バルベルデ解任の理由を選手を用いて説明したアビダル
レオ・メッシが厳しく返事をし、クラブへの不快感を示した
FCバルセロナの強化技術部長(セクレタリオ・テクニコ)エリック・アビダルの発言が発端となり、バルサが揺れています。SPORTインタビューのなかでバルベルデ解任の決断について説明したアビさんに対し、レオ・メッシが即座にインスタグラムで手厳しい返事を出したのです。
役割を強化されたアビダルのインタビュー
エリック・アビダルの炎上発言が掲載されたのは、SPORTの2月5日号です。この日はMDにもアビさんのインタビューが掲載されていまして、つまりはFCバルセロナが働きかけて地元の両新聞にアビダルを登場させたということでしょう。
アビダルは日曜日にジュゼップ・マリア・バルトメウ会長らと会議をし、会長から役割を強化されたと報じられています。それを受けてのインタビューです。
で、そのインタビューの一部や動画が、SPORTウェブで先行公開された。それに対してわずか87分後、レオ・メッシがインスタグラムのストーリーを通じて手厳しい返事を出した次第です。
バルサ幹部としては、きっと予想もしていなかった反応ですよね。
インタビューが正式掲載されると同時に、それへの反応が記事になる時代だなと。
「多くの選手たちは監督に満足せず、ハードワークもしていなかった」
エリック・アビダルの発言で物議を醸しているのは、エルネスト・バルベルデ解任に関する説明です。
「私たちの部門は宿題を終わらせておかなければならない。なにが起こるのかは誰にも分からないからね。監督に関する仕事を始めたのは、私の最初の夏(2018年)だった。私たちは情報を探し求め、その後、会長が彼との契約を延長すると決断したんだ。クラブの決断だったので、私たちはそれを引き受けたけれど、問題は結果ではなく内部のことだったと私たちはすでに見ていたよ。その決断を下すのは簡単ではない。しかし12月18日のクラシコ後、私たちは彼の退団をさらに具体化し始めた」
このアビダルらが感知した「内部の問題」がなんなのか。記者さんたちも引っかかったようで、それについて訊ねると、セクレタリオ・テクニコは次のように説明しています。
「私は試合の結果は見なかった。見たのは(チームが)どのようにプレーをしたか、戦術、あまり出場していなかった選手たちの仕事ぶりだった。私が注目するのはそういったディティールなんだ。多くの選手たちは(バルベルデに)満足をしていなかったし、あまりハードワークもしていなかった。内部でのコミュニケーションにも問題があった。監督とロッカールームの関係は常に良好だったけれど、元選手として匂う物事もあるからね。私はクラブに自分の考えを伝え、私たちは一つの決断をしなければならなかった」
結果ではなく内容を重視するというアビダルは、仮にバルサがスーペルコパで優勝していても監督交代は同じようにあったと述べています。
メッシの意見
これらアビダルの説明に対して即座に反応したのが、バルサのカピタン、レオ・メッシです。インスタグラムのストーリーを通じての返事で、用いられたSPORTウェブのスクリーンショットからはアビさんの“選手がバルベルデに満足せず、努力してもいなかった”との発言に対して異論があるのが分かる。レオはこうコメントをしています。
(※日本で報じられてる訳には、原文を見ることもなくそれらしく書いてるなというのもあります)
「本当に、こういうことをするのは好きではないんだけれど、それぞれが自分の任務やその決断に責任を持たなければならないと思う」
「選手はピッチ上で起こることに責任があるし、自分たちが良くなかった時はまず一番にそれを認めるのは選手なんだ。フロントの責任者たちも彼らの責任を引き受けるべきだよ。特に彼らが下す決断に関してね」
「最後に、選手の話をする時は、名前を挙げるべきだったろうと思う。そうでないと僕ら全員を汚し、不確かなことが言われる状況を煽ってしまうから」
メッシの投稿。SPORTのスクリーンショットの、アビダルの発言要約に赤丸が為されている。オレンジ地に白テキストがメッシの文章。
昨今のクラブ運営への不満の表れか
カピタンが「フロントの責任者たちも」と指摘しての「責任を引き受けるべき」との主張。
それだけでも異例ですし、不快感を示したのが他ならぬメッシですから、余計に問題が引き立ちます。レオは今回の発言だけでアビダル批判をする人ではないですし、それだけ昨今のクラブ運営に腹を据えかねていたことの表れだと解釈できるからです。
そしてこのカピタンの意見に対して、アビダルやバルトメウらがどのように問題の解決を図っていくか。
さっそくメディアは「レオ・メッシには彼の意思でバルサを去ることができる契約条項があるんだぞ」とギガクラック退団の可能性を挙げていますし、誰もが無傷での沈静化は厳しいでしょうね・・・。
ちなみにアビダルは同じインタビューでメッシの契約延長(2021年6月まで。ただし5月までにクラブに伝えれば、退団可能)について訊ねられ、「クラブ全員で取り組むべき仕事」であり「レオと私たちは合意すると思う」と楽観的に答えています。で、こう仰る。
「レオはバルサでの仕事を楽しんでるよ。記録を打ち立てながら、彼はベストのレベルにある。私たちはクラブとして彼にもっと幸せであってほしいし、そのために私たちは彼に最良のチームメイト、チーム、タイトルを勝ち取る可能性を提供しなければならない。それがカギだ」
一つ忘れてることがありますよ、アビさん。最良のクラブ首脳陣も不可欠じゃないでしょうかね。
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