バルサが言う「デンベレの欠場期間6ヶ月」は、なにも保証しない
重要なのは執刀医の報告書を見て医療委員会がどう判断するかで、補強許可が下りると決めてかからない方が良い
長期離脱となったウスマン・デンベレの代役を獲得したいとのFCバルセロナの要望はラ・リーガによって認められ、近日中に新たなデランテロがやってくるだろう。実現確実と言われていたそんな目論見ですが、実際はそう確実でもなさそうです。ウスマンは2017年に同じ怪我を負い、3ヶ月半で戻っているからです。
医療委員会が判断を下す
バルサは今、先日フィンランドで大腿二頭筋・近位腱の手術を受けたウスマン・デンベレの代わりに登録できるデランテロを獲得しようと目論んでいます。
デンベレの代わりというよりは、冬マーケットで獲れなかったデランテロ・セントロ(9番)を獲ってしまおうとの意図が見える点に小賢しさを感じるのですが・・・ 補強が可能となるためには、登録を一時抹消される選手が全治5ヶ月以上の怪我を負ったことが認められねばなりません。
バルサから全治6ヶ月の診断書が提出されたからといって、ハイ分かりましたとハンコが押されるわけではない。そこで力を持つのが、ラ・リーガによって任命された医療委員会です。
SPORTの2月14日号によりますと、この医療委員会はスポーツ医学の専門家5名で構成され、うち2名は元バルサのドクターです(ペレス・サンロケ、ジョルディ・アルデボル)。
一見ラッキーですが、そこは公平性が考慮される。アルデボル医師はかつてバルサ医療部の責任者だった経歴から、結び付きが強すぎて今回の投票には参加できません。
で、SPORTは、この専門家たちがバルサの報告書に疑問を持つだろうと言っています。
その理由は、デンベレが負った2017年9月の怪我です。
ポイントは執刀医による報告書
ウスマン・デンベレは2017年9月にも大腿二頭筋の腱を断裂してますが、この時の欠場期間は3ヶ月半、正確には106日だったそうです。素人目に不思議なのは、今回も同じ大腿二頭筋の腱断裂なのに、全治6ヶ月だとクラブ発表が為されている点。
委員会の専門医たちもそこは不審に思うだろうから、補強が認可されると決めてかかるのは危険だというのがSPORT紙です。医療委員会はその厳格さゆえに名声を博しているのだと。
SPORTの説明によると、ラ・リーガの最終決断においてはこのバルサが作成した報告書はあまり意味がありません。緊急補強をしたいがためにクラブは“話しを盛る”こともしますから、そりゃそうです。
重要なのはラ・リーガが任命した専門医たちの判断で、その専門医たちが審査の基準とするのは「今日バルサから提出される証拠品」。つまりは執刀医であるNEOホスピタルのラッセ・レンパイネン医師による報告書・完全版がカギになります。
でもまあ、バルサもそのへんはちゃんとしているでしょうし、レンパイネン医師が半年だと診断したからそう言っているのでしょう。さすがにそこは信用したい。なのでSPORTのは煽り記事の色合いが濃いですが・・・ ドラマや小説などに出てくる「予断は許されない」ってやつと、医療委員会について多少知れたことでお許しを。
レンパイネン医師はデンベレの2017年の手術にもサカリ・オラバ医師(引退)の右腕として参加しているのですが、MARCAの取材に対し「今回の怪我は2017年のものよりも大きく、多くを要求するものだった」と語っています。
コメント