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驚きの 4人同時 契約更新:その背景にあるのは給与調整交渉

FCバルセロナが4選手との契約延長を驚きの発表
中心選手である一方、給与の一部後払いを受け入れた選手たち

2020年10月20日(火)午後、FCバルセロナがある発表を行いました。ジェラール・ピケクレメン・ラングレテル・ステーゲン、そしてフレンキー・デ・ヨングと契約延長で合意をしたというのです。クラブ発表によると、この合意には一時的な給与調整も含まれているという。なにやら訳ありの契約延長のようです。

驚きの4人同時

今回の契約延長発表は、なにかと驚きの内容です。
まず、異例の4人同時であること。そして入団してまだ2年目のフレンキー・デ・ヨングが含まれていること。

マルクアンドレ・テル・ステーゲンとの契約交渉はエル・クラシコ前に完了すると伝えられていましたし、クラブは密かにクレメン・ラングレとの交渉にも着手したと報じられていたので、この2人に関しては予想もされたのですが・・・ 2022年6月で契約満了でカピタンのピケはともかく、フレンキーは完全に訳ありだと分かります。

共通するのはこの4人が、クラブが要請していた給与調整に納得していると言われていた面々であること。中心的な選手というだけでなく、クラブ公式でも記述されているように、COVID-19による経済状況悪化を受けての契約更新です。

数年前にあった、メッシ・プジョル・チャビのトリプル契約更新とは全然違います。

4選手でそれぞれ事情は異なる

クラブが発表した4選手の契約延長は以下のようになります。

ジェラール・ピケ
2022年6月までだった契約を、2024年6月30日まで2年延長。契約解除金は5億ユーロで変化なし。
この契約延長は、選手が2021/22シーズンに出場する試合数に従属する。

マルクアンドレ・テル・ステーゲン
2022年6月までだった契約を、2025年6月30日まで3年延長。契約解除金は1億8,000万ユーロから5億ユーロへと増額。

クレメン・ラングレ
2023年6月までだった契約を、2026年6月30日まで3年延長。契約解除金は3億ユーロで変化なし。

フレンキー・デ・ヨング
2024年6月までだった契約を、2026年6月30日まで2年延長。契約解除金は4億ユーロで変化なし。

いわゆる契約更新っぽい更新は、テル・ステーゲンラングレの2人です。彼らは期間延長と同時に、実績に応じた給与アップ(ただし来季以降)も手にしているでしょう。

ピケの場合は、元々の契約に延長オプションが付いた感じ。なんでも2020/21シーズン以降の出場割合が35%に届かなければ、クラブは一方的に契約を解除できるそうで、その代わりにピケの方にもシーズン終了時に残留か退団かを決める権利がある模様です(SPORT)。
ピケならば大怪我さえなければ35%に届くでしょうから、「決める権利」を得たのが今回の更新でしょうか。

入団2年目のフレンキーは予定外の更新で、ご褒美としての期間延長。なんのご褒美かは、続きをご覧下さい。

COVID-19危機による、給与一部後払いの申し出

FCバルセロナは数週間前から、所属する全てのプロスポーツ選手たち・全クラブ職員を対象に給与減額や支払い延期に関する話し合いを始めていました。元々、選手給与が大きな負担になっていたところにCOVID-19危機が襲ったことで、クラブ金庫は火の車。外部が考える以上に、にっちもさっちも行かない状況なんでしょう。

2019/20シーズンのバルサは、予算が10億ユーロを突破したぞーー、これはスポーツクラブとして世界初の快挙だと喜んでいたわけですが、それだけ収入があっても危険水域だったサラリー総額は、収入が2億ユーロ近く減少するであろう2020/21シーズンではもう維持できない。

そこでクラブは選手たちに対し、収入がコロナウイルス以前の水準に戻るまで一部給与の支払いを待ってくれるように、選手・職員に持ちかけていたわけです。今は支払える分だけ払うから、残りは待ってほしいと(MDによると30%を後払い)。

2019/20シーズンの選手給与は3億9,000万ユーロと多額ですから、ここで払えない分を待ってくれれば、とりあえず自分たちの理事会では赤字は計上しなくて済むということ? 次の理事会はしんどい宿題を背負い込みますよね。

選手たちの中でも賛否分かれる

しかしこの申し出に、フットボールのファーストチームはまだ応じていません。

クラブは選手たちに対して今日水曜日、職員組合も合わせての話し合いの場を設けるとしているのですが、メディア情報によると、選手側はここに代表を送る考えはない
彼らは自分たちと給与の全く異なる職員さんたちと混ぜて交渉することに納得がいっていないようで、異なる条件を求める文書(Burofax)をクラブに対して送っているそうです。

その注目の交渉の前日に発表をした、というところにクラブの思惑を感じます。

ちなみにクラブ職員の給与を全員分合計しても、3,500万ユーロあたりでクラブ予算の3%。スカッドのトップ級選手一人(税込)より少ない。

ただ、、、ロッカールームのなかにもクラブの申し出に納得し合意する選手たちもいて、それが今回契約延長が発表された4選手だと。

テル・ステーゲンラングレは元々の交渉の過程において後払いを提案され、それに合意していた流れでしょうが、フレンキーはまさにご褒美です。

ほかにもセルジーニョ・デストミラレム・ピアニッチはCOVID-19危機が発生してから契約を結んでいるので、一部給与の先払いを了承している模様。ペドリトリンカオはもっと前なので別。

まあこの件にしても情報の出所はクラブ内部でしょうから、反発する選手たちの印象を悪くする狙いもありそうですし、実際のところは違うかもしれないので話半分くらいで見ておくのが良いでしょう。
とりあえずの事実は、4選手は給与の一部後払いを受け入れたということですかね。

 

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