なんだかんだで条件が合い、計算できる即戦力。
マルク・バルトラがドルトムントに去り、補強が待ったなしとなっているセントラルほどではないですが、南米トリデンテを補完する第4のデランテロ獲得もまた、FCバルセロナのこの夏の優先補強ポイントです。こちらはマーケットにこれだ!という選手が出ておらず、最近は再びセルタのノリートが有力候補となって浮上中。ルイス・エンリケが求める選手でなければ起用されずに終了ですから、こだわりのノリートが結局はベストのように思えます。昨日はジェラール・ピケがこのオペレーションを援護射撃です。
選手とクラブは合意済みと
バルサの131ゴールトリデンテを編成する3人のうち、最も替えの効かない選手はルイス・スアレスでしょう。メディアプンタのレオ・メッシやエストレーモのネイマールはお互いに、もしくは別の選手が代役を務められても、“9番”であるスアレスだけは欠場をなかなか補えない。そこで補強するデランテロは絶対に“9番”タイプでなければならないというのでなければ、なんだかんだでノリートが一番良さそうです。
ノリートはまず、自分がバルサでは主役になれないことを承知して再入団を希望してくれています。そして元々はバルサBに所属したため(2008~2011)、当時のボスでセルタでも一緒だったルイス・エンリケの信頼が厚く、このややこしいクラブのこともよく知っている。ラ・ロハで顔を合わせる選手たちとの関係も良い。ユーロ2016に向けた代表合宿でも、やいのやいのと盛り上がっているんじゃないでしょうか。似たような状況だったダビド・ビジャと同じくコケそうな要素はあまりなく、セルタとの契約延長を受け入れてないことで契約解除金も1,800万ユーロのまま。ここも非常に重要なポイントです。
SPORT紙によると、バルサとノリート側は冬のマーケットでの移籍交渉の際、契約条件で合意をしています。残念ながら資金面での制約が大きかった冬のオペレーションは失敗に終わりましたが、彼がその後もセルタとの契約更新に応じなかったのは、そこでの勧誘の成果といえましょう。もし契約解除金が2,500万ユーロに上がっていれば、バルサへの道はだいぶ細くなっていたはずです。
セルタへの恩義によってノリートからの移籍希望は出ないと思われますが、バルサとしては1,800万ユーロを準備すればOKで、話はそうややこしくはない。では何故いまだに動きがないのかといえば、フロントはまずはセントラル補強に注力し、デランテロの件は一時保留にしているからでしょうか。
MD紙はバルサは契約解除金を丸々支払うのではなく、セルタが交渉に応じるのを待っているという見解。ただし両クラブの関係は冬に揉めた件でぎくしゃくしており(カンプノウでの対戦時にセルタの代表がパルコに座らなかったことにバルサは気を悪くしており、一方のセルタもバルサのせいで1月にノリートを乱されたと非難している云々)、すんなり話は進みそうにないとしています。
ノリートでネックとされるのは年齢(29歳)で、その点では数日前にSPORTがでっかく取り上げていたトニー・サナブリア(20歳)ですが、ヤツは退団の経緯が気に食わない^^; 根に持つタイプですみません。
ピケ「ノリートはバーゲン価格」
このマヌエル・アグード、通称ノリートの獲得に関しては昨日、ラジオ局ONDA CEROの番組 Al primer toque に出演したジェラール・ピケがクラブに獲得を促すようなコメントをしています。打てば響く、それがワカ旦那です。「ノリートがバルサに来るべきかどうかは僕が首を突っ込むところではないけれど、彼の値段とマーケットに支払われているおカネを見たなら、彼はバーゲン価格だよ。彼はいま代表チームで力を証明している。最終的に話がどう落ち着くのか僕は知らないし、それは僕の仕事でもないけど、彼はバルサにとって偉大な選手となるだろうね」
たしかにノリートが1,800万ユーロというのは、狂乱のマーケットにおいてはお買い得価格です。冬の移籍市場では予算がほぼゼロだったためにセルタとの折り合いがつきませんでしたが、この夏は状況が違う。保証の効くデランテロに1,800万は支払える範囲内です。そしてバルサの夏の予算が6,000万ユーロほどとすれば、セントラル補強に4,000万ユーロ以上が残ります。
ジェラール・ピケはまた、4年間のトップチーム生活を終えてドイツへと旅立った後輩バルトラについても語っています。「いろいろ考えるよ。自分が若かった頃のことを見るようだからね。彼の在り様やプレースタイルは僕の若い頃にそっくり。でかいことをしようとするところや、攻め上がって、戻って、全部をやりたがるところやらね。彼の最善を願うよ。あっちで上手くやっていくと思う」
「ボルシアで自分が良い選手だと証明していくだろう。あとは僕が引退する前に、また一緒になれるかだね。僕はバルサを出て、また戻ってきた。僕はいつも彼に、扉は決して閉ざされないと言ってるんだ」
ということで話を第4のデランテロに戻しますと、いま候補として名前が挙がっている選手たちの中では、ルイス・エンリケが評価しているノリートが良いんじゃないでしょうかね。2,3年後にまた補強の必要性が出てきますが、それはまたその時考えるということで…
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