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クーマン解任:継続不可能な状況とラポルタが決断を下す

ラーヨ戦の敗北後、FCバルセロナがオランダ人監督の解任を発表。
後任にはチャビが選ばれ、既にアルサッドと交渉中という。

スペイン時間の2021年10月28日0時過ぎ、FCバルセロナ公式サイトで一つの発表がなされました。“ジョアン・ラポルタ会長はラーヨ・バジェカーノ戦の敗北を受け、ロナルド・クーマンに監督解任を通達した。クーマンはこの木曜日、シウタット・エスポルティーバでスカッドに別れを告げるだろう。FCバルセロナは彼のクラブへの尽力に感謝するとともに、彼のキャリアに幸運を願う”。さらば、クマさん。

機内での解任決定

ロナルド・クーマンのバルサ監督生活に幕が下ろされました。昨今の結果によって解任は不可避だろうとは思っていましたが、このタイミングは予想外だった。それだけ今回のバジェカスでの敗北(1-0)が理事会に与えた無力感と危機感は大きかったわけです。

ウェンブリーの英雄の足場は常に揺らいではいました。
アトレティコ・デ・マドリー戦(10月2日)前日にラポルタによる続投宣言がなされ、去就問題も一時は落ち着いたかに見えましたが、、結果とりわけ内容に改善が見られなかったためにクーマンを疑問視する声が絶えることはなかった。
クマさんへの信頼を強調したラポルタは会長就任後のスピーチにてバルセロニスタに希望を呼び戻すと約束していますし、それとは真逆の状況が続くことを許せるはずがないです。

このままだとラ・リーガ戦線からの完全脱落は時間の問題で、チャンピオンズ敗退も濃厚となります。フリーフォールの様相を呈しているチームをクーマンに浮上させることはできないと、ラポルタは決断しました。できれば年末くらいまでは持ってほしかったかもしれませんが。

深夜の公式発表

メディア情報によると、マドリーからの帰り便の中でラポルタと理事たちは緊急対策会議を行っています。幹部たちから意見を聞いた後、監督解任の最終決断がなされたのも機内。マドリー市のバラハス空港を23時に出発した飛行機がプラット空港に到着した直後、FCバルセロナはクーマン解任を公式発表しているからです。
クーマン本人には、バルセロナ到着前にその旨が伝えられた模様。

※公式サイトでのクーマン解任発表は原文で6行のそっけなさ。バルサB監督ガルシア・ピミエンタの解任を告げる記述は5行だったので、プリメール・エキポ監督の方が扱いは上だね、なんちゃって。

木曜日(28日)のトレーニングはクーマンではなく、バルサB監督のセルジ・バルジュアンが担当する。クーマンは選手たちに別れの挨拶をするのみ。

クーマンはカンプノウの北にあるパドラルベスに家を買っており、今後もバルセロナで引退生活?をすると見られる。少なくとも生活拠点の一つにはなりそう。クラブからは1,200万ユーロが支払われるとのことで、当分はのんびり暮らせます。週5でゴルフ生活が始まるか。

ラーヨとの因縁、失われたスタイル

ラーヨ対バルサの放送(DAZN)の中で、実況の倉敷さんが確か「ラーヨがバルサに勝つのは2002年以来」と話されていましたが、、2002/03シーズンといえばクーマンと同じオランダ人監督ルイス・バンガールがチームを率いていた暗黒時代だったな、と懐かしく思い出しました。
これがバルサ監督として最後と見られていたアトレティコ戦の前日会見では、そのバンバンの最後の会見の真似をして開き直った様子のクマさんでしたが、、

バンガール更迭(2003年1月27日)後のバルサは一時的にトーニョ・デラ・クルスが指揮を取り、2月2日にラドミル・アンティッチへと引き継いでいます。ラ・リーガの最終順位は6位。チャンピオンズは割と結果を出して1/4 final でした。今季はどうなりますかね・・・

