タイトル獲得目標がチームを団結させる。
マラガ戦ではしょっぱいフットボルによって転んでしまったものの、続くマンチェスター・シティ戦とグラナダ戦に連勝したことでチーム周辺のムードは復調。ベルナベウでマドリーが勝点を落とし、彼らとの差が2ポイントに縮小したことも、バルセロニスタの気分が良い状態に保たれるうえで役立っています。地元ファンから指笛を鳴らされ、逆風がきつくなっている白組監督さんを見るに、マラガに負けて不穏な空気が流れる間もなくシティ戦モードに突入し、結果を出せたのは大きかった。地元スポーツ紙も最近はルーチョ支持に回っていますし、この調子で晩春まで突き抜けたいところです。
結果が出たことで緊張は緩和
今でもルイス・エンリケと選手たちの間が円滑にいっていない、というニュースを目にしたりもしますが、2日付のSPORT紙は、“年初にあったロッカールーム内の緊張感は忘れられてはいないものの、現時点では監督とチームの関係は平和な状況となっている”と記しています。そりゃあ監督の運営方法に思うところのある選手はいるでしょうし、監督が交代してくれればなぁ、なんて考えてる選手もいるかもしれないですが、チームの和を乱そうというような選手はいない。それを可能としているのが目標達成=タイトル獲得を求める気持ちです。
ルイス・エンリケが上手くやっているのは、公の場で選手たちを責めず、どんな試合の後でもチームの姿勢を称え、選手たちへの敬意を忘れていない点です。そのうえで結果も出ているのだから、チームもまたミスターに敬意を払い、目標達成のために団結している。度々会見で皮肉で返されているメディアがエンリケにソフトにあたっているのは、例のメッシによる“身内から騒動が出たのが悲しい”発言も影響しているように思います。なんにせよ、タイトル(トリプレッテ)への希望が大きいのは間違いないです。
来季のプランニングを開始
そんなルイス・エンリケには、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長の支持も強力です。次の選挙では落選が濃厚とされる会長ですから、ルーチョチームの成功が一縷の望みとはいえ、バルトはエンリケを信頼している。こちらもSPORTの伝えるところですが、バルトメウ会長とアリエド・ブライダ国際スポーツディレクターは先日監督と面談をし、2016年6月までの契約を全うしてほしいとの希望を伝えたのだそうです(シティ戦の前にも、会長はルーチョが続投するだろうと述べている)。
そしてルイス・エンリケはその要請を了承する旨を伝え、ブライダさんと来シーズンのチームを練り始めている模様。イタリア人ディレクターからは近々、補強候補選手のリストが提示される見込みとされています。監督は3月末にコミシオン・テクニカ(技術委員会)とミーティングを行い、彼らのプランへの意見を述べる予定だそうです。
なんにせよ、今のところルイス・エンリケは時折吹く向かい風にも上手く対処しながら、権威を持ってチームを率いています。明日のビジャレアル戦でも結果を残し、コパのタイトルにあと1勝と迫れば、チームの一体感もさらに上昇するでしょう。さらにシティ戦とクラシコでも結果を出せば、ターボスイッチON。いつ終了するか分からない平和ですが、なんとか突っ切ってほしいところです(騒動は首都方面に任せて)。
ダニーロが消え、アルベスに契約延長オファーへ
来季の構想に関しては、懸案の右ラテラルはルイス・エンリケの希望であるダニ・アルベスとの契約延長で話が進んでいきそうな気配です。とはいってもクラブが積極的にそれを望んでいるのではなく、彼以上の選択肢が他にいないという消極的な理由から。3日付のSPORT紙が伝えるところでは、ダニの後任に狙っていたダニーロ(ポルト)と接触した結果、マドリーとマンチェスター・ユナイテッドにずいぶんと先を越されていることが判明、獲得はほぼ無理と判断されたのだそうです。
そういった状況からブライダさんは、アルベス以上の右ラテラルは今のマーケットにいないと結論。ルーチョもダニとの契約延長を支持していることから、クラブとしても無理して他所からラテラルを獲得するより、金銭・スポーツの両面でアルベス続投がベターと考えるに至ったという次第です。あちらこちらで後手の印象。
で、これまで放置プレーをしてきたダニ・アルベス側にどういうオファーを出すかですが、バルサは2年延長+1年オプションを申し出るだろうとSPORTは言います。下がるといわれていた年俸条件もそのまま。5月で32歳となるアルベスの年齢を考えると、歩み寄った感はあります。技術委員会は今月中の右ラテラル問題解決を目指しているそうです。
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