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来夏の補強はカンテラーノ

他所から呼べないのなら、自前で育てるのみ。

スポーツ仲裁裁判所がよほどステキな判決でFIFAの処分を軽減してくれないかぎり、FCバルセロナの次回の選手獲得は2016年の冬となります。その最終決定がFIFA規律委員会によって発表されたのは、夏のマーケットが閉じる約10日前のこと。その際、メディアは“来季の分の補強をあと10日間で実行せねば!”、“クアドラード、コケ、ロイス!”と盛り上がっていたわけですが、結局入団の運びとなったのは、すでに獲得が決まっていたドウグラスだけでした。クラブからはあと一頑張りするよとの提案はあったそうなのですが、テクニコたちがその必要はないと答えた模様です。

カンテラーノでまかなえる

9日付のSPORT紙によりますと、夏の移籍マーケットが終了する数日前、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長はアンドニ・スビサレッタルイス・エンリケに対し、クラブとしては追加で選手を獲得する経済的な準備はできていると伝えたそうです。2014年冬と2015年夏の選手入団契約を禁じたFIFA規律委員会の処分を受け、今確保してほしい選手がいればなんとかしてみるので言ってくれとの申し出です。

しかしディレクターとテクニコは会長のこのオファーを断ります。順当な額で獲得できそうな選手はバルサが求めるポジションではないし、良いなと思う選手はみんな高すぎるというのがその理由。処分を見越してこの夏はいつも以上に精力的に選手を獲得したし、ちょうど今はフィリアル(B)が豊作であるから、ここからはいっちょ彼らに賭けてみようじゃないの、と強化部門は考えました。

成熟のペースを上げる

ルイス・エンリケがカンテラーノに賭けるのはなにも、FIFAの処分があったからではありません。ミスターは監督就任会見でもカンテラ選手にチャンスを与えていくつもりであると明言していましたし、実際にプレシーズンでも若者たちを積極的に起用。ジャンプアップを期待された選手たち(パトリック、エドガル・イエ、グリマルド、サンペール、ハリロビッチ、ムニール、サンドロ、アダマ)は、バーミンガムでのステージに招集されています。カサの選手たちは元々、ルーチョの構想内でした。

ただ、このFIFAの処分によって、カンテラーノたちの育成計画に変更が生じているのは間違いないでしょう。バルサは来年の夏に補強はできないわけですから、強化したいポジションの若者たちはこれからの1年間で、“彼らこそが補強だ!”と胸を張って言えるくらいに成長ほしいところ。エンリケとスビサレッタには、タイトルを争っていくと同時にフィリアルの選手を鍛え上げていくという、難しいミッションが提示されています(これがマドリーだったらどうしているか興味あり)。

セグンダはもうサンペールには小さい

ここまではまず、やや駒不足となっているデランテロ陣(メッシ、ネイマール、ペドロ)の強化のため、ムニール・エル・ハッダディサンドロ・ラミレスに経験値アップの出番が与えられてきました。ルイス・スアレスの制裁が解けた後は分かりませんが、大きな可能性を感じる2人ゆえ、継続的に出場時間が与えられていきそうです。

その他の選手は、今後のチーム状況の変化によって違ってくるようなのですが、セルヒオ・ブスケツのバックアッパー(そしてポストブスケツ)として期待されているセルジ・サンペールが来季トップチームに昇格するのは確実でしょうし、クレとしましては是非そうあってほしいと切望します。

サンペールに関しては、MUNDO DEPORTIVO紙にこんな記事もありました。それはバルサのカンテラーノが大好きなアーセン・ベンゲルさんがこの夏、ウチに来ないかとサンペールを勧誘し、選手がきっぱり断ったというものです。アーセナルはサンペールがカデッテAに所属していた2011年にも甘い声をかけていましたが、釣られた友人ジョン・ミゲル・トラルエクトル・ベジェリンとは異なり、彼はそれを拒絶。今回は契約解除金1,200万ユーロを支払うことでのトップチーム選手としての移籍を持ちかけられたそうですが、セルジの答えは同じでした。

いまやバルサBの不動の中心選手であり(昨季は出場停止と代表招集で2試合に欠場した以外、全試合に出場)、ルイス・エンリケの熱い期待を知る選手が、カンプノウで成功する夢を捨てて移籍する訳がありません。それにトップチームに昇格すれば、サンペールはバルサ史上初めて、スクールから全カテゴリーを経てトップチームに上り詰めた初のカンテラーノ(1000%カサ育ち)となる。歴史的瞬間は日ごとに近づいてきています。

先日のサラゴサ戦でもサンペールは上々のパフォーマンスを示したらしく、敵将ビクトル・ムニョスさんも「彼はプリメーラでプレーする準備ができているだけでなく、バルサのトップでもやれるよ」と太鼓判。まあ楽しみな選手です。

(※MD紙によるとサンペールだけでなく、フィリアルのキラキラ星たちはこの夏、ことごとく他のビッグクラブからのオファーを断ってバルサでの成功への道を選んだとのこと。なんと素晴らしき哉!)

イエ、アダマ、グリマルド、ハリロビッチ

あとは左ラテラルのアレックス・グリマルドや、セントラルのエドガル・イエ、エストレーモのアダマ・トラオレあたりがトップチームに近いと言われるカンテラーノたちです。SPORT曰く、イエは怪我さえなくなれば、クラブが長年探していたスピードとパワーを兼ね備えたセントラルとなれる。アダマは爆発力は申し分ないので、戦術面の理解強化が課題。セントラルはまた近いうちに補強が不可避になるので、イエの成長には特に期待したいです。

アレン・ハリロビッチは、今のところ、新チームへの適応に戸惑っている段階のようです。プレシーズンは長くトップチームと一緒にいたため、Bチームにはまだ馴染めていない様子でして、数週間後にはフィットして大暴れ、のニュースが届くことを期待しましょう。セビージャに貸し出し中のデニス・スアレスは、、どうなりますでしょうか。

今回のFIFA処分が結果として5-10年後のバルサの礎を作っていたらいいなぁ、と前向きに期待するところであります。ファイト、ルーチョ!

 

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