アラウホに救われた。
いきなり先制され、守りを固める相手に大苦戦。
エリア内への放り込み戦法(“9番”ピケ)でどうにか引き分ける。
これがクーマンの現実主義フットボールだ。今のFCバルセロナにはトレードマークになってきた華麗なるパスワークによる崩しはもう望めず、相手ゴール前にタワーを並べてはひたすらにクロスを放り込む戦法に頼るしかないらしい。それでも負けかけたところ、土壇場の90分にアラウホのヘッドが決まって1-1。最悪の結果は免れたものの、与えた印象に全クレが涙する。
試合 覚え書き
●ロナルド・クーマンのバルサ監督としての今後が限りなく暗雲に覆われた試合。昨季ラ・リーガ優勝にさよならすることとなった思い出のグラナダを相手に、今年もまたしょっぱい試合を披露したバルセロナ。開始2分にCKの流れであっさり先制点を奪われ(簡単に縦に崩されてCK)、守られて苦労する展開は恒例としても、勝つために選んだ戦法がクロスボール放り込み一辺倒だったことで「バルサがこれでいいんですか」と疑問視されるのは当然の流れだ。
●4-3-3の選手配置を用い、サイドからグラナダの壁を崩そうとしたのは良い。しかしこれまでのようにDFラインの裏を取ってからのセンタリングではなく、クロスはハイボールが中心。前半はそのターゲットがなくボールを入れるだけに終わり、後半はピケ、ルークらを目掛けてクロスクロスのまたクロス、、とバルサらしからぬ戦法に終始した。これがクーマン流の現実主義フットボールか。
●ハーフタイム前の波状攻撃で一点でも奪えていれば、その後の展開も変わったのだが。時々いいシュートを放つセルジ・ロベルトのポスト直撃弾を皮切りにバルサはグラナダを追い詰め、アラウホの二度のヘッド弾でGKマキシミアノを脅かしている。アラウホの突入は迫力があって爽快だ。
●時間の経過とともにグラナダは引きこもり度を上昇させ、ゴール前はますますスペースがなくなっていった。そうしてクーマンは高さに全振りした攻撃に活路を見出そうとする。75分、デミルに代えてピケを投入した監督。ピケは相手エリア内に常駐し、“9番”としてポスト役を担っている。アラウホもほぼデランテロ。CKからの決定機では、ルークには決めてほしかった・・・ああいう場面のために獲得した選手なのだから。
●そうして0-0のまま試合が終わりへと近づいていた90分、ようやくバルサは同点に追いつく。この試合何度目だろうか、アラウホのヘディングがついに決まって1-1。アシストしたのがガビであるのもクレとしては嬉しいが、こういう試合が何度もあると流石に辛い。
トピックス
●54本のセンタリングは5年ぶり:グラナダ戦では相手Pエリア内に54本ものセンタリングを送り込んだバルセロナ(オンプレーが45、セットプレーが9)。これは2016年11月に行われたマラガ戦(0-0)の55本に次ぐ数字だという。その試合ではメッシとスアレスが欠場し、ルイス・エンリケはピケを前線に置くなどパワープレーを選択した。
●ちなみに、エリア外からのシュート数は4本。
LaLiga | Jornada 5 | |
20 de Septiembre 2021 – lunes 21:00 h Camp Nou :27,097 |
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FC Barcelona | Granada |
1 | 1 |
Goles | |
Duarte (2) | |
Araujo (90) | |
Titular | |
Ter Stegen【5】 | Maximiano |
Dest【3】 | Quini |
Eric【3】 | Duarte |
Araujo【9】 | Abram |
Balde【5】 | Escudero |
Busquets (c)【3】 | Milla |
Sergi Roberto【5】 | Eteki |
De Jong【4】 | Puertas |
Demir【5】 | Monchu |
Coutinho【3】 | Jorge Molina |
Memphis【6】 | Darwin |
Cambios | |
Mingueza【6】 |
