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35試合無敗の新記録!:ラージョ戦

レオ・メッシはバルサで35回目のハットトリック。

ルイス・エンリケ率いるFCバルセロナがまた新たな歴史を作りました。敵地バジェカスにてラージョ・バジェカーノに大勝(1-5)したことで負けなし記録がさらにひとつ延長され、スペイン新記録となる35試合連続無敗を達成ッ!1988/89シーズンにレオ・ベーンハッカー率いるレアル・マドリーが残していた記録を打ち破ることに成功しました。もちろんただ負けなかっただけでなく、2位アトレティコとのポイント差を8のまま維持するうえで重要な勝利。その歴史的勝利を牽引したのは、ハットトリックによってピチーチ競争にも加わってきたレオ・メッシでした。この勢いなら、メッシの大逆転得点王もあるかもしれません。

スペイン国内記録を更新

昨年10月3日のリーガ第7節セビージャ戦(2-1)から5ヶ月間、公式戦での黒星のないバルセロナ。今回ラージョ・バジェカーノにも勝利したことで、その負けなし記録はついに35にまで延長されました(29勝6分)。これはスペイン国内での新記録となるらしく、また一つマドリーさんの記録を上回っちゃって申し訳ないですね状態。国内に並ぶ者がなくなった後のターゲットは当然欧州へと向かいますから、次に狙うは1990/91シーズンにアリゴ・サッキ率いるミランが樹立した36試合負けなしとなります。日曜日にイプルアでエイバルを倒せば、これに並ぶバルサです。

もしこのグランデミランの記録をも破ることができれば、欧州の5大リーグにある連続無敗記録は二つのみとなります。リーガ第31節のレアル・マドリー戦までこの勢いが続けば、1977/78シーズンにノッティンガム・フォレストが打ち立てた40試合に並ぶバルセロナ。さらにこれが43試合まで伸びれば、チャンピオンズ1/4ファイナルのブエルタにて2011/12シーズンのユベントスに並ぶことになるのですが、ルーチョチームはさてどこまで行けますでしょうか。敗北にだいぶ近付いていたコパ1/2ブエルタ、対バレンシア戦(1-1)84分のカプトゥム弾の値打ちがここへ来てさらに上がっていますなぁ。

ちなみにバルセロナは今季、4度のマドリー遠征の全てで勝利を持ち帰っています(対マドリー、アトレティコ、ヘタフェ、ラージョ)。マドリーはバルサにとって縁起の良い都市のようで。コパ決勝(対セビージャ)もビセンテ・カルデロンなので、バルサにとって吉と出ますでしょうか。

メッシ、ピチーチ競争に加わる勢い

バジェカスにてパコ・ヘメス監督率いる勇敢なるラージョに快勝するそのきっかけとなったのは、22分から24分にかけての連続ゴールでした。そのひとつめ、イバン・ラキティッチの先制ゴールを生んだのは、ラージョの控えポルテーロ ファン・カルロスの凡エラーです。右ラテラルで先発したセルジ・ロベルトのセンタリングを一度はキャッチしたファン・カルロスでしたが、しっかり手中に収められずにポロリと落としたところを、脇にいたラキティッチが落ち着いて蹴り込み0-1に。さらにその2分後、ネイマールとの連係からレオ・メッシがネットを揺らしたことで、勝負は事実上決着したと言えます。バルサ相手のエラーは常に高く付きます。

この夜のメッシはいつも以上に活発にピッチを駆け、バルセロナの攻撃を牽引。後半に2ゴールを追加することでバルサで実に35回目(!)となるハットトリックを達成しています。レオの1試合3得点は、ちょうど1ヶ月前にルイス・スアレスとアベック・ハットトリックを決めたコパ1/2バレンシア戦(7-0)以来。リーガでは年始の第19節グラナダ戦(4-0)ぶりの快挙だそうです。つまり2016年に入って早くも3度目。ギアが上がってきました。

