沈黙を破り、シーズンのここまでを振り返ったクラック
テレビ局のインタビューに応じ、今後のことについて語る
2020年12月27日(日)夜、カタルーニャのテレビ局 La Sexta にてリオネル・メッシのインタビューが放送されました。カピタンに話を聞いたのはカタルーニャ人ジャーナリストのジョルディ・エボレさん。18日に収録されたもので、果たしてメッシが去就について語ったのか、と数日前から注目されていた番組でした。その答えは・・・ 今のところ未定。クレとしては残留への扉が開かれた、と捉えておきます。
何が起こるのかは分からない、半年後を待つ
レオ・メッシが公の場で自身の状況について語るのは、バルサ残留を発表した9月4日のGOAL.comによるインタビュー以来となります。今回も収録場所はメッシの自宅。メッシはジョルディ・エボレ記者に対して2020年中にインタビューを受けると約束していたらしく、それが実現されての出演です。3ヶ月前と違うのは、表情。今回のレオはずいぶんと穏やかだったようです。
インタビューの話題は多岐にわたっています。
まずクリスマスのミニ休暇の過ごし方から始まり、ちょっとした雑談、バルサのユニフォームに感じること、今の気分、クラブの現状、プライベートの話題、コロナウイルスのこと、マラドーナ、死について、政治、夏の退団騒動、スアレス、チームの現状、会長選挙、ネイマールなど興味深いテーマが盛り沢山。
メッシがカメラの存在を忘れたかのように語っていたりもするらしく、そのあたりはエボレ記者の手腕であります(映像がYouTubeなどで公開されておらず、LaSextaのサイトでも日本だからか見れない)。
そして視聴者が最も聞きたいテーマ、将来についてはインタビューの終盤からです。その答えは冒頭でも書きましたように、現時点では不明。「どうなるか分からない」とのことですが、前向きに捉えるなら9月当時に比べると残留の可能性は増している、、のでしょうか。核心部分について、メッシはこう説明しています。
「何が起こるのか、分からないよ。残りシーズンを戦うために、僕は集中してるんだ。分からないのにこうするだろうって言うのは良くないから、一年がどんなふうに終わるのかは考えていない。シーズンが終わるまではなにもハッキリしないし、僕はシーズンが終わるのを、6月を待つだろう。重要なのはチームのことを考えることであり、一年を良い形で終えること、タイトル獲得を考えること。他のことを考えて気を逸らすことじゃない」
これはメッシからの“今は僕の将来よりもチームのことを優先して。”とのメッセージですが、さてメディアが静まるかどうか。4日後にはメッシの他クラブとの交渉は解禁となり、シティだパリだと賑やかになるでしょうね・・・ 彼の要望を聞き、6月まで待つことにしましょう。
もしバルサを去るにしても、移籍先はアメリカ合衆国 MLS になるかもしれません。このインタビューでも彼は「USAでプレーする経験を楽しみたい」と明言していますし、チャビやイニエスタのようにバルサのライバルとなるクラブには移籍しない道を選ぶのは、なんというか腑に落ちます。
もう数年先で良いとは思うけれど。
変化が必要なので退団を求めた
ファンとして関心があるのは、8月下旬に起きたバルサ退団希望表明にまつわる事柄です。バルセロニスタに対し、あの時は本当にバルサを去ることを願っていたとメッシは明かしています。
「ひとつのサイクルを終えた、変化が必要だと考える瞬間が訪れたんだ。その瞬間にクラブ内であった混乱とか、そういったもの全てから出ることを僕の頭は必要としていた。移行の一年になる、新しい人、若い人の年になるだろうと分かっていたし、タイトル獲得のために戦い続けたい、チャンピオンズやリーグを戦いたいといつも言っていたように、変化の瞬間だと感じ、去りたかった」
「当時のクラブ会長はそれを望まず、僕の立場を悪くしようと情報を漏らし始めた。いろいろあったけれど、自分が感じたことやその瞬間にすべきだったことをしたから、僕はいまも落ち着いてるよ」
さらりと明かされるバルトメウの卑怯さ(苦笑)。退団要請をBurofax(内容証明郵便)によって行ったことは物議を醸しましたが、「あれは事を公式にするための方法」だったメッシは言います。何ヶ月にもわたってバルトメウに退団希望を伝えていたのに完全にスルーされそうだから業を煮やしての行動だったわけですが、前会長の適当さについてはこうも述べているカピタンです。
「たくさん欺されたよ(笑)。本当に多くのことで欺されたんだ。内輪のことを持ち出すのは好きではないけれど、何年にもわたって多くのウソがあったとは確約できる」
クーマン監督は高く評価
クラブが難局にあるなかでチームの舵取りを委ねられたロナルド・クーマンに関しては、適切な人選だったとメッシは考えているようです。
「クラブは本当に、ものすごく悪い状態だったんだ。クーマンが来たことで誠実さやアイディアがもたらされたし、大正解だったと僕は思う。彼はとても上手くやっているよ。新しい選手や若い選手が多くいて最初は難しいものだけれど、チームは成長して行っている」
これはクーマンも嬉しいでしょう。お腹のお肉を揺らして小躍りしているのが目に浮かぶ。そしてシーズン開幕前には大変な思いをしたけれど、今は「意欲を抱いているし、希望を持っている」と強調するメッシ。残り半年間を全力で挑むとカピタンは述べています。今、幸せですか、との問いかけにはこう答えているメッシです。
「苦労をしたんだ。自分のいたい場所にいなかったし、新しい人が多くてロッカールームに適応するのが難しかった。僕の周りにいたひとたちがいなくなったり、少なくなったし、外の人が増えて、カサの人間が少なくなった。僕らは異なる文化で、全員が異なっている、それがロッカールームの一体化をより難しくするんだ。でも少しずつひとつになって行ってるよ」
「自分が去るのか残るのかは分からないけれど、もし去るのであれば、ベストの形で去りたい。それに仮定の話ではあるけれど、いつかはこの街に戻ってきたい、クラブで働いて貢献したいと思ってるよ。バルセロナは僕を含めたどんな選手よりも偉大だし、再び重要なタイトルを掲げるためにやってくる会長が上手くやってほしい」
そしてメッシはこのインタビューを次のように締めくくっています。
「僕とバルセロナとの関係は、愛情の歴史なんだ。このクラブや町との、とても小さな頃からのね。どんなふうな結末になろうとも、僕がキャリアで経験したことを汚すべき理由はない。16年間のキャリアの全てが良いなんてのは簡単ではないし、悪い時もあれば、すごく悪い時もあるわけでね。どうなるか見てみよう」
インタビューは1時間ほども続いたらしく、こちらで取り上げたのはほんの一部に過ぎないんですが、伝わってくるのはレオ・メッシがバルセロナのことを今も大好きだということで、そこには一ミリの疑いもありません。バルサに計り知れない貢献をしてきたメッシですから、将来のことは彼が決めれば良い。その時に胸の内にあるバルセロナへの感情がどんな作用をするのか、月並みですが見てみることにしましょう。
ちなみにメッシは引退後についてはぼんやりながらも進路を思い描いていて、「監督ではなく、選手を連れてくるスポーツディレクター」になりたいそうです。メッシに口説かれたら多くの選手が落ちそう(^^)。
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