ブラジルで開催中のU-17ムンディアルにスペイン代表として出場中
来るバルサ時代を夢見つつ、ラス・パルマスで成長を続ける
ブラジルで開催中のU-17ムンディアルに参戦中のスペイン代表メンバーに、バルサが夏に獲得したペドロ・ゴンサレス・ロペスという選手がいます。通称ペドリ、2002年11月生まれの16歳。将来ラ・ロハの中心的存在になることを期待される逸材です。
今季はバルサからレンタルされる形で古巣UDラス・パルマスに残り、トップチームの一員としてセグンダ・ディビシオンでセンセーションを起こしているところ。来季からいよいよバルセロナ入りでしょうか(まだ未定)。
下の動画で分かるように、彼はまだカンテラ寮(ラ・カサ・アマリーリャ)で生活しています。穏やかな話し方をする若者ですね。
ちなみに愛称がペドリートではなくペドリなのは・・・ 小さな頃の彼はチーム一番のチビで、同じチームに太ったペドロがいたから、その子がペドロで彼がペドリと呼ばれるようになって、今では自宅でもペドリだそうです。
家族揃ってクレ
ブラジルでU-17ムンディアルを戦っているスペイン代表、その宿泊先ホテルをSPORT紙が訪れ、ペドリ・ゴンサレスにインタビューを行っています。
コメントは優等生といったところですが、所々でおっさんを感心させることも語っていますし、バルセロニスタとして嬉しいことも言ってくれてます。
たとえばペドリは家族揃ってのクレで、父上はミカエル・ラウドルップの大ファンだったそうです。
「(バルサとの契約は)信じられないほど驚いたよ。そして大きな誇りでもあるんだ。僕や家族はずっとバルセロニスタだったし、小さな頃からプレーをしたかったチームが自分を獲得したんだからね。バルサの一員になれて、スーパーハッピーだよ」
バルサのトップチーム入りが前提の契約なのかと記者さんに訊ねられると、ペドリ少年はそうではないと答えています。
「それはないよ。バルサの人たちから言われたのは、ラス・パルマスでやって来たようにプレーを続けること、成長と成熟を続けること、物事は自然な形でやって来るってことさ」
当然ながら、バルセロナの試合は今もチェックを続けています。
「だって(バルサは)いつも僕のチームだからね」
自分はどんな選手か、との問いには、「エストレーモよりはインテリオールだと思う。チームと共同でプレーするのが好き」とのことです。
フレンキー入団を喜んだ
ここ最近のバルサに関して、ペドリが注目したのはフレンキー・デ・ヨング獲得だといいます。
「デ・ヨング獲得は嬉しかった。すばらしい加入だよ。彼はとても良い選手だし、ピッチの中ですごく頭が良いよね。僕は彼(のプレー)にすごく注目しているんだ。他に注目しているのはアルトゥール・・・ それからもちろん、なんといってもレオ・メッシさ」
ペドリはアンドレス・イニエスタと比較されることが多く、バルサではドンのようになることを期待されています。ペドリにとってイニエスタはアイドルです(背番号も8が付く数字を選んでいる)。
「彼のプレースタイルがみんなを魅了するものだ、というのはあるんだけど、僕としては彼の人となりもそうなんだ。彼は全てを勝ち取っているのに落ち着いていて気取らない人で、フットボールを代表している。僕はそこがとても好きだね」
イニエスタの素朴な有り様が好きってことで、タトゥーは「ありえない!」とのことですし、「風変わりなヘアースタイルもしない」そうです。好青年。ペドリの父上は、このステキな息子氏のことを“行き先を見失わないだろう”と見ているそうです。
「父はいつも僕に助言してくれたし、まず第一に必要なのは頭だって繰り返してるよ。もし自分というものを失ったら、フットボル選手となる可能性はゼロになるから」
16歳です、彼^^
500万ユーロは安い買い物になるか
欧州の大舞台で活躍する若手は誰にでも発見できますが、これから大スターになれそうな選手を発掘し、獲得するのはかなり困難です。
そして発見した16歳の少年が、その後クラックに成長するかは分からない。選手としてもそうですし、正しく伸びるためには周囲の支えも重要で、人間的にもしっかりしていなければなりません。心技体揃ってようやく、世界的なクラックとなれます。
このペドリは、将来のクラックになる確率がかなり高いんじゃないか、とスペインで見られている選手です。メディアに名前が出始めたのは最近ですが、そこからの評価はすばらしく。現在参戦中のU-17ムンディアルもそうですし、ラス・パルマスでの試合もそう。彼にはきらめく未来が待っていると期待させます。
バルサはその有望株を、(有名になる前に)500万ユーロで獲得できた。今度はアセンシオを獲り逃した時のような失敗はしなかったわけです。
無料のチャンスを二度も断ったマドリー
爽快なのはですね、レアル・マドリーさんが2018年2月と夏の二度、このペドリと無料で契約できるチャンスがあったのに逃していること。2月の際はバルデベバスにペドリを呼び、2日間のトレーニングを見た後に「レアル・マドリーでプレーするレベルにない」と結論を出したそうです(10月30日AS紙)。当時はまだ地元テネリフェのクラブにいて、無料で契約できたのに。
そしてペドリは2018年夏にラス・パルマスの選手となり、その1年後に(資質に気付いた白組のオファーに耳を貸すことなく)バルサとの契約を結んだわけです。少年の夢が正しく叶った。
ペドリの父上が大好きだったというラウドルップはイニエスタのアイドルでしたし、そのイニエスタに憧れるペドリがバルサのスターになり、そしてそのペドリを次世代の少年が・・・ という未来を想像するとトキメキますな。ペドリ、フレンキー、アルトゥール、リキ。
カナリアスの少年の物語は始まったところですけれど、カンプノウで紡がれる壮大な長編になることを願います。覚えておきましょう、ペドリ。ラス・パルマスの試合もチェックしてみようかな。
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