Montro |
Luuk【3】 |
Neva |
Gavi【6】 |
Luis Suårez |
Riqui【5】 |
Gonalons |
Piqué【5】 |
Germån |
Entrenadores | |
Ronald Koeman【3】 | Robert Moreno |
Arbitro | |
Jaime Latre (aragonés) | |
Tarjetas | |
Montoro (40) | |
Gonalons (71) | |
Mingueza (77) | |
Koeman (85) | |
Maximiano (86) | |
Monchu (87) | |
Araujo (88) | |
Quini (88) | |
Bacca (90+2) | |
Piqué (90+3) | |
名前の次の数字はSPORT評価点:平均点【5】 |
Estadisticas | ||||||
1a | 2a | Total | Total | 2a | 1a | |
0 | 1 | 1 |
Goles |
1 | 0 | 1 |
8 | 9 | 17 (6) |
Tiros a puerta |
5 (2) | 1 | 4 |
3 | 4 | 7 |
Ocasiones de Gol |
2 | 0 | 2 |
6 | 6 | 12 |
Corners |
4 | 1 | 3 |
0 | 1 | 1 |
Fueras de juegos |
0 | 0 | 0 |
638 |
pases |
195 | ||||
77.9% | 76.3% | 77.1% | Posesion del Balon | 22.9% | 23.7% | 22.1% |
135 | perdidas de balon | 125 | ||||
23 | 34 | 57 | recuperaciones de balon | 53 | 29 | 24 |
5 | 10 | 15 |
Faltas |
20 | 8 | 12 |
0 | 3 | 3 |
Tarjetas Amarillas |
1 | 0 | 1 |
0 | 0 | 0 |
Tarjetas Rojas |
0 | 0 | 0 |
Formación | |
デンベレ、アンス、ブライスウェイト、ぺドリ、アルバ、アグエロが負傷中。 ネト、ピケ、リキ・プッチ、ラングレ、ルーク、ミンゲサ、ウンティティ、イニャキ・ペーニャ、ガビがベンチスタート。セントラルは若い2人。エリクが右を担当している。左ラテラルにはバルデが起用された。ぺドリの代役としてインテリオールに入ったのはセルジ・ロベルト。ルークは控えとなり、コウチーニョが先発出場している。交代の1人目はアクシデントで、腰を痛めたバルデに代えてミンゲサが入り、デストが左に回った。両セントラルの位置も交替。 2人目はハーフタイム明け。セルジに代えてルーク・デヨングを入れ高さを強化し、コウチーニョが中盤に回った。メンフィスが偽の左エストレーモに。 3人目はコウチーニョからガビ。 最後は2人同時交代となり、ブスケツとデミルが任務終了でリキとピケに出番。ピケは常に前線に位置し、“9番”を担当した。 |
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Titular | Final |
2021年9月21日(火)、グラナダ戦翌日のバルセロナスポーツ紙です。
MD「救助者アラウホ」
- ■「救助者アラウホ」
- → ウルグアイ人選手の90分での豪快ヘッドが、カンプノウでのKO負けを回避させた
- → グラナダが開始早々に先制し、引き分けによってバルサもクーマンも傷を受けた
- ■転換点としたいアトレティ
SPORT「英雄アラウホ」
- ■英雄アラウホ
- 土壇場での得点で敗北を免れる
→ MVPのアラウホが90分に頭で押し込み、チームに1ポイントをもたらした - → 青えんじチームはまたもグラナダ相手に無力さと引き出しの少なさを示した
- ■クーマンは弁護「招集リストを見て・・・ 私たちに何ができるだろう?ティキタカでのプレー?私たちはせねばならないことをした」
