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立ち上がれ。

 

ペップチーム最大のショックも、しょげるにはまだ早い。

さて・・・・このおよそ4年間におけるクレ最大のショックから1日。個人的には、地べたに突っ伏していた精神がようやくヒザ立ちまでこぎつけた、といったところですが、いつまでも項垂れている時間はありません。もし夕日に向かって走る必要があるにしても、それは水曜になってからでいい。今はこの悔しさを闘志に換え、全てが懸かったといっていいチェルシー戦に臨んでいくだけです。現場の悔しさは外野どころではないと期待したい。手負いの獅子の、誇り高き逆襲が見たいです。

 

◇「未来の懸かった試合」

きっと忘れることなどできないであろう、クラシコの敗戦から一夜明けた日曜。ペップ・グアルディオラ率いるFCバルセロナのトップチームはいつものように、シウター・エスポルティーバで体力回復&チェルシー戦への準備開始セッションを行っています。言うまでもなく、選手たちはこの痛すぎる黒星に凹んでいたことでしょう。むしろこの結果に普通にいれるほうがどうかしている。あとはそのどんよりした気持ちをどうポジティブエネルギーに変換していくかなのですが、そこはペップ。選手たちに対して、ここが踏ん張り時だぞ、のメッセージを送っています。

SPORT紙の記事によれば、ミスターから選手たちへの言葉は次のようなものだったそうです。「シーズンで一番重要な試合に、最後の努力をしてほしい。そのためには、体力を回復することや。きちんとした食事を取り、可能なかぎり身体を休め、フットボルから頭を切り離し、家族や友人たちと過ごす。そして明日(月曜)夕方のトレーニング以降は、チェルシー戦のことだけを考えるんや。この試合で、私たちの将来は決まる」

簡潔ではありますが、非常に的を得ていて、かつやる気を燃やさせるメッセージです。そして同じ記事によりますと、トレーニングセッションを終えてロッカールームへと引き上げてきた選手たちの様子は、その2時間前ほどとは激変していたのだとか。奥歯をかみ締めていたような表情、落胆ムードはどこかの空へと飛んで消え去り、絶対にミュンヘン決勝へ行くぞ!という決意がみなぎっていたというんですな。実際にこれが事実かどうかは当人たちにしか分からないのですが、是非ともそうであると信じたい。そうすることで、こちらにもふつふつと元気が沸いてくるのです。

 

◇先発リーク

またSPORT紙によりますと、土曜日にはチームにはある事件があったのだそうです。それは彼らがカンプノウでの非公開練習を行った少し後(キックオフ5時間前)にすでに、グアルディオラによるサプライズ試合案(チアゴとテージョ先発)がジョゼ・モウリーニョの元へとリークされていたというもの。ラジオマルカが実際に練習に居合わせた者のリークのように仄めかして伝え、PUNTO PELOTAという番組でも先発メンバーが報じられていたというのです。たしかに彼らヤングガンたちの起用はあらゆる予想を覆すものですから、ペップがその漏洩に腹を立てたのは当然のことです。

どこからどのように情報が漏れたのか。クラブはそのリーク元を探そうと試みましたが、大抵のそういった事例と同じように、”スパイ”は見つけ出すことはできません。ならば裏をかいてさらなるサプライズを・・・という手もなくはないかもしれませんが、どちらにしても裏の裏は表です。大きな効果はないでしょう。もしこの情報が真実であるのなら、厳しい台所事情でどうにかモウの虚を突こうとするペップの試みは、ほぼ失敗に終わったわけです。

ちなみにMUNDO DEPORTIVO紙による記事はもう少し突っ込んでいて、このリーク問題に関し、ペップがクラシコ後のロッカールームで選手たちを一喝したのだと伝えています(その元々のネタ元は、ラジオ局RAC1においてダニ・サナブレ記者が行った発言)。

マドリー系放送局が、実際のトレーニング内容などを事細かに明かしたとなれば、チーム内のうっかりさんが顔見知りの記者あたりにうっかりと秘密を語り、そこから漏れたのではないかと推測できます。例えばテージョあたりがそのうっかりさんで、それ故に”自分で責任を取らねば!”と思うあまりのあのシュートミス・・・と考えるのは可哀そうか。なんにせよペップは、その情報を漏らした人物を探しているそうであります。

 

◇ピケ、チェルシー戦で復帰へ

クラシコ後の記者会見において、ちょっとした話題となっていたのが、この大一番をベンチ観戦することになったジェラール・ピケでありました。ペップは何故ピケを使わなかったのかという質問に対し、「勝っていればジェラールに関する問いはなかった。プジーやマスチェが出ていなかったなら、同じ質問がされていただろう。ベストと思う選択を自分はしているだけだ」という回答をしているのですが、スピードと対人能力のあるセントラルに賭けた結果、高さと組み立ての部分を犠牲にしていたのも明らかでした。

そこで、火曜日のチェルシーとのイダではジェリがスタメンに復帰するだろう、との見方が有力になっています。WAKA旦那が最後に試合に出場したのは、ハムストリングスに痛みを感じ、交代を自己申告した4月3日のミラン戦。そこから3週間は怪我が治ったにもかかわらず試合に出ておらず、体力は余っている状況といえます(フォームは別といえ)。

で、ピケが先発に戻るとして、先のクラシコの内容を考えれば、引きこもってくることが間違いないチェルシーを攻めるのはアルベスをラテラルに置いた4バックの方が良さそうです。エストレーモとしてサイドに張らせるのはクエンカにして、ダニは彼と二段仕立てで右サイドを圧迫する。不明なのは左ラテラルをアドリアーノにするのか、それともカード制裁まであと1枚のプジーを使うのかという点です。マスチェラーノとプジョルがどちらもカードをもらえば、勝ち上がったとしてもファイナルは恐ろしいことになる。嗚呼、アビさんがいてくれるなら・・・(禁句)。リスク承知でダニ、ピケ、マスチェ、プジーか、それとも3バックか・・・?さてペップはどう出ますか。

