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イニエスタとの生涯契約

現役引退後も、なんらかの職でバルサに残るオファー。

FCバルセロナは現在、2019年6月末で契約が終了する主力3選手、ルイス・スアレス(29)、イバン・ラキティッチ(28)、マルクアンドレ・テル・ステーゲン(24)との契約延長に動いているといわれます。2014年入団組の彼らはそれぞれに成果を残し、チームの主力としての評価を獲得。クラブはその働きに昇給で報いるだけでなく、契約期間も2022年まで延長したい考えのようです。そしてもう1人、バルセロナが契約延長を望んでいるのがアンドレス・イニエスタです。生え抜きの伝説級クラックであるドンは、その重要性においては外様選手を遥かに凌ぐ。よって選手として契約を更新するだけでなく、引退後もクラブに残るようなオファーを理事会は準備しているようです。

いつまでプレーするか決められる権利

アンドレス・イニエスタとFCバルセロナの契約は、現時点では2018年6月末までとなっています。満了すれば、ドンはその時34歳。通常であれば、三十路を越えた選手との契約は1年ずつの更新、複数年となっても2年+オプションの場合がほとんどでしょう。

しかしバルサにおけるイニエスタの価値は、並みの名選手とは比べることは出来ません。12歳でラ・マシアに入ってからはバルサ一筋。白い魔術師、世界遺産と評される圧倒的な個人技と謙虚な人柄によってクラブのイメージ向上と名声獲得に貢献してきたメガクラックに対しては、その待遇も別格でなければならない。13日付のSPORT紙によると、バルサは彼が望むかぎりプレーを続けられる新契約を提出する考えなんだそうです。

同紙の説明では、バルサがイニエスタとの契約延長の際に最も重視するのは、彼がより幸せで快適にプレーをできる環境の提供です。それはたとえば、34歳となった2018年以降は、イニエスタ自身が納得のいくプレーが出来ていると感じているのであれば、契約は自動的に継続されていくというような。逆に、自分のパフォーマンスはもうバルサレベルではないとドンが考えれば、その時は引退を選べるということになります。契約期間=彼が引退を決意するまで。

そしてシューズを仕舞った後はスタッフとしてクラブと関わることで、イニエスタが生涯バルサと結び付いていくことがクラブの希望だとSPORT紙は述べています。

ラ・マシアのお仕事

以前チャビ・エルナンデスがラジオ番組のインタビューの中で、ジェラール・ピケが夢想するバルサの将来像として、“ピケが会長、プジョルがスポーツディレクター、チャビがトップチーム監督、セルヒオ・ブスケツが助監督”という構想を明かしていました。イニエスタもそこに加えてよ、と思ったりもしたわけですが、ドンにピッタリきそうなのは、SPORT紙がいうようにラ・マシアに関係する仕事でしょう。レジェンド・イニエスタという最高のお手本が間近にいることで、カンテラの若者たちも大いに刺激を受けるに違いありません。

ラ・マシアで育った選手がプロフェッショナルとなり、引退をした後はクラブの一員となって働く。この仕組み(ラ・マシア360°、というそうな)を確立させていくことがFCバルセロナの計画らしく、昨年の会長選挙ではジョゼップ・マリア・バルトメウがプロジェクト案として発表していたのだそうです。スポーツを通じて、人材を育てていく。アスルグラナのDNAを持った選手だけでなく、監督、スタッフも輩出していく。そんな輪が出来上がれば、たしかにステキでしょう(今もクラブ出身の監督、スタッフは多いですが)。

ちなみにSPORT紙によりますと、最近クラブのCEOに就任したオスカル・グラウ氏は、ハンドボールのインファンティルチームでバルサ入りし、セクション最初の欧州カップを獲得した人物なのだとか。グラウさんはバルサ一筋で現役引退した後は企業経営を勉強、そしてバルサ初のCEOとなったとのことで、イニエスタもそれと似たようなラ・マシア出身クラブ主要職員となることが期待されているそうです。

ワイン会社を成功させているドンですから、管理部門の才能もありそうな。まあそれはまだずっと先のことなので、今は選手イニエスタの卓越した美技を堪能することにいたしましょう。1年でも長く彼のフットボルを楽しめることが、クレの願いであります。

 

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