驚異的復活を遂げた試合で、再び負傷したカピタン。
過去2度の訪問ではいずれも0-0だったエスタディオ・ダ・ルスで文句のない勝利を収めたティトバルサでしたが、そこに大きな影を落としたのは、我らの偉大なるカピタン・プジョルの負傷です。最低4週間はかかると診断された左ヒザの靭帯を2週間で治し、クラシコどころかこのベンフィカ戦で復帰を果たしたプジー。しかしほぼ勝負の既についていた75分のコーナーキックで彼はヘディングを試み、腕から落ちて左ヒジを脱臼してしまいました。嗚呼なんという不運!常に全力でいく彼の姿勢が、こんな結果になるとは残酷な話です。
詳細は検査待ち
苦悶の表情を浮かべながら、カピタンは担架車でピッチを後にしました(その際に拍手を送ってくれたポルトガルの観客さんには感謝)。怪我が怪我だけにロッカールームで処置をすることは出来ず、プジョルは速やかにリスボン市内の病院へと搬送されています。もちろん身体を動かせる状態ではないので、担架のまま救急車へGOです。救急車にはアンドニ・スビサレッタが付き添い、ロセイ会長が試合後に駆けつけました。
プジョルは病院で麻酔薬を打ち、その後に脱臼を治しています。左ヒジは動くことがないようにガッチリと固定。当初はチームとは別便でバルセロナへ帰ることになるかとも言われていましたが、最終的に彼は仲間たちの元へと合流しました。そしてバルセロナに戻ってからは、その足で病院へと直行し一泊した後、精密検査を受ける予定になっています。
現時点で明らかとなっているのは、プジーが左ヒジを脱臼しているという点だけです。それが単なる脱臼で済んだのか、あるいは靭帯にまでダメージが及んでいるのかは、更なる検査をしてみなければ判らない。もし靭帯が痛んでいて手術が必要となれば、最低でも2ヶ月間のリハビリが必要となります。オペをする必要がなく、保存的治療で大丈夫ならば、離脱期間は4-6週間になるとのメディア情報です。
さらなる結束でカピタンにクラシコ勝利を
さてMUNDO DEPORTIVO紙に”プジョルの長い夜”という記事があり、良いエピソードがありましたので紹介です。病院で処置を受けたプジョルはチームメイトたちのところへと戻るわけですが、彼らやテクニカルスタッフ、報道陣、そしてアウェイゲーム観戦公式ツアーの参加者たちはバルセロナへの帰着便が出発するのを機内で待っていました。そこへカピタンが帰還し、一行はでっかい拍手で彼を迎えたのです。鎮痛剤を打ち、吊り包帯のプジョル(実際はそのうえからポロシャツを着ている)はこの仲間たちからの愛情ににっこり。思い浮かべると、なんだか胸熱くなります。
しかしなんでしょね、この夏以降の怪我人の多さは。プジョルだけでもすでに、頬骨骨折、ヒザの靭帯伸ばし、このヒジ脱臼と3回目。彼はバケーション期間にもヒザを手術していますし、満身創痍の鉄人といった様相です。こうなると裏で呪術師でも暗躍しているのではないかと考えたくもなりますが、それはさておきポジティブに思考するなら、カピタンの負傷はチームをさらに結束させる気がします。偉大なるプジーのためにも、クラシコは絶対勝利を!日曜日のカンプノウがフィエスタとなることが、彼へのなによりの治療薬であります。
プジョルの怪我以外は、ベンフィカ戦にネガティブな話題はさほどありません。まずはアレクシスに今季初ゴールが生まれたこと。これまでの彼はなんとなく消極的に感じたので、このゲームの好パフォーマンスで自信をつかみ、暴れ始めてくれるんじゃないかと期待します。
メッシは3試合ほどゴールはないものの、代わりにアシストを連発中。推測ですが現在はややフォームを落としており(プレシーズンにフル参加の影響?)、相手のハードマークに遭ってることもあり、プレーゾーンを昨年よりも後に下げています。そして仲間をサポートすることに新たな楽しみを見出したような感もある。一方でセスクがスペースに入ってきていて、彼がゴール感覚を取り戻した以上は心配は不要でしょう。いずれまたフォームが上がれば、確実に変態ぶりを発揮してくれます。
ということでプレー以外の騒音にまみれている白いチームには、次の日曜で一撃をお見舞いしましょうぞ。調子が良すぎて落とし穴に落ちる心配も、このチームには無用。さあ、クラシコが楽しみです。
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