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両ラテラル、エル・サダルで躍動

それはもうエストレーモの如く。

FCバルセロナが0-3で快勝したオサスナでは、幾つかの明るいポイントがありました。マドリーが6ポイント差をつけて首位を走るリーガのタイトル争いで、バルサのレモンターダ(大逆転)の始まりと位置付けられたこの試合。オサスナは最下位争い中の不調チームですから、真の復調を宣言するためには より強力なライバルへの快勝が必要とはいえ、バルサらしいパスフットボルによって危なげない勝利を収めたことは今後の期待となります。地味ながらも光っていたのは、久々に機能したハイプレッシングとセルヒオ・ブスケツのパス配給、そして両ラテラルの活躍でした。

ヒートマップで一目瞭然

FCバルセロナの公式ウェブサイトでは、試合中に選手たちがどの位置でどれだけプレーに影響を及ぼしたのかが視覚的に非常に良く分かる、ヒートマップが試合毎に公開されています。選手別にプレーの影響度が可視化できるのですが、バルサらしいプレーが復活してきた、と評価される先日のオサスナ戦のページを見てみますと、オレンジ色を示しているのはセルジ・ロベルトサムエル・ウンティティセルヒオ・ブスケツアンドレス・イニエスタ。明るい黄色はジェラール・ピケジョルディ・アルバレオ・メッシといったところです。

特にドン・アンドレスセルヒオ・ブスケツのオレンジ色は濃くて本来の持ち場に近く、チームのバランスが改善されているのが分かります。右の図はセルヒオ、アルバ、セルジ・ロベルトの3人を表示させたものです。ブスケツがピッチのど真ん中で赤くなっています。

また右上のヒートマップでは、両ラテラルの影響範囲が上下に非常に広くなっているのも分かります。右ラテラルのセルジ・ロベルトなど、敵陣で一番赤いです。

これが散々だったレアル・ソシエダ戦(イメージ下)だと、3選手に濃いオレンジのゾーンはなくなり、黄色くなっている位置も下がります。セルヒオ・ブスケツのゾーンなど、本来彼がいるべきポジションが全然明るくなっていません。

2アシストのアルバ

先日のパンプローナ攻略では、ジョルディ・アルバセルジ・ロベルトが非常に重要な役割を果たしたと指摘するのは12日付のSPORT紙です。

同紙のデータによると、ジョルディ・アルバは合計54本のパスを成功させ、その大半はオナスナ陣内。失敗した5つのパスも全て、相手エリア付近での攻めのパスだったそうです。アルバはなんといってもルイス・スアレスレオ・メッシの得点をアシストしており、存在感は抜群でした。

一方でセルジ・ロベルトは合計73本のパスを味方に届け、失敗したのはわずかに5回。うち3つが攻撃的なパスだったようです。アルバに比べると深くえぐっていた印象はないのですが、ヒートマップでは非常にゲーム作りに参加していたのが分かります。

ロベルトアンドレ・ゴメスと一番連係し、46回パス交換しているそうです。確実性優先で97.2%のパスを成功させたというアンドレ・ゴメスがもう少し前に行けば、右からの崩しも目立つようになりそうです。

守備も文句なし

そして攻撃だけでなく、守備面でもオサスナ戦の両ラテラルは優れていました。同じくSPORTのデータによると、エル・サダルでのジョルディ・アルバのボール奪取数は9回、セルジ・ロベルトは12回。しかも彼らはこの数のボール奪取を1度のファールも犯すことなくやってのけており、これはなかなか出来ることではありません。高い集中力でプレーをしていた両ラテラルです。

チーム全体のハイプレッシャーが効き、オサスナの苦し紛れのボールはことごとくピケウンティティの両セントラル人が処理していましたし、その前のブスケツの守りも光っていました。バルサらしいフットボルとなるには、インテリオールたちのコントロールに加えて、ピボーテやラテラルの活躍も重要。それらを示すオサスナ戦のデータとヒートマップでした。

 

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