メインスポンサーの日本企業が、バルサとの更なる関係強化を探っているという
バルサの本拠地スタジアム、カンプノウの周辺にはスポーツアリーナやミュージアム、アイスリンクなど様々な施設が併設されているのですが、これを大々的に再開発する大型プロジェクトが“アスパイ・バルサ”です。
大規模事業だけに、費用も莫大。
最低でも6億ユーロの費用がかかるとされています。
それをまかなうために注目されているのが、スタジアムの名前を売るネーミングライツ。
アーセナルのエミレーツ・スタジアムやアトレティコ・マドリーのワンダ・メトロポリターノのように、企業の名前がスタジアム名になる、アレです。
バルサはこの命名権の販売によって、総工費の半分を調達しようと目論んでいます。
都市計画でもある巨大プロジェクト
アスパイ・バルサは、一つのクラブによるスタジアム改修の枠を超えた都市計画プロジェクトです。
現在、敷地を取り囲んでいる壁を撤去し、市民が自由に入れる公共空間を大幅に増やす。
アスパイ(espai)は英語でいう「スペース」なので、バルサ空間。
バルセロナという世界屈指の街に、世界や欧州で最も重要なスポーツ複合施設を作り、しかもその空間を地域住民にも開放する。駐車場は地下へ、地上は緑溢れる公園・・・ クレとしての誇りや自尊心がくすぐられます。
そういう大きな事業なので、市や州政府の認可が必要。
FCバルセロナは2014年4月5日に行われたソシオ投票によって72.36%(37,535名)の承認を得たことを受けて各種手続きを開始、今年4月24日にバルセロナ市議会の認可を、さらに6月15日にはバルセロナ州政府の認可も取り、ついにアスパイ・バルサを本格始動させる状況を手にしました。
ついに、です。
予備工事
当初の計画ではこの2018年夏に工事着工となり、1階席の一部やゴール裏3階席は2018/19シーズン終了時には新しくなっている予定でした。が、開始は遅れ・・・ 現在行われているのは予備工事。
来年始まる本格着工に向け、電気系を整備したり、大型車両がグラウンドへ入れるように通路を広げたり、そういう工事が進められているカンプノウです。
6月25日のSPORT紙によると、この予備工事の費用は1,000万ユーロだそうです(約13億円)。
総工費の半分、3億ユーロを調達へ
カンプノウの大規模改修、ミニエスタディの移設、新パラウ・ブラウグラナ(スポーツアリーナ)の建設、その他諸々の大型事業なので、総工費はなんと6億2,800万ユーロ(約816億円)にも及ぶ。
クラブの通常収入だけでは、到底まかなうことはできず、バルサがこの計画を進めるうえで重視しているのはクラブの持続可能性につき、融資を受けるにしてもムリはしないことになってます。
そこで命名権。
カンプノウと、新アスパイ・バルサの命名権を利用することは計画当初から決まっていて、新カンプノウの命名権販売についても、バルサはソシオ投票による了承を得ています。
そしてその際に2億ユーロをここでまかなうとのクラブ説明でしたが、ジュゼップ・マリア・バルトメウ会長が今年2月に言った話では、約半分の3億ユーロを調達できるかもしれないと。大事な名前を売ることで得られる、3億ユーロ。期間は最低20年。
楽天が真剣に検討中とか
ただし公式サイトによると、カンプノウは“タイトル・ライツ”、アスパイ・バルサは“ネーミング・ライツ”を売ることになっているので、新カンプノウの名前からカンプノウが消えることはなく、○○カンプノウとなるようです。
6月25日付のMD紙には、2017年からユニフォームの胸スポンサーである楽天が、カンプノウのスポンサーになることを真剣に検討中だとの記事があります。
彼らが選ばれた場合は、楽天ノウ・カンプノウでしょうか(ノウはカタルーニャ語で新しいの意)。
ノウカンプノウ(R) くらいだとステキ。
いろいろ思うところはあるにせよ、同じ日本人のクレとして、正直羨ましいミキタニさん。
ほかのメインスポンサー企業ではCEO個人がバルセロニスタとして事細かに報じられるのを見ないですが、彼の場合はクレっぷりが詳しく取り上げられますから、現地ソシオの印象も良い?
このニュースのまとめ
- ・カンプノウ周辺を大規模に再開発する アスパイ・バルサ 計画
- ・総工費は6億ユーロを超える
- ・その半分をスタジアムなどの命名権販売でまかなう
- ・楽天が真剣に検討しているとか
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