このハットトリックによって、リーガにおけるメッシの得点も19にまで伸びています。これはレアル・マドリーのカリム・ベンセマと並ぶ数字で、ピチーチ競争の3位タイへとランクアップ。最近ゴールから遠ざかっているネイマール(18得点)を上回ってしまいました。これにて彼より上位にいるのはルイス・スアレス(25)とクリスティアノ・ロナウド(23)のみ。この勢いで得点を積み重ねていけば、大逆転の得点王獲得も有り得そうです。怪我で約2ヶ月も戦列を離れていたのに、驚異の追い込み。

名将ルーチョ

バジェカスではまた、別の記録も達成されています。それはルーチョバルサが公式戦で早くも300ゴールを突破した、というもので、わずか2年半ほどでの303得点なんてどんだけクレイジーかと(良い意味で)呆れてしまいます。記念すべき“キリ番”を取ったのはもちろんメッシです。

ルイス・エンリケのバルサが何故これほどに得点を決めるかと言えば、ガッツが監督就任会見で目標として挙げていた、“プレーの引き出しを増加させること”、“先の読めないチームにすること”に成功したことがカギとなっています。今のバルセロナはペップ時代に比べてティキタカの正確性・速さは落ちましたが、代わりに破壊力抜群の速攻を備え、いろんな局面でゴールを奪える。どんな相手にも対応し攻略できる。そこにルーチョの闘魂が注入されていることで、逆境にも強いグループとなりました。公式戦35試合無敗、リーガ10連勝は疑いなくルイス・エンリケの手腕によるものです。

あとは試合の局面を正しく読めるインテリジェントな選手たちであること、でしょうか。ラージョ戦ではまず忍耐強くボールを回し、じわじわと相手ゴールに接近。ファン・カルロスからのプレゼントで先制するや、一気の攻めでメッシが2点目を決めて勝負の行方を決定付けました。

ルイス・エンリケ 「ブラボとトリデンテの動きがカギ」

新たな歴史を作り、名将としての階段を一歩ずつ上っているルイス・エンリケ。試合終了後の記者会見はさすがに満足そうな表情をしていたバルサ指揮官ですが、それは自分たちが35試合負け無しの記録を作ったからではなく、選手たちのプレーへの姿勢を評価しているからでした。「試合への入り方が素晴らしかったね。チームの姿勢、激しさにも満足している。バルサがこのようにプレーをすれば、自ずとゴールチャンスは生み出されるものだし、このレベルと激しさでプレーする私たちを止めることは困難だよ」

戦術的なカギとしましては、守護神クラウディオ・ブラボの働きを強調するルイス・エンリケです。「ラージョのように1対1でマークを付けてくるチームが相手の時は、自由にプレー出来るのはブラボだけだろうと私たちは分かっていた。ブラボからのロングボールが非常に重要だったんだ。その意味で、前線の三人の動きもカギだった。セントラル、ラテラル、ピボーテ、全員のプレーに私はとても満足している」

連続無敗記録に対しては、監督はいつものように大きな関心は示しませんでした。「全てのタイトルを獲得できる可能性とともにシーズン終盤へと向かって行くこと、それが一番だ。シーズンで最もステキな時期が、これから始まっていく。自分たちが何を達成できるのか、自分たちに何が相応しいのかを私たちは楽しみにしてるよ。決着の瞬間が近づいてきている」

ルイス・スアレスがまたもや失敗してしまったペナルティについては、「特に心配はしていないよ。試合がこういう結果になった時は、失敗もただのエピソードだ。私たちが改善すべき点なのは明らかだけれどね」、とのことです。

 

コメント

  1. きゅう より:

    いつもいつも貴重な情報をありがとうございます。
    チーム一丸となってタイトルの連覇に意欲満々。
    どんどんギアを上げ、神がかるバルサに期待します。前人未到の連覇して欲しいですね‼