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落胆は大きい。しかしチャビへの信頼は揺るがない・・・

補強に巨額を投じるも、2年連続チャンピオンズ・グループステージ敗退
だがクラブの監督に対する信頼は変わらず、冬市場での強化を目指す

FCバルセロナの2022年チャンピオンズでの挑戦は、10月にして早々に終わりを迎えました。2つの“奇跡”が期待された夜でしたが、ミラノではインテルがプルゼニに勝ち、カンプノウではバイエルンがバルサを撃沈。誇りと意地を見せての敗退には遠く、残念なイメージだけが再拡散された落胆の夜となりました。希望のプロジェクトは最初の挫折を経験した。ここからの反発力が試されるチャビチームです。

建設中のプロジェクト

世界を魅了したFCバルセロナの復活は、まだ時間がかかりそうです。
いくつものレバーを動かし、未来を前借りすることで大型補強を敢行したクラブでしたが、望まれるような競争力をチャンピオンズの舞台で示したのは第2節ミュンヘンでの前半くらい。以降は攻守両面においていくつもの不足を露呈し、10月でのチャンピオンズ敗退と相成りました。

ライバルであるバイエルンとインテルを相手にあげた勝点がわずか1では、どうにもならない。ラ・リーガでもマドリーには為す術なく敗北しています。欧州で勝ち進むチームとの差は歴然でした。

“悪夢の10月”とでも呼ばれるであろうこの数週間の失敗の理由を、どう分析するのかで今後しばらくの進路も変わってきます。
SPORTあたりを見ると、希望のプロジェクトはまだ建築中であり、その工事は予想されていたようには進んでいない、1月の更なる補強で完成に近づけていく、、みたいな感じ。
あれだけの補強をするのがどんだけ大変やったのか分かってんのか、との不満が上層部には当然あるようですが、このプロジェクトには忍耐が必要なのだと自らを説得し、チャビに対しては揺るがない信頼を保ち続けていく様子です。

とはいえ、1億5,000万ユーロ以上を注ぎ込んだ結果が2年連続のグループステージ敗退で好いはずはなく、最優先目標となったラ・リーガでの要求度は上がっていく。
当面では直近のバレンシア戦・アルメリア戦・オサスナ戦に3連勝してムンディアルによるパロン(一時中断)に入ることは必須ですし、年明けからはフルスロットルでラ・リーガ、国王杯、スーペルコパ、そしてヨーロッパリーグ獲得に突き進むことが望まれます。
もしここから四冠達成へと巻き返すなら、まあ満足なシーズンとなるでしょう。終わりさえよければ、とりあえずは良しです。

1月の補強目標

今日10月28日は、ロナルド・クーマンのバルサ監督解任から1周年だそうです。

その少し後にやって来たチャビ・エルナンデス(11月20日に初陣)はラポルタ理事会やメディアからの強い支持を受け、豪勢な補強をしてもらい、チャンピオンズ敗退となっても忍耐が必要だと言ってもらえている。実際にどれだけの問題が解決し、なにが未解決かはしっかり見るべきですが、クーマンとしては思うところもあるでしょう。

クーマンの助手だったエンリク・ラルソンはそういった現状に対し、「この夏の補強は、かつてのようにチャンピオンズで競うためだった」わけで、早期の敗退は「がっかりだ」とテレビの取材で語っています。

なにはともあれ、理事会の強い援助を受けるチャビには、1月マーケットでの補強が待っているようです。

狙っているのは中盤を一人(求めるのは、かつてのダビッツのような効果とMD)と右ラテラルを一人。欧州で戦っていくにはフィジカルが不足していることが明らかになったので、そっち方面を注入するのが目的となります。たぶん。

とはいえ資金はないので、対象は安価で獲得できる選手に限られる。2023年6月で契約満了になる選手を値切って獲得することになるでしょう。チャンピオンズの勝利ボーナスもなくなるのに、高価な買い物はできない。というか、補強で本当にどうにかなるんですかね。自分はほとんど期待していません。

フィジカル

チャンピオンズで競っていくには、バルサはフィジカル面で劣っている。それが今回の失敗のおおよその結論となっています。ペップ黄金期からフットボルは大きく変化し、今やテクニックだけでは勝ち上がることはできないと。