ラーヨ戦といえば、もう一つ思い出される試合があります。それは2013/14シーズンのことで、バルサが0-4で勝ちながらも6年ぶりにボール保持率で相手に負けた(51-49)ぁぁぁ!!!と騒ぎになった試合でした。当時の監督はタタ・マルティーノさん。
今にして思えば、あの頃はまだマシでした。ラ・リーガ最終節まで優勝争いしてたし。その最終節、カンプノウでのアトレティコとの直接対決は熱かったな。

そもそもですよ、ペップ黄金時代の記憶が新しい2013年当時だからこそ、ボール保持率で劣ったことにショックを受けたクルイフ原理主義者がタタさんを猛烈に非難したのですが、今のバルサなら0-4で勝てたら贅沢は言わんでしょう。この8年でスタイルは凋落し、スタイルを譲歩してでも必要とされている結果も出ない。バルサスタイルを見失ったから結果も出ないと考えるべきでしょうか。

いずれにせよ、こんなのを5月まで見続けねばならないとしたら辛すぎます。何らかの処置は必要だった。解任は時間の問題でしたし、不可避でもありました。

ただ、現在の惨状はクーマンだけの責任ではなく、バルトメウ時代の負の遺産が大きな影響を及ぼしています。選手にも責任はあるでしょう。でも選手は変えられないので、監督を代える。有力視されるチャビ監督誕生で、希望がどこまで蘇るでしょうか。

チャビと合意

SPORTが報じるところによると、FCバルセロナがチャビ・エルナンデスと監督就任で合意に達したそうです。彼とともにカンプノウにやってくるスタッフの顔ぶれでも合意。

残すはアルサッドとの契約関係の解消となり、契約解除金は100万ユーロとのことなので、バルサはためらいなく支払うことでしょう。契約解除に関してアルサッドと現在交渉中。早ければ数時間後には発表がありますかね。

バルサとしては来週11月2日のディナモ・デ・キエフ戦からチャビに指揮を執ってほしいようです。週末のアラベス戦はジョルディ・クルイフが連れてきたアルベルト・カペリャスが臨時監督か。もしくはBチームのセルジ・バルジュアン。この辺りは続報を待て、です。

コメント

  1. silver より:

     来るか?来るか?と思っていたクーマンの解任でしたが、ついに実現となってしまいました。選手としてではないとしても、ウェンブリーの英雄がこの様な形で去るのは残念です。
    別れとなればもう文句は言うまい、無茶苦茶な時期にバルセロナの監督を引き受けてくれたクーマンに感謝です。
     後任はチャビだろうと言われていますが、果たしてどうなるやら… 個人的には今はチャビよりピミエンタがいいなぁと思っております。Bの監督経験が豊富でちょうど若者が多い今のチームにはいいかも?なんて考えております。

     ラーヨは本当にいつも攻撃的なフットボールを展開します。肉を切らせて骨を断つが、骨ごと切られてしまう。そんなチームだったラーヨはマドリード勢としては個人的にお気に入りでしたが、まさか守備もソリッドになって昇格してくるとは、、、
    本当、苦虫を噛み潰したような思いです。

  2. トム より:

    クーマン解任はもう仕方ないですね。
    メッシを失ったバルサをどうこうできる力はありませんでした。

    しかしチャビを呼べるんですね。
    今のバルサの雰囲気変えるなら、それが一番でしょう。
    理想的な形ではないにしろ、チャビが来てくれれば、バルサの哲学に沿った強化はやってくれそうです。
    もちろん忍耐も必要になるでしょうが、雰囲気はガラっと変えてくれるでしょう。

    チャビが無理ならピミエンタにお願いするって感じで、クーマン後は決まってそうです。
    次の試合まで間もないだけに、早めでお願いします。

  3. かえる より:

