このスカッドでポジションを得るべく戦っている、とセントロカンピスタ
夏や冬のマーケットが近づくたび、メディアに移籍のウワサが出るのがデニス・スアレスです。この11月でいえば、ナポリが彼にこだわっているという情報が流れています。しかしデニス本人はいつも、バルサ選手として成功することしか考えてはいない。そして毎回ウワサの対象とされることに、率直に不満を表すデニスくんです。
自分は結果を出している
11月15日付のMD(ムンドデポルティボ)紙に掲載されたデニス・スアレスのインタビュー。記者さんとデニスの会話は、今季の感触から始まっていきます。紹介したい言葉が多すぎて、全体としてかなり長くなっています。
ここまで出番に恵まれているわけでないバルサの6番ですが、個人的な収支は「とてもポジティブ」と評価しています。その理由は「昨シーズンに比べて一歩前へと進み出ているし、機会を与えられた時は答えを出している」と考えるから。「プレーをした時は、このチームに自分の場所があることを僕は証明している」と、パフォーマンスへの自信を示すデニスです。
では、昨季との比較でどういった部分が変化したのか。セントロカンピスタ(MF)は言います。
「プレーの機敏さや個性が増してるね。去年の僕は新人で、チームメイト全員のことを知らなかったけど、今年はチーム内で居心地良く感じている。チームメイトも僕のことを分かっていて、助けてくれたり僕のプレーを励ましてくれるよ」
ポイントはこのインタビューの中でデニス・スアレスが「自分は高いレベルで結果を出している」と考え、何度も繰り返している点です。
強い自負。
彼がもう一つ繰り返している言葉が、「僕の夢はバルサで成功すること」です。
毎回マーケットに陳列されている感覚がある
インタビューは読者が一番聞きたいところ、デニス・スアレスの名前が絶えず放出候補に入ってくる件に対する彼の本音に入っていきます。
「僕はここから出たくはないし、それはずっと前から言っているよ。夏にはチームメイトたちも残るように励ましてくれたし、ここから動くことは考えてない。僕はバルサで成功したいんだ。クラブ側がそうしてるのかどうかは知らないけど、自分がマーケットに陳列されているような、そんな感覚がある。オファーは断ったよ。ウワサは僕の側から出てるものじゃないし、僕はオファーを一切聞いてないからね」
「移籍するつもりはないと僕はハッキリさせてきたけど、移籍マーケットが近づくたび、自分がマーケットに出されてるような感覚がする。僕は一度として出たいなんて言ってない時でもね。僕はここで成功する準備ができてるよ。僕はバルサを自分の家だと考えているし、自分のスタイルがこのクラブにぴったりだと思ってるからね」
「(誰がデニスをマーケットに出してる?)知らないよ。その件について僕はクラブと話してないし、代理人にも話すよう求めてないんだ。だって僕は退団を望んでないから。でも本当にどこのオファーも聞いてないのに、たくさんのチームのウワサがあるのは確かだね。僕に関心を持つチームがあるのは、良いプレーをしているってことだから誇らしいけど、僕の方からここを出たいと思ったことは一度もないよ」
ブスケツの言葉に感激
デニスは「これは自分の感覚」とぼかしてはいますが、クラブから全幅の信頼を得ていないという不満は抱いていそうです。セルヒオ・ブスケツから「イニエスタに近い選手」と評価されたデニスを、間違っても出したらアカンで。
そのブスケツの言葉に関しては、やはりデニスくんは感激したようで、「ここでずっとやってきたブスケツのような選手からそう言われたことは、僕の助けになるよ。その言葉の意味するものはものすごく大きい。だって彼が本当に僕のプレーと可能性を信じているってことだからね。そう言ってくれた彼にはとても感謝してるよ」と、興奮が伝わってくるようなコメントをしています。
バルサで100試合出場の選手が800万ユーロなら安い
このインタビューで記者さんは、珍しいくらいにデニスに出番の少なさであるとか、移籍の有無について訊ねています。たとえば、彼が10試合に出場するたびにマンチェスター・シティへ80万ユーロが支払われること(上限100試合)が起用回数に影響を与えているのか、など。そんなの「知らないよ」と答えるしかないでしょう。しかしセントロカンピスタはもう少し踏み込んでいます。
「もし僕が100試合に出場すれば、合計で800万ユーロがバルサからシティに支払われると思う。結局のところ、バルサで100試合に出場する選手がマーケットにいたなら、それはかなり安いよね。でもそれはクラブが取るべき決断だから。監督もそうなのかは、知らない。チームメイトから支えられてて、監督からは信頼されてると感じてるよ」
正確には固定額325万ユーロを足して1,125万ユーロですが、どっちにしても安い。むしろ喜んで支払うべき出来高かと。彼はこう付け加えています。
「自分の場所がこのチームにあることを僕はピッチ上で証明してきたし、ここで成功すること以外は考えてないんだ。それが小さな頃からの夢だった。セビージャやビジャレアルに期限付き移籍した時も、ここへ戻ってくると思ってたよ。僕はかなり苦しんだし、この場所を失いたくはない」
「長い時間ここにいるため、このスカッドでポジションを得るために僕はハードワークしているんだ」
来夏?今ベストを出すことしか考えてない
そして最後の質問、もしこのまま出番が少なかったら夏に移籍を考えるか?との問いにもデニスの答えは明快でした。
「これから何が起こるかは考えてないよ。僕が考えているのは、今良い仕事をすること、最大限プレーするよう試みること、自分のチャンスを活かすことなんだ。どこかのチームが来るかなんて考えないし、その選択肢は検討しない。バルサBに1年しかいなかった僕だけど、自分がこのチームにフィットすると思うし、それを示してきた。そしてチャンスを手にした時は、もっとチャンスを手にするように、それを最大限に活かそうと努力してるよ」
ここまでバルサ愛を語るデニス・スアレスにこの冬また移籍のウワサが出るなら、発信源がどこであれ、報じるメディアを自分はかなり嫌悪するでしょう。使いに使った結果、ダメだったなら仕方ない。しかしデニスには大きな可能性がある。コウチーニョが獲れなければ代替選手を、とかいわずに彼に多くチャンスをあげてほしいです。
コメント
CLのユベントス戦で見たいですね。
攻撃的に来るでしょうし、守備的なレガネスよりも実力を発揮しやすいと思います。