では筋肉を強化していくのがバルサにとって望ましい道かというと、どうなんでしょうか。バルサモデルを保ちつつ、フィジカルでも引けを取らないチームにすることは可能なのか。
もしくはバイエルンやマドリーに完敗したのはフィジカルが不足したからで、戦術デザインでは惜しいところまで行っていたのか。相手の強固なブロックをアイディアで崩せてはいたけれど、フィジカルが及ばずああなったのか。チャビはどんなバルサを思い描いているのか。

チャビへの厚い信頼は良いでしょう。ここでクライシス騒ぎもどうかと思う。でも中長期的に見てチャビが最適な人物かというと、ごめんなさい信じきれない。信じきれないんですよ。
でも湿気っていても仕方がない。望んでいたよりも成長のスピードは遅いけれど、育ってはいるんだと信じ、まずはムンディアル前のラ・リーガ3連勝を楽しみにしたいです。アニモ!

コメント

  1. レト より:

    チャビに賭けたプロジェクトは大失敗でした。
    もちろん失敗を簡単に認めるわけにもいかないのでシーズン終了まで続投するでしょうが、
    チャビは経験不足以前にビッグクラブを率いる器ではありません。
    持ち前のプランが封じられたら駄々っ子のように個人技頼み、挙句試合を捨てる、
    こんな誇りも意地もないメンタリティーでは何十年経験を積もうがビッグマッチで勝てるわけがありません。
    バイエルン戦での采配はここまで絶対だった選手の忠誠心も揺らぎかねない失態でした。
    格下相手には無双できてもビッグマッチで同じ失敗を繰り返すようでは苦手意識はさらに高まりますし、チームには諦めの感情が根付くでしょう。
    ライバルが不調なら雑魚専でも優勝のチャンスはありますが、今のマドリーにはそれが全く期待できませんので
    タイトルのことは忘れ格下戦のみの観戦に留めようと思います。

  2. 暗いハート より:

    バイエルン戦はもはや期待してなかったのであまり集中して観れませんでしたが、むしろバイエルンの方が何も掛かって無いはずなのに、1発逆転をかけて挑んでるかのようなチャレンジングなフットボールでした。

    バルサはカタルーニャの象徴であり、自分達のアイデンティティとしてのクライフイズムや自前の救世主出現によって再び上昇するというストーリーに囚われた自縄自縛状態、自らに枷をかけた状態でしょう。
    まあそれこそがバルサの醍醐味とも言えるので、(経済的にも忍耐的にも)どこまでこの苦い状況にお付き合い出来るのかというのはありますが諦めるしかないのかなあと。

    しかし小澤一郎さんも言ってましたが、中途半端にフィジカル、インテンシティ、トランジションサッカーに適応しようとしても強豪には勝てないことはここ数年さんざん見せつけられた訳ですし、全員が組織的に連動するポゼッションサッカー、パスサッカーのモダナイズ、新たな指針を目指して欲しい訳ですが、チャビがチームに何をもたらそうとしているかにやはり信頼が出来ないんですよねえ。

    いま長いストーリーの一体どこにいるのか、、、(溜息)

  3. しんのすけ より:

    お疲れ様です。ゆうさんの発言が、チャビに対して懐疑的なのは、一貫してるようですね。
    今のインテンシティ不足を短期に改善していくのか、3年後を目指していくのか……。首脳陣は、短期でCLベスト4くらいで戦えるチームにしたかったのでしょうが、まずはつまづいた。さて、どうする、ですよね。

    興味ある人は、ユーチューブでグティの動画みてほしいのですが、「チャビは経験不足。失敗して学ばなければならない」と言ってます。その後、司会が「バルサは失敗できるクラブですか?」と聞き返してますが(笑)、「長期的には、チャビは最適な監督だ」と言ってますね。(グラシャス、グティ)

    代表でも、グティはチャビのこと見ていたと思います。リーダーシップや戦術理解は、チャビは持ってると思います。あとは、補強と、どうバルサのサッカーを現代的に進化させるか。これは未知数、1年経たないとわからないです。(アンチェロッティも去年は懐疑的でしたよね)

    ぼくは、今の布陣には、センターバックはアラウホ、クンデ+エリックで良いと思いますが、右サイドバックで走れて守備も強い一枚欲しいですね…。

    というわけで、僕はグティを(チャビを)信じたいと思います。戦術的(短期的)には、先輩ペップのやり方を参考にして、今年は乗り切る!と思ってますが、ゆうさんいかがでしょう?