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ブライスウェイト効果でポスト前の得点増加:グリーズマンも活性化

9番を配置するシステムで得点力が向上している最近のクーマンバルサ
ブライスウェイトがいることで、ゴール正面での得点が決まるようになった

2020年もいよいよ12月へと入り、クーマンバルサにひとつの最適解が見えてきました。マルティン・ブライスウェイトを前線中央に配置した4-2-3-1です。“9番”が存在することによってグリーズマンも持ち味を発揮し始め、得点とアシストを量産。相乗効果を発揮しています。そしてポスト前に突っ込んで決めるゴールが増えているのも注目点です。

9番 ブライスウェイト効果

2020/21シーズン序盤にクーマンバルサが抱えていた問題の一つである得点不足は、生粋の9番がいなかった影響が大きかったとここ最近の試合を見ていると感じます。

マルティン・ブライスウェイトが9番で起用されて以降の3試合では、ディナモ・キエフ戦が0-4、オサスナ戦が4-0、そして先日のフェレンクバロス戦が0-3。注目は得点の増加と共にその得点パターンも変化を見せている点です。

全11ゴールのうち6つがスモールエリア(※下記参照)で生まれている。それ以前はマドリー戦のアンス・ファティ弾だけだったそうですから(MD)、9番の有無とこれは確実に関連しています。

(日本のメディアでは、“スモールエリア el área pequeña”なる単語は全然見かけませんが、スペインでは頻出します。ゴールエリア 18.3m x 5.5m の中の、ゴール正面 7.3m x 5.5m の区域。ゴール正面地帯とでも言いましょうか。そんなに厳密に使っている風でもないです)

少し前のクーマンバルサは、ゴールエリア外・ペナルティエリア内でのシュートが大半で、このスモールエリアに突っ込んでのシュートはほぼ無かった。9番であるブライスウェイトはそこ(ニアポスト前)に侵入してくれるわけで、両ラテラル/エストレーモからのセンタリングが効果を発揮してきます。
たしかに最近はブライスウェイトなりグリーズマンがニアポスト前に飛び込む場面がよく見られるようになりました。

また、9番がこのスモールエリアに入っていくことで、セントラルは下がらざるを得なくなる。するとペナルティエリア際あたりにスペースが生まれ、オサスナ戦でのグリーズマンメッシのようなミドルシュートも打ちやすくなります。

ロナルド・クーマンとしてはそれをメンフィス・デパイを使ってやりたかったのでしょうが、獲得できなかったのでメッシの偽9番などを試していたけれど、ここへきてブライスウェイトを起用してみたら思いのほか上手くいった、てなところでしょうか。

ここ3試合連続の先発出場で4得点を決め、2つのPKを起こさせているブライスウェイト。守備面での労も惜しまない。
これからのユベントス、レアル・ソシエダ、バレンシア戦でも通用するかどうかが楽しみですし、そこでも「使える」となれば、新たなるエンリク・ラルソンとの称号を得るかもしれません。実際にラルソンコーチの助言も効いてる?人柄に好感が持て、努力もうかがえるだけに応援したいです。

(冬マーケットでのメンフィス・デパイ獲得はクラブの財政上困難ですが、夏には無料でやってくるので、ブライスウェイトの将来が不確実であるのに変化はない)

グリーズマンが開花

ここ最近、評価が急上昇しているのはアントワン・グリースマンもです。
オサスナ戦では豪快なゴラッソをたたき込み、先日のフェレンクバロス戦ではオシャレ度満点のヒールシュートを決めて見せたフランス人クラック。すっかり悩みの森からは脱したようで、ホルヘ・バルダーノの対談番組に出演し、メッシとの関係などを語ったことでスッキリしたんじゃないかとも言われています。

グリーズマンは以前も決定機は何度も何度も手にしていたわけで、ただそれを信じられないくらいに外していただけでしたから(ベティス戦ではPKも止められた)、精神的な部分での解消があり、開栓につながったのは不思議ではないです。
そして前方に9番が入るようになったことで、得意なシステムになったのも大きい。グリーズマンが活きるにはそれしかないと言われていましたし、ついにその環境を手にしたと。

なお、グリジを称える12月4日MDには彼の陽気な人柄についての紹介がされていまして、キエフから帰郷する際にはペドリの誕生日ソングを機内放送で歌ったり、ブダペストから帰る機内ではDJを務めたりとか、かつてのダニ・アルベスのような盛り上げ役をしているそうです。

ブライスウェイトグリーズマンも、苦しい時期に全く不平不満を口にしなかったのが素晴しい。そういった、メディアで愚痴らず “ピッチで語る”選手は監督にもファンにも評価されます。

今後はどうなる

元々メンフィス・デパイを9番に置いた4-2-3-1を目論んでいたクーマンですから、ブライスウェイトが有用と判明したからには、この流れを継続させていくでしょう。輝き始めたグリーズマンを外す理由もない。

となると厳しくなってくるのはフィリペ・コウチーニョです。
彼もまたメディアプンタの位置が一番活きますし、開幕当初はそこで起用されていた(メッシが偽9番)。おそらくはオサスナ戦のように左サイドに回ると予想しますが、クーマンには大のお気に入りペドリもいますから、グリーズマンコウチーニョペドリでポジションを回すますかね。
ブスケツデ・ヨングピアニッチでドブレピボーテを回すような感じ。

ここにレオ・メッシの件も絡めて書きたかったのですが、力尽きたのでまた後日^^;
セントラル危機もそろそろ解消されそうで、年末に向けて上昇基調になってきたことで前向きになって行けそうです。アトレティコ戦の敗北からわずか10日後のこの変化ぶり。

 

コメント

  1. バルサ より:

    9番がブライスウェイトで決まりとなると、2列目にはペドリグリジメッシは固いですが、好調のデンベレ、期待のリキプッチに、頑張り時のトリンカオ、春にはファティが加わるんですね。
    セティエンバルサよりずっと面白くなってきました!

  2. バルサ より:

    これにコウチも復帰して(書き忘れてました)、攻撃のオプション、層の厚さ、得点力の多彩さの面では疲労が溜まってくるチャンピオンズも期待?できちゃうかも…
    クラブWC日本開催みたいなので、楽しみです。