ちなみにピケは、チェルシー戦の前日会見での選手代表にすでに指名されています。

 

◇チャビ 「まだ最高のシーズンにできる」

シーズン最大のビンタを食らった翌日の会見当番。こういう局面で語るのはやはりチームの重鎮さんの出番でしょ、ということで、悔しさが煮えたぎっているであろうチャビ・エルナンデス(セニョール・クラシコ)が登場しています。我らの第2カピタンが強調したのは、バルサはまだ自分たちの手によって、すんばらしいシーズンにできるという点です。「リーガはほとんど不可能になりはしたけれど、僕らは頭のチップを交換するべきなんや。火曜日にはチャンピオンズ決勝へとまた勝ち上がるための大一番が控えているわけで、僕らはファンのサポートを受け、逆転を成し遂げたいと期待している」

そして。「今はデリケートな瞬間なんかやないよ。僕たちがいるのは、希望の持てる瞬間。だって僕らはすでに3つのタイトルを勝ち取っていて、コパやチャンピオンズも可能性が残っている。両方獲ってチャンピオンズを連覇できればとても歴史的なことやし、自分たちの力で、最高のシーズンにできる状況にあるんや」

どんどんポジティブにいきましょう。チャビはさらにこうも言っています。「眠るのには苦労したけれど、火曜日のことを考えんとね。チャンピオンズ決勝進出が懸かった試合が残っているのは、僕らにとって幸運なことや。出来るものなら、明日にもプレーをしたいところやね。マドリーにカサで負けたと話すとき、僕らはスポーツ的な内なる怒りを感じる。僕らは火曜日に勝って、自分たちにもう一度決勝へ行く力があることを証明したいと思ってる。チェルシーは引いてくるやろう。それをこじ開けらるよう、スペースを探していくよ」

マドリー戦については、チャビはこう語っています。「マドリーは決定力があったし、僕らはいつものようにはチャンスを作れず、好機も活かせんかった。悪い試合ではなかったけれど、いつものレベルにはなかったね。マドリーに先制される前は、ちょっと急いでいるところがあったと思う。僕たちは攻撃に出る必要があり、ベルナベウでやったように3バックでプレーした。そしてあちらではそれが上手くいったんやけど、ここではダメやったんや。僕らには勝ちしか意味はなかったし、それを手にすることはできんかった。僕らはリーガ優勝争いに燃えていたけど、このタイトルは事実上失ってしまった。次に待つ試合のことを考えんとね」

今回もまた、負けた後のチームの有り様は、ファンを誇らしくさせるものでありました。「大きく取り上げるほどのことではないよ。僕らはすごく競争力のあるチームやけれど、負け方を知っているというのも特徴のひとつなんや。僕らはそれを、コパ決勝で証明している。勝負に敗れたときには、それを上手く消化吸収して、ライバルを称えなければならない。好いイメージを与えなければならない。ペップはマドリーを祝福したし、僕らも同じようにそうするよ。それはごく普通のことやし、それが僕らのあり方なんや」

 

 

今にして振り返ると、ここ数週間のペップ・グアルディオラの数々の発言は、チームの置かれた厳しい状況を表していたわけです。「リーガ逆転優勝はほぼ不可能」、「これから先にはより厳しい試練が待っている」、「私たちは今年、すでに勝利を収めている」、などなど。クラシコ後の会見では、「8月から要求されるレベルが高かった。ここまでの道のりは非常に遠かった」とも語っていて、相当に難しい状況の中でのリーガ11連勝、勝点差縮小だったのだと推測できます。コンパクトなチーム運営においては、いきなりの8月スーペルコパクラシコは、やはりかなりのダメージになったのでしょう。ビジャやアビダルの離脱も、コンディション作りに大きな影響を及ぼしました。

そういったなかで今回のクラシコ敗北(さらばリーガ)は大きなダメージとなりはしましたが、この傷心も、明日のチェルシー戦に勝利し、ミュンヘン行きの切符を掴むことでさっさと癒されてしまいましょう。なにはなくとも、ここがマドリー戦以上の分岐点。ここさえ突破すれば、チャンピオンズとコパのファイナルのある5月末まで、ペップチームは十分にコンディション調整を行うことができます。昨年のウェンブリーのように、ベストのプレーでマドリーあるいはバイエルンを叩けるわけです。しかしそのためには、明日の試合に是が非でもミッションを達成しなければなりません。ここさえ越えれば、あとはハッピーエンドが待っていると確信しています。

クラシコ前半のプレーから察するに、チームはきっと、この試合ではむしろメンタル面での調整が上手くいかなかったのでしょう。リークの件でも動揺があったのかもしれません。しかしここまできてしまえば、あとはもう逆に分かり易いといえそうです。引いて守ってカウンターを狙ってくるであろうチェルシーに、落ち着いて自分たちのフットボルをすればいい。後半には疲れも出てくるでしょうが、前半のうちに良い結果を出せていれば、そんな疲労感も軽減されましょう。悪い流れに心配が先行するのが一番よくない。大きな自信を持って、チェルシー戦に臨もう。今日にはまたペップが、前日会見にてバルセロニスタを鼓舞するメッセージを送ってくれるでしょう。モチベーター・ペップの腕の見せ所。行けます、ミュンヘン。ひっくり返したりましょうぞ、1-0なんて。

おっとそうそう、今日4月23日はカタルーニャの祝日、サン・ジョルディの日です。一日後になりますが、守護聖人殿!この頑張ってるペップチームに、明日はちょっとしたゴール運のご加護を、per favor!

 

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