欧州でもコケて14年連続のグループ首位を逃す
ユベントスの攻勢に押し流され、早々に連続失点。
クーマンの交代策も実らず、1点も返せず終了で警告ランプ点灯。
クーマンバルサの落下が続く。ラ・リーガでの自滅に続き、このチャンピオンズ・ユベントス戦でも守備が安定を欠いて3失点。お久しぶりのクリスティアノに2つのPKを決められるなどの完敗となった。0-2以上で負けなければグループ首位通過だったが、0-3で敗れての2位。CLのホームゲーム黒星は7年・38試合ぶりとのことで(34勝4分)、歴史的な出来事が次々に発生する今季だ。
試合のポイント
●ユベントスの攻勢にたじろぐ:週末のリーグ戦にイヤな感じで負けているバルセロナと、トリノでの借り(0-2)を返しグループGの首位奪取に燃えるユベントスと。両チームの意気込みの差はプレーからも明らかで、3点入れるべくスイッチの入ったユーベに対し、バルサは序盤から劣勢を強いられている。試合後のクーマン曰く「恐怖と共に試合に入っていた」。怖れていたユーベの先制点は13分にして訪れた。
●白黒の波に呑まれるバルサ:クリスティアノに対するアラウホのファール判定は厳しく思うが、なんであれ認められたゴールはなくならない。絶対に避けたかった早い時間帯の失点、思い出されるチャンピオンズでの数々の悪夢。バルサの迷いは増大し、ユベントスは自信を増した。右のクアドラド、左のアレックス・サンドロはほぼ自由。中盤のラムゼイ、マッケニーも伸び伸びと動く。20分にはマッケニーのゴラッソボレーが炸裂し、リードは0-2へと広がった(クリスティアノのディアゴナルにCB2人が引っ張られてフリーに)。
●機能しない攻め:グループG首位争いの分岐点となる0-2は20分にして出来た。あとはどちらが1点を決めるかで、バルサも全然焦る必要はないのだが・・・ トリノで功を奏した9番不在システムはカンプノウでは上手くいかなかった。ユーベにボール保持を譲られたバルサだが、ペナルティエリア内に押し入れないのでシュートは中長距離に限られ、サイドからの崩しもない。そうしてボールを奪われてはカウンターを受けて背走。トリンカオはもうちょっと縦に突っ込んでくれないものか。メッシの気迫だけではブッフォンの壁は破れない。
●9番を入れるも、またもPKで0-3:状況を打開するべく、クーマンは後半頭からブライスウェイトを送り込む(トリンカオと交代)。これには一定の効果があった。ただ、すぐさま追加点を食らってしまってはキツイ。51分の大ピンチの場面、ラムゼイのシュートはテル・ステーゲンが辛うじて弾いてみせるのだが、その直前のプレーでラングレのハンドがあったとVARが介入。画像確認をした主審はPKを宣告し、クリスティアノがこれを沈めて0-3としている(52分)。バルサが首位を取り戻すためには、2得点が必要となった。
●パンチ力不足再び:0-3でバルサ選手たちが意気消沈したわけでなく、アルマ(魂)がさっぱりだったわけでもないが、この夜は再びパンチ力不足が顔を出した。58分、グリーズマンのヘッド弾がクロスバー。65分のメッシ弾はブッフォン。68分、デストのクロスをグリーズマンが吹かす。71分、途中交代リキ・プッチのシュートが枠の上。85分、メッシの決定的シュートがポスト横を通過などなど。この夜はメッシのシュートがことごとくブッフォンに阻まれた。そういえばトリノではモラタ弾がことごとくオフサイドだったなぁ。リキの起爆剤としての働きはまずまずだった。
トピックス
●グリーズマンの自己批判:試合終了後、Movistarのインタビューに応じたアントワン・グリースマンが厳しい自己批判。「前半はユベントスが上だったね。僕らには全てが欠けていたよ。意欲、姿勢、走ること、攻めること、守ること・・・すべてがダメだった」
「落ち度はプレーをする僕らにある。ハードワークをしたい、プレーしたいと望まなければならないんだ。それらすべてを望む必要がある。そうしてのみ、僕らは前進するだろう」「言い訳を探すことは出来るけれど、唯一の方法は言い訳を止めてハードワークすることだ。僕らの残したイメージはひどかったから」
●14年ぶりのグループ2位:0-2までなら負けてもグループG首位通過だったバルサだが、そういうメンタルで臨む試合は往々にして失敗するもので、0-3で敗れてグループ2位に。2007/08から13年間続いてきたグループステージ首位通過に終止符を打った。記録はどこかで途切れるが、今季はそれが集中している。
