の離せないゲームとなるでしょう。ペップが手放しで称賛するレオ・メッシをどのように封じようとしてくるのか。必殺のトリデンテがいかにそのカゴをぶち破るのか。テル・ステーゲンとクラウディオ・ブラボの再会など、その他モルボにも事欠きません。
鉄板イレブンの予想
最近は実験的イレブン起用でファンを驚かせることの多いルイス・エンリケですが、ペップシティをカンプノウに迎えてのこの一戦では、いわゆる鉄板メンバーをピッチに送り出すことでしょう。幸いなことに、怪我で戦列から離れていた主力選手たちは皆順調に回復。デポルティーボ戦で鮮烈な復帰を飾ったレオ・メッシを始め、そのデポル戦では温存したイニエスタとウンティティ、さらにFIFAウイルスを患っていたジョルディ・アルバとセルジ・ロベルトもスタメンに名を連ねるだろうと見られています。唯一明らかでないのは左セントラルですが、SPORTもMDもマスチェラーノではなくウンティティ先発の予想です。
最大の注目はやはり、メッシが先発に復帰する南米トリデンテです。ルイス・エンリケは前日会見にて、「ポゼッションが重要性を持たない試合やライバルもいる。マンチェスター・シティ戦で私たちはボールを保持していくだろうけれど、それはより長くボールを持ったチームが勝つということを意味しない」とコメント。必殺の個人突破力を持つトリデンテがいるわけですから、そこは十分活用していくでしょう。
ブスケツとの会話
マンチェスター・シティはシーズン開幕から10連勝とこの上ないスタートを切った後、ここ3試合はセルティック(3-3)、トッテナム(2-0)、さらにエバートン(1-1)と3試合連続で勝利から見放されています。それに今夜の舞台は、チャンピオンズでは12試合連続でライバルを打ち破っているというカンプノウ。本命のシールを貼るなら、バルセロナとなります。
しかしグアルディオラが易々とこちらに勝たせてくれるはずもなく、シティは前線からの激しいプレッシングでバルサのボールを奪おうとしてくると考えられます。その標的になるであろうのはブスケツ。そこでバルサ系メディアに注目点として挙げられているのが、昨日のトレーニング開始前にセルヒオ・ブスケツとルーチョがしばし話し合いをしていたらしい件です。
ピッチ上での数分間のトークなので、どの程度の事が話されたのかは判りませんが、中盤での戦いが重要となるシティ戦では、セルヒオ・ブスケツがバルサのリズムを作るうえでカギとなるのは間違いありません。今季序盤はエラーで失点に絡むなど本調子ではないセルヒオが、いつもの彼に戻ればチームは勝利へと近付く。逆にここでシチズンたちの圧力に屈することになると、しんどい展開が待っています。
ちなみに、今回は相手が戦術バリエーション豊富なペップシティということで、セッション開始前の戦術分析には通常より10分ほど長い30分が費やされたそうです。SPORT紙によると、テクニコたちが特にこだわったのは如何にしてシティにポゼッションをさせず、スピードある相手の前線を無効にするか。ハイプレスをかわすには最終ラインからのパス展開が重要ゆえ、ウンティティ先発が有力だろうと同紙は見ています。
「ファンにとって最高の試合となるだろう」
ジェラール・ピケが持ち前のサービス精神でメディアを沸かせた(代表引退を巡って、自分はMARCAやASやフロレンティノの操り人形に追い出されたわけではなく、自分で決断して引退を決めたとコメント。この操り人形が大ウケ)後の、バルサ監督による前日会見。今回のシティとの勝負をルイス・エンリケは、「刺激」という単語で表しています。以下は前日会見でのルーチョの主だったコメントです。
「私たちはシティの試合を分析し、この試合の難しさに気付いている。シティは選手個々の資質だけでなく、グループとしてのレベルも高い。そこには監督の手腕が認められるし、彼らはすでに魅力的なものとなっているプレーをさらに向上させていくだろう。(グループCの)首位をかけてプレーするだけでなく、グアルディオラ率いるシティとの対戦はとてつもなく刺激になるね。友人が監督をするチームとの対戦はいつだって刺激的だ」
「私の中でグアルディオラは現在最高の監督だよ。彼のような攻撃的な監督は大好きなんだ。プレシーズン以降のシティの変化に、グアルディオラが大きな影響を及ぼしていることは明らか。彼らの試合を私は幾つか見ている。まだ何人かの選手が欠けているとはいえ、ボールを持っている時や追っている時のペップチームらしいメカニズムはもう見て取れているよ」
「(2年前の)バイエルン戦は分析の役に立たないだろう。シティとバイエルンでは全く異なっているからね。チームにいる選手に適応することは、監督の力量の一つだ。現在のシティは、前監督のチームとは似ていないよ」
「これは監督の試合じゃない。試合を決めるのはいつだって選手たちだ」
「私たちと同じように、シティもまたボールを保持することを目指してプレッシャーをかけてくるだろう。どちらの監督も攻撃的なメンタルを持っているから、シティやバルサのファンだけでなく、フットボルファン全てにとって最高の試合となるだろうね」
「シティへと上手くプレッシャーをかけるためには、楽しまなければならない。イマジネーションが必要なんだ。それが私たちの目指すところだよ」
「全ての選手が戻ってくることは非常に重要だし、レオが復帰し、チームで最も決定的な選手たちと共に彼を起用できることは、いつであろうと最高の知らせだ」
「ペップのバルサは連係をスタイルとし、数的優位や試合のコントロールを目指していた。それは私も多かれ少なかれ同じだけれど、選手が違っているからね。求めるのは同じ、良いフットボルをプレーすることだ。ファンを楽しませながら、良いフットボルをする、それが一番大事なことであり、バルサが非常に考慮していることだよ」
「どちらのバルサが好きか?私はどちらも好きだよ。ファンも賢いから、両方を楽しんでいるさ。重要なのは私たちがモデルを失わず、見ればバルサだと判るフットボルを続けていることだ」
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