大エース・メッシをどのタイミングで使ってくるか。
この11月17日(火)のスペインスポーツ紙の多くは、同日に開催される予定だったものの、ベルギー政府の要望によってベルギー対スペインの親善試合が中止になった件をメインとして扱っています。試合は首都ブリュッセルのBladuino国王スタジアムで行われるはずだったのですが、テロが組織されたと伝えられるベルギー国内の警戒レベルがMAXに達したということで、安全上の理由から同国フットボル連盟は最終的に中止を選択。スペイン代表のバルサ選手たちは元々温存されると予想されていましたが、彼らが疲労と怪我から免れた点ではありがたくはあります。
レオの左ヒザ、体力ともに順調な回復
バルサ関連では、大一番クラシコがあと4日後に迫っているということで、試合に関する記事もスタメン予想などより具体的なものへと変わってきました。
連日報じられているリオネル・メッシの左ヒザについては、一週間ほど前までは“クラシコ出場はリスクが高すぎる”としていたSPORT紙も、今では“順風満帆の青信号”と出場間違いなしの見解へと大転換。まだ最終テストをクリアする必要があるものの、ヒザの回復はすこぶる順調であり(痛みも炎症もない)、体力的にもかなり戻ってきていると伝えています。
昨今は秘密主義が疑問視されているFCバルセロナの公式ウェブでも、16日のトレーニングニュースではついにレオ・メッシのグループ練習参加の様子を紹介。メッシとともにイバン・ラキティッチ(ふくらはぎ)、テル・ステーゲン(歯の手術)が全体メニューに復帰した旨を伝えました(ロンドでボールを蹴ってる動画あり)。
公式動画ではウォームアップのロンドの様子しか見れないのですが、SPORT紙の記事によると、“怪我再発の可能性を最小限度にするためには最後のトレーニングまで慎重であることが求められるものの、昨日のメッシの様子を見た者であれば、レオがマドリー戦の招集リストに名を連ねることに疑問を持たない”ところまで来ているとのこと。彼の左ヒザは失われた筋肉を取り戻しており、すでにチームメイトたちと同じリズムでメニューをこなせていると説明しています。
ということで、メッシは水曜・木曜のトレーニングでさらにフィジカル強度の増したメニューをこなし、そのハードなセッションを乗り切ることができたうえで、再発への恐怖も感じないのであれば、最終試験合格となって医療サービス部からの完治診断を受けるだろう、とのことです。
メッシをベンチで変形4-3-3?
レオ・メッシがマドリー戦に間に合いそうな目処が立ったとなれば、続いてルイス・エンリケが決断するのは、そのメッシや他の選手たちの起用方法です。出来ることであれば、ルーチョは昨年トリプレーテを達成した4-3-3でベルナベウ対決へと臨みたいであろうと想像できますが、靭帯の負傷から回復した選手をいきなり先発で使うのはリスクが高すぎる。もし怪我が再発した場合、交代枠を一つ消費することにもなり、戦術面でも賢いとは言えません。外野としてもレオの怪我が怖すぎて心臓に悪いです。
そこで可能性がより高くなるのは、セントロカンピスタを4人道時に起用することで柔軟に4-4-2へと変化するシステム。ルイス・エンリケはその策をヘタフェ戦の後半15分間とBATEボリソフ戦の前半20分で実行し、良い感触を手にしています。不安があるとすれば、実戦テストした時間がその2回だけで短い点。イバン・ラキティッチの回復は、この戦術を可能にするうえで非常に重要な意味を持ちます。
17日のSPORT紙は、この4-4-2の場合もフィジカル面を強化したバリエーションが採用されるかもしれないと見ています。それは掃除人マスチェラーノをピボーテに置き、セントラルをピケとベルマーレンで組むという案。ここ数試合はメディオセントロで完璧な試合をしているセルヒオ・ブスケツを敢えてインテリオールで使うことや、ピケの背後をマスチェラーノのスピードでカバーできないなど、どうかなぁという感じがします。
メッシを使わない場合は、ムニールを右エストレーモに起用した4-3-3よりも、今をときめくセルジ・ロベルトを活用した4-4-2(変形4-3-3)の方があり得そうです。ロベルトの運動量、仲間をカバーする動きはチームを非常に助けています。そして後半の状況を見て、ラキティッチに代えてレオ・メッシであったり、ムニールを送り出す。マルセロは間に合ってくるのでしょうが、後半にレオが待つという状況は厳しいでしょうし。
それに後半メッシ投入は、実績としても上々です。MD紙のデータによれば、レオ・メッシはバルサで途中出場した64試合で、なんと31ゴールをマークしています。平均得点率0.48。大クラックはベンチスタートでも脅威となることを示す、心強いデータです。
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