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給与調整交渉を巡り、割れるロッカールーム(クラシコ前の大事な時に雑音)

クラブが要請する給与調整に関して、分かれる選手たちの考え
理事会への不信感が対応の差を生み、選手は個別に交渉を進めるが・・・

カンプノウクラシコまであと2日となり、徐々にギアが上がってきているバルセロナ界隈。欧州でマドリーが負けてにやにや、アンスペドリが楽しみでにやにや、週末が楽しみです。
そんななかで引き続き注目されているのが、COVID-19危機に伴う選手たちの給与調整問題。これも結局のところ理事会への不信感が対応の差を呼び、解決を長引かせています。クラシコ前の雑音です。

支出削減が不可避につき

10月21日(水)、FCバルセロナが従業員や選手たちとの給与調整手続きを進めるための、話し合いの場としての交渉委員会が設立されました。

バルサの金庫事情はCOVID-19によって厳しい打撃を受けており、2019/20シーズンには1億ユーロ、2020/21シーズンにも2億ユーロほどの損失が発生すると見られています。
バルトメウ理事会が続けてきた拡大路線は、もはや持続不可能。支出、特に膨らみ続けていた給与条件の見直しは不可避で、その一環として行われたのが20日(火)に発表された4選手まとめての契約更新です。

交渉委員会は、次の一歩。
クラブは21日に長~い声明文を発表し、30%以上の減収が予想されるこの例外的な経済状況を乗りきるには、支出を減らすための解決策を見つけなければならず、そのためには選手や職員の人件費削減が必要、その合意形勢のために交渉委員会を設立した・・・との説明をしています。

理事会は以前から、この交渉委員会に選手代表も加わるよう誘っているのですが、フットボール部のファーストチームは条件等でまったく異なる職員と混ざって交渉するを拒んでいる。先週にはその旨を記した公式文書(burofax)を、全カピタンと選手大半の署名入りで送っています。
留意すべきは、選手たちが難色を示すのは給与調整そのものではなく、交渉の方法である点です。

参考にした各記事ではハッキリしないものの、クラブが持ちかけているのは給与30%の経済回復後の後払い。

理事会への不信感

フットボール選手たちが給与調整のための団体交渉に前向きでないのは、ジュゼップ・マリア・バルトメウ会長が率いる理事会への不信感があります。交渉委員会の人選にも不信感があるようです。

たとえばレアル・マドリーでは、ファーストチームの選手たちが今季の給与10%減を了承したと、7月の時点で報じられている。おそらくフロレンティノ・ペレスへの反発がないのでしょうし、ロッカールーム内での合意形成がなされたことで、短期間でまとまったわけです。

しかしバルサのロッカールーム内には、理事会への感情の差に伴ういくつかの見解があり、クラブの申し出に快く賛成する選手がいれば、選手と職員とは別々に話し合うべきだと考える選手たちもいます(こちらが大半)。
ならば選手間の合意が成されるまで待てばいいのでしょうが、予算成立を急ぎたいクラブには時間がない。MDによるとクラブはマーケットが閉じた翌日、10月6日から選手たちの代理人と個別交渉を始めています。

その結果、4選手との契約延長合意となった。でもこれって、あまり良い感じはしません。

各個撃破攻撃

個別交渉。そこではデ・ヨングのようにクラブと合意して契約期間の延長を手にした選手がいる一方で、破談になった選手もいるでしょう。そもそも交渉に応じなかった選手もいるとSPORTはいいます。
邪推かもしれないけれど、クラブはロッカールームが一枚岩にならないよう、各個撃破を仕掛けたように見える。だとすると不和を生みかねない危険な手法です。

今回ロッカールームを驚かせたのは、カピタンズの一人として交渉委員会参加に反対する文書に署名をしていたジェラール・ピケが、契約延長でも署名をしたことだそうです。
SPORTが言うには、ピケはなんと今季の給与を50%下げることを受け入れたらしく。しかも他の3選手のように30%減額を提案されていたところを、もっとクラブを助けたいと50%減額(後払い)にしたあたり、さすがはジェリ、尊いですね・・・ これがどう影響を及ぼすか。

4人同時発表には間に合わなかったけれども、近々契約延長で合意する選手も数名いるかもしれません。特に若手。そしてバルサでの時間が終わりに近づいているベテラン。

Ferencvaros戦終了を待っての発表

4選手の契約更新発表が、Ferencvaros戦の終了を待ち、かつ交渉委員会が設立される21日にならない20日の23時22分だったのも、理由があるでしょう。

MDの ミゲル・リコ副編集長によると、報道各社はクーマンたちの試合後会見が行われている最中にクラブからの契約延長を知らせるメールを受け取ったという。

各選手との合意は当然、キックオフまでに成立していたわけですから、試合終了を待ったのには意図がある。SPORTはそれを「発表がロッカールーム内に不和を生じさせるだろうとクラブは自覚していた」「チームがプレーに集中するためと発表を遅らせた」と書いてますが、そういうことならエル・クラシコ前にこんなことやってて大丈夫ですかね。

さらにSPORTによると、選手代理人の中には、4選手が結んだ契約の合法性に疑問を持つ人たちもいるそうです。
バルセロナでは近々バルトメウ理事会に対する不信任投票が行われますが(州政府の認可待ち)、現理事会の赤字回避のために負担を翌年以降に押しつける契約を、新しい理事会が有効ではないと考えるかもしれない。その時はどうなるのかと。倫理的にもどうか。

 

もう長くなりすぎて、さらに詳しく書く気力はないのですが、ラ・リーガの選手協会(AFE)はバルサ選手たちと同様に一般職員と選手を同じように給与調整することはできないとの見解を示してまして、援護射撃となっています。
となるとクラブも譲歩をしてくるでしょうから、それに選手が扉を開く流れか。またメッシからスパイスの効いた声明発表があるんでしょうか。
でも今は、マドリー戦に集中の時。集中、集中。

 

コメント

  1. トム より:

    とにかく何をするにもバルトメウが邪魔で…
    給与削減しないとどうにもならないのは誰もが分かってるのに、バルトメウが全く信用できないので、交渉事が進まない。
    それで困り果てて、刹那的な解決策をゴリ押ししたがるのだから、選手側も不信感の塊になって当然です。

    そんな状況で、ピケは自ら給料50%削減…
    もう選手兼会長でお願いします。