チームは良いレベルにあったし、戦う姿勢も良かったと指揮官。
パルク・デ・プランスでの今季初黒星を受け、バルサ選手たちがどのようなリアクションを示すかが注目された一戦。幅が狭くデコボコしたピッチのバジェカスでルーチョチームが見せたのは、いつもとはちょっと違ったアプローチからゴールを奪っての勝利でした。昨シーズン、タタチームをポゼッションで上回ったパコ・ヘメス監督率いるラージョの特徴は、なんといっても高いライン設定と前線からのプレッシング。中盤にスペースはほとんど存在せず、激しい攻防が繰り広げられた中で、ラージョの守備網を破ったのはセントラルたちから裏へのロングパスでした。
最終ラインからの縦パスで2ゴール
ポゼッションでバルサと争っても勝ち目はない、と守ってからのカウンター戦術を採用してくるチームが多い中で、パコ・ヘメス監督のラージョ・バジェカーノは異彩を放っています。彼らはバルセロナに真っ向から勝負を挑んでくる数少ないチーム。結果的にそれは上手くいかず、今回もバルサはバジェカスから勝点3を持ち帰りましたが、立て続けの2ゴールが決まるまでは試合は拮抗していましたし、後半も危ない場面がありました。バルサが落ち着いてプレーを出来たのは、60分に相手が10人になって以降です。
試合の大きな分岐点となった2分弱での2ゴールは、いずれもセントラルたちによるロングボールから生まれています。35分の先制点はピケから最終ライン裏へと送り込まれたボールをメッシが仕留めたものですし、その1分半後のネイマールのゴールもバルトラからのパスが起点。中盤でのゲーム作りがトレードマークのバルセロナが、中盤を省略したことで誕生した2ゴールでした。
前半はシュート数わずか4本でチャンスの数は3回、うち2つがネットを揺らしている一方、60分に2枚目のカードでモルシージョが退場した後半は14本のシュートを放ち、6回は決定機がありながらも無得点。バルサらしいプレーと崩しがあったのは終盤でしたので、そのあたりの相反したところが面白くもあります。後半のメッシにいつもの決定力があれば、あと2点は追加されていたでしょうケド。
そのあたりが不満といえば不満ですが、試合全体としての選手たちの集中力や試合を読む目、プレーへの姿勢は文句のないものでした。不用意なエラーも減っていましたので、さらに精度などを高めていってほしいです。そういったラージョ戦を受け、試合終了後のルイス・エンリケ監督のコメントは以下のようになっています。
記録よりもチームとしての頑張りを評価
「ひとりの選手のためにある記録が意味しうるものより、私たちにとって重要なのはチーム全体の守備での頑張りだよ。ラージョは厄介なライバルだし、彼らがボールを譲ってくれないことは分かっていた。バジェカスのようなスタジアムでは、激しさで引けをとらないのは基本だ。選手たちの姿勢は、難しい相手から勝利を得るために相応しいものだった。記録が意味するもの以上に、彼らの激しさに私は満足している」
「ラージョのようにプレッシャーが厳しく、ライン間にスペースのないチームと対する際には、いつ縦に行くのかを知らなければならない。それが難しい点だ」「私たちを強くしてくれる勝利だよ」
(自ら行って、3点目を逃したムニール)「エラーが重なったプレー。ムニールのように若い選手を咎める必要はないさ。彼は横の選手が見えていなかった。もし見えていたら、パスを出していただろう」
(リーガ7試合で得点19、失点0)「私にとって興味ある統計は、シーズン終了時のものだけだよ。その時の数字は、私たちがタイトルを勝ち取るに相応しかったかどうかを教えてくれるだろう。すばらしい数字を残しても、優勝できなければ役に立たない」
「PSG戦での私たちはセットプレーでのエラーによって罰を受けたけれど、プレー全般において私たちは改善していってる。相手より多くチャンスを作り、相手には出来るかぎりチャンスを作らせないのが私たちのやり方だ。攻撃においてもっと正確であれば、私たちはより負けにくくなる」
「ネイマールとメッシ?調子が好いね。彼らのような連係がさらに増えてくることを期待しているよ。攻撃時の手段をもっと増やすことが私たちの目標だ」
「マテューはフィジカルの面でもテクニックの面でもラテラルを完璧にこなせるし、私たちはそれを評価してきた。彼のような多才な選手は私たちにとって重要だ」
「ジャッジについてはコメントしない。審判について何か言うなら、プレーをさせてくれる審判が好きだということだね。マテウ・ラオスはそのタイプの審判だよ。エラーは誰にでも起こることだ。失敗しない人間なんていないんだ」
【ラージョ・バジェカーノ 0-2 FCバルセロナのマッチレポートはこちらです】
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