チャンスは訪れるので、忍耐を持ってほしいと後輩カンテラーノにメッセージ
セルジ・ロベルトがFCバルセロナとの契約更新の儀式を行いました。シックな黒のスーツに身を包み、ジュゼップ・マリア・バルトメウ会長ととともに2022年までとなる新契約書にサインをしたバルサの背番号20。若者たちに対しては、他クラブからのオファーを見ずに挑戦してほしいと言うカンテラーノの鑑です。
簡単ではないが、闘い続けることで道は拓ける
今やバルセロニスタの希望、アイドルとなったセルジ・ロベルトですが、ここまでの道のりは平坦ではありませんでした。
バルサBではキャプテンシーを発揮していたセルジも、トップチームに昇格した頃は自分を出せず、“可もなく不可もない選手”だった。あの当時は正直、彼がここまで生き残り、チームに欠かせない存在になるとは想像できませんでした。
しかしセルジ・ロベルトは忍耐強かった。
カンテラーノの後輩たちに対し、契約更新後のセルジ先輩はこんなメッセージを発しています。
「若い選手たちには闘うことを止めないで、と言うよ。決して簡単な道じゃないし、オファーに目をやらずに、忍耐を持ってほしい。チャンスはやってくるだろうからね」
バルサBから上がってきた直後は特に、忍耐が必要でした。
「僕はいつも、自分が世界最高のチームにいると考えていた。スーパーチームだったしね。夢が近づいてきた時、難しくなるだろう、達成はしないだろうと考えたりもするけど、僕は闘うことを止めなかった。そして最終的にトップチームへとたどり着き、地位を固められたんだ」
「僕らは若かったし、チームメイトたちと支え合ってたよ。困難になるだろうと僕は分かってた。試合に招集されたかった時は、それをフォームやレベルを上げるように利用していた。僕はプレーがしたくて、そうたくさんはできなかったけど、ハードワークと忍耐を土台にすることで、その時がくると知っていた」
バルトメウ会長「セルジ・ロベルトは手本」
現在のスカッドに、ここ数年でフィリアル(Bチーム)から昇格し定着したラ・マシア出身選手が何人いるかといえば、それこそこのセルジくらいしかおらず・・・ (その前はセルヒオ・ブスケツ)
ゆえにカンテラーノが希望を抱きにくいのは事実ですが、この彼の言葉をかみしめ、一人でも多くの若者に後に続いてほしいです。
セルジにとっても、もちろん偉大な先輩たちがお手本となりました。
「僕にとっては、イニエスタやメッシ、チャビ、ピケ、プジョル、セルヒオのような、人生のほとんど全てをバルサで送っている選手たちがお手本だよ。良い手本である彼らの後に続きたいし、このクラブに一生いたいね」
カンテラーノの系譜は継がれていく。
細くなってきてはいますが、セルジ・ロベルトがいることで道はつながります。
「若い選手たちの手本となろうとしてるし、トップチームへの道のりは簡単ではないことを彼らに教えるようにしてるんだ。もし彼らがバルサで成功したいのなら、ハードワークを止めてはいけない。自分ではどうにもならないことはあるし、他の道を望む選手もいる。僕にもいくつかのオファーはあったよ。でも僕は夢のために戦うことを決めた。忍耐強くあってほしい。チャンスは訪れるからね」
ええこと言います。
一方、セルジ・ロベルトと儀式に臨んだバルトメウ会長はこう述べています。
「彼は多くの選手にとっての手本だよ。彼の忍耐と粘り強さに感謝しないといけない。それによって彼はいま、トップチームにおいて誰もが認める選手となったんだ。彼は私たちの未来に不可欠なピース。幾つものオファーがあったにも関わらず、バルサに賭けた彼ら家族に感謝しないとね」
感謝は当然ながら、カンテラーノが希望を持てる仕組み作りをあなたたち理事会は頑張ってください。
勝つためとはいえ、ガラクティコ路線はほどほどに・・・。
ルイス・エンリケのもとで開花
2006年に14歳でバルサの門をくぐり、バルサ歴がすでに12年となるセルジ・ロベルト。
17歳にしてルイス・エンリケ率いるバルサBでプレーをしていた彼のトップデビューは、2010年11月10日、国王杯1/16ファイナル第2戦(対セウタ)のことでした。
ペップバルサの3年目、セルジは18歳。
グアルディオラは同じシーズンのチャンピオンズクラシコ(0-2勝ち)でも彼を起用しています。
「カンプノウで僕をデビューさせ、信頼してくれたペップに感謝してるよ。それからルイス・エンリケ。バルサBとトップチームの両方で、彼は僕を完全に信頼してくれた」
セルジにとってのチャンスは、ルイス・エンリケが彼を本職のセントロカンピスタではなくラテラルに起用したことでした。
バルサBで4シーズンも過ごした後、2012/13シーズンにようやくトップ契約を手にしたロベルトでしたが、タタ・マルティーノ時代は失敗を恐れて無難にプレー。ルイス・エンリケの1年目も出番は少なく、移籍のウワサがちらついていました。
しかし、なにが転機になるかは分からないもので。
セルジ・ロベルトはルーチョ監督の2年目、ラテラルを中心にポリバレント性が爆発、出場機会を与えられることで才能を開花させていきます。ルイス・エンリケの大きな功績です。
「一番難しかったのは、出場時間を得られず、家で試合を見ていた時だった。でも僕はいつも、ピッチで主役になりたいって言っていたんだ。自分がセントロカンピスタとして長くプレーしてきたのは確かだけど、今はラテラルとしてたくさん試合に出ている」
右サイドにいた世界最高選手とのプレーが上手くいったことも、彼にとってプラスとなりました。
「メッシとだと全てが簡単になるんだ。彼は世界最高の選手だし、隣りにいる選手をみんな良くさせる。僕らがずっと一緒にいれることを期待してるよ」
バルサで引退したい
PSG戦のゴールやベルナベウクラシコの圧巻のギャロップなどを経て、セルジ・ロベルトはバルセロニスタの英雄となりました。
しかしまだ彼は26歳。
これから多くの忘れ得ぬ瞬間が彼やバルサを待っています。
「僕はまだ若いし、スポーツ選手として何年もキャリアが残されてるけど、もし可能であるなら、ここにずっといるだろうね。イニエスタやメッシの歩みに続きたい。いま自分がいる場所にいるために僕は戦ってきたし、これが最後の契約更新にならないよう願ってるよ。ここで引退することが僕の願いなんだ」
ファイト、セルジ。
バルセロニスタもまた、セルジ・ロベルトがカンプノウでシューズを脱ぐことを願っていますよ。
このニュースのまとめ
- ・セルジ・ロベルトがバルサとの新契約書にサイン
- ・契約期間は2022年まで延長された
- ・後輩たちに「闘いを止めないで」とメッセージ
- ・目指すのは「バルサで引退」すること
コメント
カンテラのみならずデニスにとっても必要なアドバイスでしたね。
今のデニスはまさに無難なプレーしかしておらずロベルトのデビュー時と重なります。
最近はすっかり構想外になってしまいましたが、上手くいけばシーズン終盤にチャンスはやってくるのでそこでしっかりアピールして欲しいです。
若手だけに気後れがあるのはわかりますけど、挑戦しないのは成長を止めるのと一緒ですからね。