2位になったことで、1/8final ではマンチェスター・シティ、チェルシー、ドルトムント、バイエルン、リバポー、ライプチヒ、PSGらと対戦しなければならない。
●ウンティティが半年ぶりの出場:サムエル・ウンティティが長いトンネルを抜け、公式戦復帰を果たした。前回出場はコロナウイルスによるリーガ中断明け直後、6月27日のセルタ戦(2-2)で、実に164日ぶりの出場という。55分、カードを受けていたラングレに代わっての登場。ボールタッチは29回、25本のパスは全て成功。ボール奪取4回。イエローカード1枚。長いブランク後だけにやや危なっかしい場面もあったが、ピケを欠くセントラル陣だけに戦力の復帰は朗報だ。
●7年ぶりのホーム黒星:数々の大失態をやらかしてきたチャンピオンズでのバルサだが、カンプノウでは強さを発揮し続け、2013年5月1日のバイエルン戦(0-3)以来負けていなかった。それがこの0-3なので、ついにカサの魔法も切れた様子だ。ここまでの38試合は34勝4分・114得点・20失点。
●リキ・プッチのアピール:残念な印象を残したバルサの中で、ほぼ唯一ブッフォンを脅かしたレオ・メッシ以外に合格点を付けられる数少ないバルサ選手がリキ・プッチだった。66分にペドリと交代でピッチに入ると、起爆剤としての役割を全う。攻撃を活性化しただけでなく守備でも頑張り、チーム最多となる6回のボール奪取をしている。そろそろ彼にもう少し出番を与えても良いのではないかい、クーマン監督。
●大活躍だったジジ・ブッフォン(42)が試合終了後にレオ・メッシとシャツ交換。
Champions League | Jornada 6 | |
8 de Diciembre 2020 – martes 21:00 h Camp Nou:— |
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FC Barcelona | Juventus |
0 | 3 |
Goles | |
Ronaldo (13pk) | |
McKennie (20) | |
Ronaldo (52pk) | |
Titular | |
Ter Stegen【5】 | Buffon |
Dest【5】 | Danilo |
Araujo【5】 | Bonucci |
Lenglet【3】 | De Ligt |
Jordi Alba【6】 | Cuadrado |
Pjanic【4】 | McKennie |
De Jong【4】 | Arthur |
Trincao【4】 | Alex Sandro |
Messi (c)【7】 | Ramsey |
Pedri【5】 | Morata |
Griezmann【4】 | Ronaldo |
Cambios | |
Trincao→ Braithwaite【6】(46) |
Arthur→ Bentancur (71) |
Lenglet→ Umtiti【5】(55) |
Ramsey→ Rabiot (71) |
Jordi Alba→ Junior【5】(55) |
Cuadrado→ Bernardeschi (85) |
Pedri→ Riqui Puig【6】(65) |
Morata→ Dybala (85) |
Araujo→ Mingueza【5】(82) |
Ronaldo→ Chiesa (90+) |
Entrenadores | |
Ronald Koeman【5】 | Andrea Pirlo |
Arbitro | |
Tobias Stieler (alemán) | |
Tarjetas | |
Jordi Alba (27) | Ramsey (29) |
Lenglet (31) | Morata (53) |
Umtiti (60) | Danilo (69) |
Junior (78) | |
名前の次の数字は評価点:平均点【5】 |
Estadisticas | ||||||
1a | 2a | Total | Total | 2a | 1a | |
0 | 0 | 0 |
Goles |
3 | 1 | 2 |
