自分はポジティブで野心的だ、と語るセントラル。
少年時代からの夢だったFCバルセロナのトップ昇格を果たし、世界最高チームの一員となってから3年半。マルク・バルトラが苦しい時を過ごしています。セントラルとしての優先順位は、ルイス・エンリケの起用法を見るかぎりはピケ、マスチェ、マティエウ、ベルマーレンに次ぐ最後尾。ピッケンバウアーを休ませる時以外は基本的に出番はなく、大一番の遠征には招集されないこともある状況です。しかし生粋の負けず嫌いであるマルクは、そんな状況にも挫けるつもりはない。「全てはどんな瞬間にも変えられる」と戦い続けていく意志を示しました。
マルク・バルトラ少年フットボルクラブ
ルーチョチームのトレーニングが休みになった13日(日)、マルク・バルトラは故郷の小さな町 Sant Jaume dels Domenys を訪れました。その目的は彼の双子の兄弟エリック・バルトラがコーディネーターを務める少年フットボルクラブ Club Futbol Base MARC BARTRA を訪れるため。エリックもまたマルクと共にラ・マシアの門下生だったことで有名ですが、現在はスポーツ科学の学位を修めた後、コーチ業に就いているのだそうです。
クラブの会長はマルクとエリックの父、ジョゼップ・バルトラさん。コーチは45人を擁し、子供たちも220人が所属(全17チーム)しているといいますから、なかなかのクラブです。
ハードに準備し、チャンスに備える
子供たちと楽しい時間を過ごした後、セントラルは取材に訪れたスポーツ紙(SPORT、MD)のインタビューに応じ、自らの今について語っています。共通しているのは、バルトラが状況はいつだって変えられると考えている点。まずはMD紙の記事から彼の言葉を紹介してみましょう。まず彼が強調したのは、出場時間が限られている中でも前向きにいることです。
「今年の僕の出場時間が少ないのは事実だね。でも僕はポジティブだし、チームが僕を必要とする時のために、野心を持って心身を良い状態に保ってるよ」
外野のファンとしましては、バルトラの競争力が格段に落ちているようには見えません。しかし序列の最後尾にいるという事は、ルイス・エンリケには何か物足りないものがあるということ。それは何だと思いますか?との問いにはバルトラは「継続性を得るためにワードワークし、万全の状態でなければならない」と応えるに止まり、具体的な例は言いませんでした。続いてエンリケとこの状況について話しましたか?との質問には、こう答えたバルトラです。
「話してはいないよ。自分が何を続けていくべきなのか、僕はよく分かっているんだ。それはとにかくハードに汗を流していくことだよ。重要なのはトレーニングを続け、報われる瞬間を待つことさ」
昨年の夏、マルク・バルトラはバルサを退団しようと思えば出来ました。しかし彼はカンプノウで成功することを諦めなかった。クレとしては嬉しいその決断の理由を、セントラルは説明します。
「僕はいつだってバルサを最優先にしてきたよ。僕はここで歴史的な瞬間、信じられないような瞬間を経験してきた。ハードな時だってあったけれどね。そういった全てが経験だし、それらによって僕らはフットボル選手として鍛えられるんだ」
「今の時点では、将来のことは考えてはいないよ。僕はこの今に集中しているんだ。しっかりとトレーニングを行い、出番が訪れた時には質の高いプレーで可能なかぎりチームを手助けすることにね」
歯を食いしばって頑張る
一方、SPORT紙のインタビューにおいても、マルク・バルトラはチャンスが訪れた瞬間のために準備を整えておくのみだ、と強調しています。「頭を高く上げ、歯を食いしばり、ハードワークを続けていくこと以外のことは考えてないよ。僕はポジティブなエネルギーに満ちているんだ」
「すべての物事はどんな瞬間にも変えることが可能だからね。出場機会を手にするために、僕は毎日ハードにトレーニングしているよ。そして出場した際に良い成果を上げられるように、フィジカルを良い状態にしておかなければならない」「世界最高の選手たちが僕のチームメイト。彼らの助言を聞き、学び続けているよ」
「士気を失わないための方法?それはチームの前にある挑戦を考えることさ。チームは全員の力を必要としているし、先には何が起こるか分からない。夏にはユーロコパだって控えているから、バルサでの事と並んでそれもまた大きな目標だよ。そういった目標があることで僕の意欲や希望は保たれてるんだ」「大事なのは日々の努力さ。セルジ・ロベルトがその良い手本。以前の彼は続けて試合に出ていなかったけれど、今はチャンスをモノにしているもんね」
マルク・バルトラにはカルラス・プジョルという心強い個人顧問がいます。「僕は相談役にすごく恵まれているし、とても落ち着いているよ。大事なのはしっかりトレーニングをして、出場した時には充実した時間にすることさ」「プジョルはすごい人。彼のような精神や身体を目指していきたいと思う」
バルトラの武器は強いメンタルです。「僕はとても野心的でね、かなりネガティブな物事の中からでもポジティブなところを引っ張り出してくるんだ。どんなことでもプラスにしていける」
若手だと思っていたバルトラも、早いものですでに25歳。バルサで成功する目標は今もなお変わりないことがその言葉からは伝わってきますが、フットボル選手としてのキャリアを考えると、そろそろ新天地での挑戦もちらついてくるでしょう。しかし苦しい状況でも弱音を吐かず、愚痴を言わない選手は素直に応援したくなりますし、チームの中心線はやはりバルサ育ちの選手に継いでほしいので、マルクの奮闘が報われることを期待し、応援したいです。フォルサ、マルク。
コメント
そうか、バルトラももう25歳か!! と驚きました。
体格的にもプレースタイル的にもピケに似ている感じがしますし、バルサの中心を担うセントラルになってほしいと思います。
確かに細かいミスが目立つことはありますが、継続したプレー時間が与えられて、未完の大器で終わらない選手になってほしいですね。
足元か空中戦のどちらかの守備だけでも抜群に強ければ監督としても使いやすいんだろうな、とは思いますね。
身長を考えると足元は任せろ!を目指すべきかなと思いますし、そうなってくれればマスチェの後任になれそうなんですが・・・。