トップチームで初めての1試合3得点。
水曜夜のシウタ・デ・バレンシアで、決定的な仕事を果たしたのがクリスティアン・テージョでした。
前半の出来はさっぱりだったタタチームでしたが、後半に入ると別チームのように改善。サバデイの弾丸男もまたチームと共にリズムを上げ、後半だけでハットトリックを達成しています。
それをお膳立てしたのは、絶妙のボールをレバンテ守備ラインの後方スペースへと次々と送り込んでいったレオ・メッシ。バルセロナでの公式戦400試合出場に、アシスト役に回ることで形で花を添えたギガクラックですが、得点とアシストの両方あるのが彼のすごいところ。変幻自在のラストパスはお見事でした。
メッシとのリーサルコネクション
このレバンテ戦のバルサの4ゴールは全て、メッシ→テージョのコネクションから生まれています。
1つめは53分。長めのスルーパスがライン裏のスペースへと流し込まれ、テージョのシュートをポルテーロ(ハビ・ヒメネス)が弾いたところ、クリアしようとビントラの蹴ったボールがファンフランに当たってオウンゴールという、バルサにとっては幸運な得点でした。
そんな形であれ、結果は若者に勇気と自信の翼を与えます。
同点となったことでレバンテは萎れ気味になり、バルサは元気になる。続く60分にもメッシのパスによってテージョが裏へと抜け出し、豪快なシュートを思い切りよく相手ゴールへと蹴り込んでいます。ヒメネスはこれに触っているのですが、勢いの勝利というところでしょう。
クラックと弾丸男との連係はさらに続きます。
チーム3点目は80分。右サイドで粘ったメッシがファールを受けつつも素早くプレーを再開し、中央へドリブル。ここぞのタイミングでセントラルの間へとボールを通すと、テージョがこれを直接決めています。
さらに86分、メッシは今度は中央から左斜め前方へと、デフェンサたちの背後に届くボールを供給。冷静に沈めたテージョも然るものながら、レオのラストパスの多彩さとスペースを見る能力には今更ながらため息をつくばかりです。
スタンドからこの試合を見つめていたというベンゲルさんには、テージョはさらに眩しく映ったことでしょう。
「メッシが同じチームにいるのはスペクタクル」
さて、そのバルサのトップチームで初のハットトリックを達成したテージョですが、試合終了後のミックスゾーンにて次のように喜びを表しています。
「3ゴールを決められてものすごく嬉しいよ。でも試合に勝てたことがなによりも嬉しい。僕を何回もポルテーロと1対1にしてくれたメッシには感謝をしないとね。チームに彼のような選手がいることは、スペクタクルだよ」。
ちなみにクリスティアンによると、「メッシは左利きだから、僕が左から縦に切れ込む動きに、僕らはすごく慣れてるんだ」とのことです。
そして「ハットトリックは相当な自信を与えてくれるね。チャンスを掴み、それをモノにしなければいけなかったから、とても満足している」と語ったテージョは、前半ダメダメ後半改善のレバンテ戦についてこう語りました。
「僕らは序盤から激しくいった。チャンスも訪れていたし、足りないのはそれを活かすことだった。でも後半は得点機でしっかりと決められたね。レバンテは難しいチームだったよ。監督は僕らを信頼してくれた。この勝利はチームにとってかなりプラスになるだろう」
ところでゴール後にテージョがしていたおしゃぶりパフォーマンスですが、ご存知のとおり、恋人ロレーナさんのおなかの中で誕生の時を待っているカルロタちゃんに捧げるものであります。
マルティーノ「テージョはこういう試合を必要としていた」
レバンテ戦の終了後、ヘラルド・マルティーノ監督はテージョについてこう称えています。
「90分でクオリティを証明する選手もいるし、15分でやってのける選手もいる。クリスティアンは後者のタイプだよ。この試合は彼が自信を得るのに役立ったね。彼にはこういう試合が必要だった。トレーニングセッションを見ることで選手たちの状態は分かるんだ。最近のテージョは自信を持ってプレーをしていたし、爆発的だった」
もう一人の主役であるレオ・メッシにも、タタさんは称賛あるのみです。
「レオがうまく参加することによって、試合は変わるね。私たちにスペースがほとんどなく、相手チームが堅く閉ざしている時、メッシのような選手はスペースを生み出すのを助けてくれる。今日は得点こそなかったものの、決定的なアシストを3つ決めている。チームが必要とする時に現れるのがメッシなんだ」
【レバンテ 1-4 FCバルセロナのマッチレポートはこちら】
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