6 | 13 | 19 (7) |
Tiros a puerta |
9 (4) | 3 | 6 |
2 | 3 | 5 |
Ocasiones de Gol |
6 | 2 | 4 |
3 | 2 | 5 |
Corners |
1 | 1 | 0 |
0 | 3 | 3 |
Fueras de juegos |
1 | 1 | 0 |
384 | 365 | 749 |
pases |
519 | 197 | 322 |
53% | 61% | 57% | Posesion del Balon | 43% | 39% | 47% |
6 | 4 | 10 |
Faltas |
15 | 7 | 8 |
2 | 2 | 4 |
Tarjetas Amarillas |
3 | 2 | 1 |
0 | 0 | 0 |
Tarjetas Rojas |
0 | 0 | 0 |
Formación | |
ピケ、デンベレ、セルジ・ロベルト、アンス・ファティが負傷中。 トリノでのユベントス戦における先発イレブンを何カ所か変更したメンバー。負傷したデンベレに代わってはトリンカオが起用された。ペドリもトリンカオもワイドに張らず、ペナルティエリア幅でプレー。両サイドのスペースはラテラルに預けた。 前半で0-2にされたことで、まずは後半最初からブライスウェイトが登場(トリンカオと交代)。グリーズマンが中央~左方面に回った。 |
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Titular | Final |
2020年12月09日(水)、ユベントス戦翌日のバルセロナスポーツ紙。うな垂れるメッシの姿が悲しい・・・。
MD「もうひとつの失望」
- ■もうひとつの失望
- → バルサはラ・リーガでの守備的エラーを繰り返し、グループ首位を奪い取ったユーベに完敗
- → クリスティアノのPKでの2得点とマッケニー弾が7年以上、38試合に及んだチャンピオンズでのホーム無敗に終止符を打った
- ■クーマン「私たちは恐怖と共に試合に入り、アグレッシブさがなかった」
- ■グリーズマン「意欲、姿勢の欠如。走らず、守らず、攻撃せず・・・なにもかもが悪い」
- ■バイエルン、シティ、リバポー、チェルシー、ドルトムント、ライプチヒ、PSGがバルサの対戦相手候補
SPORT「試練」
- ■試練
- → ユーベ相手の敗北はバルサをグループ2位を宣告し、チャンピオンズ1/8 抽選を前にバルサを非常に難しいポジションに置く
- → チームが残すイメージは心配なものとなり始め、クーマンのシステムは機能しない。守備は再び水漏れを起こし、ただメッシの誇りが救われた
- ■チャンピオンズ
チャンピオンズ敗退を懸けてプレーするマドリー
ジダンは最大プレッシャー下にあり、もしコンペティション敗退ならベンチを去るかもしれない
コメント
ギャンブルで全財産をスるが如く最後の試合で大失態。
CL恒例のバルサの大逆転負けが今年も最後の最後で再現されました。
対戦相手にとってバルサとの初戦はもはや大会を盛り上げるためのエキシビジョンマッチでしかないのでしょう。
そもそも来季以降はCL出れないかもしれませんが。
チームにとって最大の武器であったカンプ・ノウの魔力が完全に胡散霧散したこともあり
戦術面だけでなく、バルベルデ政権で強固に植え付けられた敗者のメンタリティーを叩き直す存在がいなければバルサがリヴァプールやミランのように復活することはないでしょうね。
数少ない希望の若手も最終的にどれだけ残るのか心配です。
勝てないとは思っていましたが、これまた惨敗でしたね。とはいえ、どうせラウンド16で消えるのでしょうから首位でも2位でも変わらない気もしてきます。
イニエスタ、チャビ、ネイマール、スアレスとメッシのプレーを理解して合わせられる選手がいなくなり、この試合もプレーし難そうでした。
早々にCLは別れを告げて、リーガでEL圏内くらいは入れないと、メッシだけでなく他の選手も出て行くことになるでしょう。 才能のある若手がいるとは言え、チームとしては未熟なのは仕方ないでしょうから、(加入1〜3年くらいの選手ばっかですし)もう2〜3年かけてチームを完成させて欲しいです。
…あと、未だにグリーズマンはやっぱりバルサじゃない感が拭えません…