線審への抗議が、当人にもチームにも高くつきそう。
2015年8月19日のバルサメディアはいうまでもなく、アスレティック・クラブ戦で線審に暴言を吐いた件で一発退場となったジェラール・ピケの話題が中心となっています。あとはそこにペドロ・ロドリゲスの移籍話が加わっている感じ。これがもしマテューの退場劇だったら幾分静かかもしれませんが、人気者のワカだけに数日はこの件で賑やかになりそうです。現時点で一番の注目点は、ピケの出場停止処分が何試合になるのか。過去の同様のケースによると4試合の出場停止が一般的らしいので、スキャンダラスな決定がないかぎりは4試合が有力そうです。
審判を侮辱すると4-12試合の出場停止
今回のジェラール・ピケのケースで焦点となるのは、いったい彼への罰がいかほどになるのか、です。処罰の基準が定められたRFEF(スペインフットボル連盟)の懲罰ルール第94項によると、“主審、副審、第4審判、役員などに対し、侮辱、言葉での攻撃、あるいは侮辱的な態度を取った場合、より重大な違反の場合を除き、4-12試合の出場停止を科せられる”と記されています。
ポイントとなるのは“侮辱”かどうか。ピケの言葉が侮辱に該当するか否かで、話は変わってくるらしく、もし競技委員会がピケの行為を“侮辱”ではなく“軽蔑”または“無礼”だと判断すればルール第117項が適応され、2-3試合の出場停止になるのだそうです(SPORT紙)。とはいえジェリのあれが“無礼”で済むとは思えない。淡い期待は抱かないのが良いでしょう。
ジェラール・ピケの件では、月曜日のアスレティック・クラブ戦を担当したベラスコ・カルバーリョ主審の報告書には、“アシスタントレフェリーの一人にクソヤロウ(Me cago en tu puta madre)と叫んだことで退場とした”と記されています。
イバン・ラキティッチは18日に参加したADIDASのイベントにおいて、「もしピケのあれがロハ(赤)なら、毎試合たくさんの選手が退場になってるよ。あまり厳しい処罰がないといいね」とセントラルを擁護。実際、あんな感じの抗議はそう珍しくもない光景ですが、報告書に書かれた時点で罰は避けがたく、あとはその記述を競技委員会のフランシスコ・ルビオ委員長と二人の委員がどう判断するかです。裁定は本日水曜日に下される予定となってます。
一方、FCバルセロナは勿論クラブとしての権利を行使し、このピケへのタルヘタ・ロハ(赤カード)に対し異議申し立てを行っています。その言い分は、“試合後にベラスコ・カルバーリョ主審によって作成された報告書での状況では、選手は副審に話しかけていない(抗議していない)のは明らか”というもの。審判報告書の不備を突いたもののようです。これでバルサの主張が認められ、ピケが罰せられないのは考えにくいですが、報告書に間違いや記述忘れがあった場合は審判も処分を受けるようなので、ベラスコ主審も“干される”可能性はあるっぽいです。
ピケ謝るも、「侮辱はしていない」
さてこの出来事の主役であるジェラール・ピケは昨日(18日)、ツイッターを通じて自らの非を詫びるとともに、伝えられているような侮辱行為は行っていない、との釈明をしています。
「線審に抗議するというのは正しい行為ではなかったので、許しを請いたい。あれはかなり緊張感のある試合だったし、僕らには多くが懸かっていた。でもいかなる瞬間も、僕は一切の侮辱は行っていない」
レモンターダを目指す試合で熱くなっていて、ついカッとなってしまう気持ちは分かる。しかしなにかと行いが目立ってしまうジェリゆえ、言動にはより注意を払わないといけません。内容が正しいかどうかは別として、報告書に書かれてしまうと覆すのはほぼ無理。他の審判への心象も悪くなります。高い授業料になったということで、今後にきっちりと活かしましょう。。
4試合が一般的
SPORT紙によると、こういった暴言に対して科せられる処分は第94項で一番軽微、つまり4試合の出場停止になる場合が多数のようです。2013年1月にアイサ・ガメス主審に「恥知らず」と言ったセルヒオ・ラモス、2012年にデル・セロ・グランデ主審を罵ったセルヒオ・ガルシアなどはいずれも4試合の出場停止(ラモスはダブルイエロー後の暴言だったので合わせ技で5試合)。ただし例外もあり、2012年3月にパラダス・ロメロ主審に向かい「この泥棒のクソッタレ」と言ったぺぺに対しては、“軽視発言”として2試合の処分に止まっています。
そういった例に倣うなら、ワカ旦那も4試合の処分となりましょう。その場合、彼はアスレティック戦、マラガ戦、アトレティコ戦、そしてレバンテ戦を欠くことになります。正直かなり痛い・・・。
これはあくまでも個人的な妄想ファンタジーなんですが、改めてこの序盤のカレンダーは“上手く作られた”ものだ、と思います。トリカンピオンバルサ→過密日程の夏+コパアメリカで南米トリデンテの調整遅れる→序盤はきっと苦戦→厄介な相手を最初にぶつける→ビンゴ!の流れ。さらにバルサに“優しくない”マドリー協会のベラスコ・カルバーリョ主審にスーペルコパの笛を吹かせたら、ピケが過ちを犯し、、まんまと罠に落ちた気分であります。あくまで妄想ですけれどね!
デフェンサがいない!
問題は泣きっ面に蜂といいますか、あるいは弱り目に祟り目、転んだ先が水溜りといいますか、守備陣のリーダーであるジェラール・ピケをおそらく4試合失うタイミングが非常に悪く、特にリーガ開幕戦はデフェンサ陣が火の車になってしまう点です(ピケを1ヶ月欠くのに良いタイミングなんてまず無いですけど)。
バルセロナはこの2試合で1分1敗(合計5-1)に終わったアスレティック・クラブとまたも試合をするために日曜にサン・マメスへ乗り込みますが、ピケだけでなく昨季の最終節で累積警告が5枚となったジェレミー・マテューを起用できず、負傷中のジョルディ・アルバ(半膜様筋)、アドリアーノ(スポーツヘルニア)も間に合わないかもしれない。ドグラスもまた離脱中ですので、ルイス・エンリケに残されたデフェンサはダニ・アルベス、バルトラ、マスチェラーノ、ベルマーレンの4人こっきりという状況です。おおお、なんともスリリング・・・。
クレの希望は、8月5日のガンペル杯(ローマ戦)で負傷し、全治10-15日と診断されたジョルディ・アルバの回復となります。今日明日で復帰の目安とされた2週間は経過しますので、アルバが戻ってくる可能性はそれなりにありそう。明日からのトレーニングに注目が集まります。
そしてもしアルバ(アドリアーノ)が日曜日に間に合う場合は、マスチェラーノの相棒をバルトラとベルマーレンのどちらにするのかとの選択肢が生まれてきます。フォームが良いならバルトラで問題なしなんですが、最近の彼はパフォーマンスが不安定なだけに心配。恋人メリッサさんとの間に昨日、娘のガラちゃんが生まれたことで、バルトラ2.0になっているかもしれないですが。
あと、デフェンサではないですが、7日あたりにおたふく風邪を発症したらしいネイマールもまた目安とされた2週間が週末で経過し、サン・マメス遠征に間に合うかもしれません。病み上がりなので出場時間は限られたものになるだろうとはいえ、とっておきのカードがベンチにいるのは心強いです。
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