前線からのプレッシングに勝機を求める。
1週間前にトリノでやらかした残念な試合によって、1/8でのPSG戦に続くレムンターダ第二弾が必要となったFCバルセロナ。スコア的には前回のミッションより可能性はあるといえますが、今回の相手はなにせ優勝候補の一角ユベントスです。大会2失点のイタリア王者は文字通り穴がなく、彼らから最低3点奪うのは非常に難易度が高い。アウェイゴールを決められてしまうとほぼそこでゲームオーバーなので、ユーベを封印しつつ、こちらは得点を重ねなければなりません。誇張ではなく完璧な試合が求められ、なおかつ幸運を味方につけることも必要。監督のプランニングも大きなポイントとなります。
ユーベの堅守をいかに崩すか
マッシミリアノ・アッレグリ監督が鍛え上げた穴のないチームにゴレアーダを決めるには、彼らの強固な守備ブロックに綻びを生じさせ、手にしたチャンスを確実に仕留めていかなければなりません。あの統制された組織にどうズレを作っていくか。18日付のSPORT紙によると、トリノでの完敗を分析したルイス・エンリケと彼のスタッフたちが導き出した答えは、“トランジションの際にボールを奪うことでユベントスの戦術デザインを歪めること”です。
ひとたびイタリア王者に守備陣形を整えられてしまえば、全盛期のペップバルサのパスワークならいざ知らず、今のバルセロナでは滅多なことでは彼らのバランスを崩せません。そこでユベントスが前に出ようとするところで猛然とプレッシャーをかけ、彼らにボールを失わせ、MSNトリデンテが良い状況で相手エリアへ入れるようにボールを送り届けるよう狙っていく。そして立ちはだかるブッフォンを精度の高いシュートで打ち破る算段です。
このプランニングはまず、勝利に飢えたルーチョバルサが圧迫プレッシングを実行することが前提となります。そのうえで問題は、自陣でじっくりボールをコントロールし、カウンターで一撃を決めれば良いユベントスが、守備バランスを崩すような攻めを敢えてしてこないであろうことでしょうか。老貴婦人は無理なく攻めても何度か決定機は作れるでしょうし、前線にはディバラというクラックがいます。
メッシにスペースを作ること
アッレグリさんはバルサの希望であるメッシにボールが来るところを狙い、彼周辺のスペースを徹底して消してくるはずです。ルーチョチームがレムンターダを実現するためには、メッシにどれだけスペースを作れるかがカギの一つで、そのためには両翼が開いてマークを分散させることが重要になります。右はセルジ・ロベルト、左はネイマールとジョルディ・アルバ。前回トリノではダニ・アルベスに軍配の上がった局地戦をどう解決していくかは非常に重要で、そこにアルバの機動力は不可欠に思います。
エリア周辺で前を向いてボールを受ければ、たいてい決定的な仕事をしてくれる大エースは、トリノでも2度、イニエスタとルイス・スアレスへのパスで決定機を作り出している。ユベントスの守備陣形に対してゴールへ直結するパスを複数出せるとするならレオくらいでしょうし、彼とネイマール、スアレスがつながることで勝機はある、でしょう。トリデンテ二人以上の大当たり以外に勝ってる画は思いつかないです。
レアル・ソシエダ戦で2ゴール1アシストを決め、チームを勝利へと導いたメッシでしたが、試合内容はアレだっただけにロッカールームへと引き上げる時の彼の表情は決して晴れ晴れしたものではありませんでした。むしろ苦虫を噛んでいるような表情。誰よりも気合いが入っていると報じられるメッシが、納得して試合を終えられるか。ユベントス戦は結局そのあたりに懸かってるんじゃないでしょうか。結果はどうあれ、やれることを出し尽くしたかどうか。運だけが味方しなかった、という試合ならクレも納得でしょう。
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