バルサからの発表は、まだなし。
各国代表チームへと計14選手が赴いていることで、ジェラール・ロペス率いるバルサBと合同トレーニングを行っているルーチョチーム。先週末を休みとし、火曜日(1日)から活動を再開した彼らですが、なんとも気になるニュースがMUNDO DEPORTIVO紙によって報じられています。それはセルジ・ロベルトが筋肉を傷めており、12日のアトレティコ・マドリー戦(ビセンテ・カルデロン)への出場は微妙だというものです。選手は今週、グループ練習に参加していないようです。
クラブ提供映像にロベルトがいない
バルセロナのトップチームは今週ここまで、火水と2回のトレーニングを行っており、公式ウェブではチームはバルサBと合同で練習を行った、セッションには両チームの起用可能な選手たちが参加した、と記されています。トレーニングはシウター・エスポルティーバの第2グラウンドで行われ(いつもの第1グラウンドは芝の張替え中)、メディアにも非公開となっています。
この、“起用可能な選手たちが参加”というのが、不親切というか曲者で。少し前までは○○と△△が筋肉の怪我によって別メニュー調整、など具体的な記載があったのですが、最近は誰が参加しなかったのかの説明はなく、起用できる選手たちが~とだけ書いてあります。今回セルジ・ロベルトが知らぬ間に怪我をしていても、そんなふうに書いておけば、少なくともウソではないわけです。ダニ・アルベスの怪我にしても、内転筋を傷めたとの発表はあってもおおよその復帰時期の説明がなく、透明性に疑問が沸きます。
MDの記者さんも同じように思うのでしょう。彼らは公式ウェブで公開されている最初のウォームアップやロンドをしている動画を精細にチェックし、そのどこにもセルジ・ロベルトの姿がないことを見つけました。さらにクラブがアップしている練習写真(火曜40枚、水曜30枚)のなかにもロベルトは写っていないとのことで、よく調べたものだと感服します。そういえばMDが以前8月にも同様の手法で、ネイマール不在を突き止めていましたことを思い出します。
困るのは負傷が事実だった場合
そのネイマールがおたふく風邪を患っていることは、MD紙が報じた翌日に発表になったわけですが、おそらくは今日あたりにセルジ・ロベルトの件も明らかになるとして、問題はこの負傷情報が事実だった場合です。
現在ルーチョチームはダニ・アルベスが内転筋を傷めて離脱中、ドグラスもハムストリングスの負傷中、アレイシ・ビダルは1月まで起用できないということで、ジョーカー・ロベルトが右ラテラルの穴を埋めていました。その彼までもが怪我をするとなると呪われているとしか思えませんが、ルイス・エンリケはなんとか解決策を見つけ出さなければならない。しかも相手がビセンテ・カルデロンのアトレティコ・マドリーですからキツイです。同じカルデロンで、右ラテラルとしてトップデビューを果たしたマルク・バルトラの出番でしょうか。アドリアーノが間に合えば、彼でいく可能性が高そうです。
しかしなんですかね、クラブのこの不透明な感じ。どうせ明らかになることなのに、情報を仕舞っておく理由が分かりません。
ルーチョはこうしてロベルトを説得した
ところでその右ラテラルとしての評価を上げているセルジ・ロベルトが、その新しいポジションでのプレーを受け入れたかについて、2日付のSPORT紙が説明しています。それによると、常日頃からロベルトにはラテラルの資質があると考えていたミスターが、ラテラルをやってみないかと持ちかけたのは昨季の最後、バケーション前だったそうです。ルイス・エンリケはその時ロベルトに、プレシーズンではキミにラテラルをやってもらうだろう、そうすればキミはジョーカーになるし、アルベスを休ませられると言ったらしく。それが事実なら、マンチェスターUとの親善試合でドグラスが負傷したことを受けてのラテラル起用も、ただの急場しのぎではなかったことになります。
本職はインテリオールだったところを、昨季はピボーテで試されて良いプレーを示せたかと思ったら、今度はラテラルとは!セルジの困惑は容易に想像できます。最初のリアクションも、コンバートには消極的だったそうです。アルダ・トゥランは入ってくるし、オレもうバルサでは将来性ないかも。ロベルトは届いているオファーの検討を始めたそうです。
そんな選手をどうルイス・エンリケが説得したかといえば、“キミならやれる攻撃”でした。私はキミを非常に信頼している、キミならチームのプレーに幅と奥行きをもたらすことができる、キミのインテリジェンスはアルベスを上回る、キミには技術があるので連係に問題はないし、良いセンタリングも上げられるなどなど。そうしてロベルトは、じゃあラテラルでやってやるぜ!と挑戦を受け入れる決意したらしいです。
リーガ開幕節のアスレティック戦でアルベスが負傷した時、ロベルトというカードを用意していなかったなら、どうなっていたやら分かりません。ルーチョに先見の明があったことでチームは助かった。アスレティック戦と続くマラガ戦での彼のパフォーマンスは、もう何年もラテラルをこなしているかのようにスムーズで高レベルなものでした。
それだけに、ここでセルジ・ロベルトまでも負傷したとなれば痛い。MD紙の情報が間違いであることを、今回は願います。トレーニングを休んでいたのは風邪でした、もう完治しました、とかそういうオチを期待です。
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