コメント
私はネイマール強奪時、バルサに大金が入り後継者候補にムバッペ、デンベレ。ネットに何度ムバッペと投稿したか分からない数少ないムバッペクレ派でしたが、圧倒的クレもメディアもデンベレでした。また、ネットにジョアンフェリックス獲得推薦と投稿しましたがバルサは150億でグリーズマン。その大金でアトレがジョアンフェリックス。今ごろバルサはムバッペ、ジョアンフェリックス、アンスファティのトリデンテだったのかなと失望です笑。今はムココを推薦してますが次はどんなズレた選手を獲得して失望させてくれるのか楽しみです。そのうち、レアルは久保君を何かしら理由を付けてバルサに放り投げて来るでしょう。
今朝の敗戦はこたえましたね。
月曜開催なだけに私生活へのダメージも大きめです。(笑)
クーマンはこのチームスカッドでは仕方のない戦術であるというように言っていました。大好きなバルサの選手がそのように言われ、今朝のようなサッカーをさせられていることに悲しみを覚えました。しかし、堅実路線のバルベルデをアトレティコ逆転負けのパニックの最中にキケにシーズン途中解任ような失敗を2度は踏みたくないとも思います。
理想のプレースタイルと現実のメンバー構成を考え、違約金による金庫の負担を考え、、、昨年の窮地を救ってくれたレジェンドクーマンをどのように扱うべきか、本当に難しいですね。
クロス重視にしそうとはいえ、そこまでせんでも(笑)というような試合でした…。
カンプノウ3バックはさすがに止めてくれての4-3-3。
しかしデパイをCFにしてしまった為に、サイドからの崩しの起点が作れません。
コウチーニョは下がり目でブロックの手前での受けが多く、デミルは存在感無し。
あの密集の中でデミルに仕事をしろというのは、さすがに無理がありました。
攻撃はもっぱら右のデストの仕掛けからのクロスがメインでしたが、これでは堅守の相手は崩せません。
しかも中央にいるのはデパイのみなので、クロスのターゲットも無かった。
デパイへのパスコースが切られると、後ろで回すだけになってしまい、結局仕掛けるのはデストです。
デストは躊躇なく仕掛けてたので、そういう指示が出てるのかもしれませんね。
デパイをサイドで使い、中央でのクロス受けは初めからルークに任せるべきだったと思います。
後半は何とかその反省を生かして、ルークを使ってきました。コウチーニョをトップ下に据える4-2-3-1です。
しかしデミルはやはり仕事ができず、セルジを替えるよりもセルジを右SHにしたほうが柔軟そうに見えました。
後半は怪我のバルデに代わって左に回ったデストとデパイの連携で崩し、右はデミルとミンゲサのクロスをルークに当てる形です。
徹底した、クロス、クロス、クロス…。しかも一番仕掛けの多いデストは、慣れない左から左足でのクロスで、精度も無いのがまた何とも。
一回あった惜しいシーンもルークが外し、いよいよ追い詰められた70分に、ピケをトップで投入。
それでもダメならと、この日一番得点の臭いがしたアラウホを最前線に。
凄まじいクロスの雨あられは、中々カンプノウでは見ることのできない貴重なシーンでした。苦笑。
早々に負ってしまったビハインドを、最後まで置い続けるという戦いでしたが、デパイを最前線で受け側に回してしまうと、誰も仕掛けられません。
デパイはこの際、サイドから仕掛けまくる崩し役専業であるべきと思います。
そのためにルークを取ったのでしょうし。
コウチも同時に使いたいのなら、もうトップ下にして4-2-3-1にするしかありません。
右はデミルはやはりまだ経験不足が目立つので、スタートはセルジでどうでしょうかね。セルジなら仕掛けはそれほどとはいえ、状況に応じた色々な事ができると思います。
まあクーマンの将来が懸かった大事な試合で、こういう事が出来てしまうのも、またクーマンという事でしょうか。
これが現実さと言いつつ、クーマンはバルサの理想は捨てる事を選びました。
休む間もなく、次の試合はやってきます。
中二日が連続するスケジュールの中で、クーマンの戦いは厳しい目で見られ続けています。
クロス戦術、次のアウェーカディスはどう対応してきますかね。
何とか凌いで勝ち点3を取り、ファティの復活に賭けたい所です。