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チャビ「新たなグアルディオラと見られるのは怖くない」

選手生活を終え、いよいよコーチ業を開始する元バルサの6番 自分には経験がないので、まずは土台作りが必須だと語る

チャビ・エルナンデス(39)が現役生活を終えました。選手として最後の試合は、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の第6節(ペルセポリスに2-0で敗北)。チャビはこれからコーチとしての道を歩み始め、これまでプレーしてきたアルサッドの指揮官となってACL優勝を目指していきます。

そのチャビのラストマッチを追ってテヘラン(イラン)まで飛び、独占インタビューをしているのがSPORT紙。どこを切り取ってもチャビらしさのある言葉ばかりで、なかなかすてきなインタビューになってます。大きく見出しになっている「僕はここまでたどり着いた」の言葉が、充実した選手生活・納得の現役引退だったことを表しています。

インタビューの序盤で印象的だったのは、眼前に挑戦があることが助けになる、というものです。
「燃えてるんだ。去年はコーチングのコースに受かったし、これからすぐマドリー行きの飛行機に乗って、明日(5月21日)の講習に向かう。すでに来年用の僕のアルサッドチームを組織しているところだよ。プレシーズンや補強やね・・・ 僕にはひとつの目標があって、それが手助けになるんだ。休みなく、プレーすることからコーチすることへ移行する。僕はダイナミックな人間だからね、良い感じだよ」

アルベルト・マスノウ記者に「言葉は悪いけど、フットボール・ジャンキーだね」と言われ、「そのとおり、いいね」と笑っているチャビ・エルナンデスでした。

まずは土台となる経験が必要

3部構成になっているインタビューの第2部は、彼のバルサでの将来についてです。バルセロニスタが、もっとも気になる部分。チャビ自身もバルサ監督を完全に意識していて、「バルサが僕の目標だってことを隠さない」「偉大な師匠たちに付いたから、監督として上手くやれると思う」と述べています。

ただし、今はまだコーチとしては駆け出しで、バルセロナのようなメガクラブを率いるためには経験を積まなければならない。
最近のバルサは、らしからぬフットボールが見られ、カン・バルサはチャビの早い帰還を期待するわけですが、急ぎすぎると崩れ落ちる巨神兵のようになってしまうのでしっかり準備が整うのを待たねばなりません。元セントロカンピスタは言います。

「いま?上手くやる努力はするけど、ゼロからの出発だからね、その時じゃないと感じてるんだ。エンジニアの経歴を始めた人に、Vallvidreraのトンネルを任せるのを想像してほしい。同じだよ。僕には土台と経験が必要だ」

よってカタールでコーチ業を始めることは「自分には経験が必要で、自分を試して、ベンチでの自分自身を見るためにとても良い機会だよ。例えばバルサのフィリアル(Bチーム)だと、もっとプレッシャーのなかですることになるだろうから」と語るチャビです。

グアルディオラの正統後継者としての期待

クレがチャビに期待するのは、グアルディオラのような存在になり、チームを再び黄金時代へと導くこと。恐ろしく高い期待が彼を待っています。

「そのことは知っている、でも怖くはないよ。選手としてもそうだったし、簡単じゃなかった。戻った時も簡単にいかないだろうね。期待されてるのは知ってる。バルセロナで起こってることは全部チェックしているんだ。SPORTウェブのアンケートでは、もう人気候補だったね。感謝はするけど、僕には経験が必要だ」

グアルディオラ二世のように見られることは怖くない、というのは心強い言葉。
バルサ周辺の出来事を全部追いかけていて、把握しているのも良いですね。
いざバルサの監督を引き受ける場合は、待ち受ける困難は覚悟の上であるとも元背番号6は述べます。

「いつかバルサに入るなら、それは自分がジャッジされることや、すり減るであろうことを知っての結果だよ。みんな偉大なチームにいたい。セグンダ・ディビシオンに行く方が快適だろうけれど、僕はコンペティティブな人間だし、大きな挑戦が好きだからね。バルサでは髪がなくなるか、白髪になることは知ってる(笑)。でもそういうもんだからね」

バルサ監督の頭髪の変化は、もはや鉄板ネタ。
ちなみにチャビはグアルディオラと「メッセージを送り合っていて、去年の夏には会った」そうです。そしてコーチ業を始めるこの夏、「もう一度彼に会いたい」と言います。
僕は新しい時代を始めて、いくつかの疑問があるんだ。それらを訊いてみたい。監督として彼は本当にすごく特別だった」

メッシのいるバルサを率いること

レオ・メッシがいる間はバルサに戻らない、というウワサについては、
「ノー――、完全にウソだよ。僕はレオを友人だと考えている。一切問題は起こらないだろう。なにもね。もしバルサにいたなら、初めにするのは彼と話すことだろう。彼はいつも正面から進む、率直で正直な人間なんだ。彼をコーチするのは光栄なことだよ」と否定するチャビ。

カタールは2022年に自国開催のムンディアルまでチャビ・エルナンデスにいてほしがっているそうなので(3年後!)、実際に彼がメッシのいるバルサをコーチするのは難しそうですが・・・

チャビ自身は「僕らはいつもポストメッシ時代のことを話していて、それはクレ特有のものだけれど、レオはあと3-4年は第1級のプレーができるさ。彼はあらゆる意味でナンバーワン。身体を気遣い、フィジカルは強く、メンタル面でもとんでもないからね」と見ている。ぎりぎり間に合うかもしれません。

運命というか、チャビ・エルナンデスがFCバルセロナのエントレナドール(監督)になることはもう定められていることです。問題はそれが何年後か、ということだけ。自分に準備が整い、バルサが自分を要請していると見れば、彼は戻ってくるでしょう。
いったいどんな状況での帰還になるのか・・・ 陥ったクライシスの救世主としての帰還は難易度が相当高い。でも十分にあり得そうな気もするから怖い。楽しみなのは勿論ですけれど。
バルサにとってのチャビはもう取って置きの切り札ですから、変な使い方にだけはならないよう祈ります。

バルサ選手というプレッシャー

では最後に、バルサに17年間いた選手による、バルサでプレーを続けることの大変さを語ったコメントです。

バルサから出た時、身体がしぼんで、自由になったよ。すごく興味深いことさ。途方もないストレスの中で暮らしていることが普通に見えるから、長年そのことに気付かないんだ。そして外に出た時に気が付き、『なんてとこにいたんだ!なんてプレッシャーの中で生きてたんだ!』って混乱するというね。クレイジーなことさ」

選手、会長、監督にとってバルサは最終試験なんだ。虫眼鏡で見られて、どんなエラーも叩かれる。でも僕らはコンペティティブだから、そういうのも好きだよ。そんなわけだから、何年か間を置いたあと、僕はそこに戻って世界最高峰にいるというアドレナリンを感じたいと思ってる」

 

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