    先ほど録画してた試合を見ました。
    終始圧倒され、ひたすら後ろに下げさせられる展開。そして打開策なし。
    これはアカンと思っていたらクーマン解任されていました。。
    バルトメウ爆弾で崩壊寸前のチームなので、立て直し期間の低迷は仕方無いとは思っていましたが、あまりにビジョンが見えないのでポジティブな未来を想像できませんでした。
    頑張ってくれた部分は感謝ですが、今はゆっくり休んで頂きたい気持ちでいっぱいです。
    あと、DAZNは実況倉敷さんだったんですね。今後チェックしていきたいと思います。

  4. そくほう より:

    セルジでしたね

  5. トシ より:

    クーマンは最近は結果が出ずに非難されていますが、去年の一番大変な時に監督を引き受けてくれた監督だったのでもう少し手厚く送り出して欲しかったです。
    シャビの就任は嬉しいですが、できれば新シーズン開幕からが理想でした。
    今の様な不安定な状況ではなく彼の望むスカッドでスタートさせて欲しかったです。

  6. しんのすけ より:

    こんにちは。クーマンにはお疲れ様ですね。
    シャビが請けてくれたというのは、かなり前から進めていたということでしょう。

    レジェンドなので、選手への強い要求が出せる監督。以前のようなキープできる選手もいないですし、前線からの相手のプレスも激しい時代。
    ポゼッションにどれくらいこだわるか‥‥。

    個人的には、すごく期待してます。2008にペップがBチームから昇格したときは、ゆうさんが、「そのカード、もっと大事に使って欲しかった」とおっしゃっていたのを覚えています。僕は期待しかないですね

  7. ゼロ より:

     タタ・マルティーノ時代に4-0で勝っていたにもかかわらず、ポゼッション率で負けたと騒いでいたクライフ主義者は結構ズレてる気がします。大差ついた試合なら試合ペースも落ち着きますし。
     それにポゼッションはバルサにとって勝つための”手段”であり、それ自体が”目的”になってしまってはなりません。ポゼッションにこだわりすぎると、ボールロストを恐れて飛び出しを控えたり無難なパスばかりになってしまい、チャンスが作れません。
     また、クライフは当時のイタリアのウノ・ゼロを批判し、数多くのチャンスを作り出す攻撃的なサッカーを目指していたので、バルサが目指すべきサッカーはポゼッションを軸としつつも、何よりも得点をとる攻撃的サッカーだと思います。(実はセティエンやクーマンバルサってポゼッション率に関してはそこまで低くないんですよね)

  8. サイ より:

    今回は、クーマン監督に全ての責任を押し付けて終わりましたが、全ての選手にも責任はあると思います。全ての選手が何せ怪我が多すぎる。人より高い給料を貰っているのですからもっとプロ意識をもって休む時はしっかり休む日頃鍛練して欲しいものです。一流の選手は怪我をしませんのでもっと全ての選手が反省をすべきだと思います。いつも試合にでてるメンツが変わらないなぁとクレから思われるぐらい努力をして欲しいです。今は数試合でてすぐ怪我ですからね。

  9. ぼこ より:

    アディオス、クマさん。
    ここの感じが優しくてちょい安心。今シーズンは積み上げのなさがキツかったもんね…。
    昨シーズンはほんとに感謝。火中の栗を拾うの代名詞とも言える就任の中、コパをとってくれた。若手を積極起用してくれた。会長不在のクラブにおいて顔になった。まさにつないでくれた。
    でも、クマさん、今シーズンの振る舞いはちょっとスネてたね…。これは分かるけどね…いただけないな。まー、普通は解任するか好みの選手補強してシーズンスタートだよね。ひでぇチームだ(笑)。そんな中、次の監督にとっては起用可能な選手を増やしたことは布石になるよ、きっと!
    けど、クマさんほんとに戦術なかったなぁ。周りのスタッフもないんすかね、クマさん引退したら彼らセットも就職先あるんすかねぇ〜。

    というわけで、クマさんおつかれ!!週5ゴルフうらやましいな(笑)

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