選手たちの競う姿勢、残り全部勝てるとの信念にこだわっていると監督。
この4月20日はリーガ・エスパニョーラ2015/16の優勝争いにおいて非常に重要な一日となっています。デポルティーボ対バルセロナ(リアソール)が20時から、アスレティック対アトレティコ(サンマメス)が20時45分から、レアル・マドリー対ビジャレアル(ベルナベウ)が22時から立て続けに行われ、上位3チームのいずれかが勝点を取りこぼすかもしれないと見られるからです。全チームに言えることですが、先陣を切るバルサはとにかく流れを引き戻す勝利が必要。バレンシア戦では活かせなかった得点機をゴールに変え、力強く勝つことが期待されます。
ピケ出場停止、ラフィーニャ復帰
ルーチョチームの状況としましては、アルダ・トゥランが胃腸炎によって火曜日のトレーニングを欠席しています。わりと体力を消耗する身体トラブルゆえ、デポル戦はおそらく欠場となるでしょう。
その代わりに火曜日のトレーニング後には、内転筋の過負荷によってバレンシア戦を休んでいたラフィーニャが医療部からの完治診断を受け、出場可能な状態となりました。ルイス・エンリケが信頼を置くラファですから、リアソールではさっそく出場機会がありそうです。
重要な欠場者としては、カード累積が10枚となったジェラール・ピケが出場停止となります。マティエウ、ベルマーレンが戦列を離れている状況ですから、さすがにここはマルク・バルトラの出番到来でしょう。前日会見での監督は、このバルトラを非常に評価するコメントを発しています。ここ数日はバルサBのセントラル、ボルハ・ロペスがトップチームの練習に参加していましたが、彼はバルサBで出場停止となっているため、デポルティーボ戦で起用する事はできません。
そういった状況から、ルイス・エンリケがリアソールで送り出す先発イレブンはいつもの鉄板メンバーからピケをバルトラに入れ替えた顔ぶれになると予想されます。調子を落とし、メディアも賑わせているネイマールですが、ルーチョが彼をここで外すとも考えにくいです。
どのメンバーをルイス・エンリケが選ぼうとも、バルサがやるべきことはまず試合に勝つことです。それが自分たちのやりたいフットボルによるものなら、尚のことよし。勝つことによって後で試合を開始するアトレティコとマドリーにプレッシャーを与えられますし、エラーを誘発できるかもしれません。
バレンシア戦のような試合を希望
トレーニング終了後に行われた前日会見で最もメディアの心を掴んだルイス・エンリケのフレーズは、自らをアホウだと表現した次の言葉でした。
「ヒホン人としての遺伝子がそうさせるんだと思うんだけれど、私にはリズムや逆境が好きでね、勝つことよりも楽しんでしまう特徴があるんだ、要するにバカなんだよ。私は明日の試合を楽しみにしているけれど、この状況をひっくり返して優勝した時に私たちが費用を持つことになるパーティの想像は私には出来ない。チームの間近で苦しんでいて、起こっていることを説明することない人々を喜ばせるために私たちは優勝したいと思う。それが私のスポーツや人生の生き方だ」
そしてルーチョが強調したのは、バルサが自分たちのフットボルを続け、それによって勝つことの重要性です。「ネガティブな状況よりも、自分たちがこれまでやってきたことを見ていきたい。前節の試合など、私たちには参考となる試合が無数にあるんだ。ネガティブな状況が出来るだけ後を引かないようにしていかなければならない。必要なのは自分たちのフットボルによって状況を乗り越えることだ。バレンシア戦のような試合になってほしいと思う。こちらが効率的であるかはまた別のこととして、それは良いサインとなるだろう」
「私がこだわっているのは選手たちの競う姿勢や、残り全試合に勝てるという自分の信念だよ。巨大なプレッシャーの中でプレーすることに私たちは慣れている。ただ、もちろん改善はしていきたいし、相手チームには好機を作らせないようにしていきたい。相手チームがほとんど何もせずにゴールを決め、私たちを罰するこの特殊な状況をどうにかしなければならないね」
「チームの精神状況については解決策を捜す必要があることは理解している。けれども原因は一つだけではないし、他の仕事と同じように、幾つもの物事が積み重なって起こることだからね。不当な形で0-2とされたチームが後半は気持ちも新たにピッチに立ち、逆転を目指したことに注目したい。個人とグループの両面でプレーを改善しなければならない」
チームを責める必要なし
上位3チームがほぼ横一線になったことで、どのチームが脱落し、どのチームが生き残るか!?と盛り上がるリーガですが、目の前の試合を一つ一つ勝ち抜いていくだけ、とのルイス・エンリケの姿勢に変化はありません。
「ライバルたちの動向に興味はない。私が関心があるのはバルサのすることだけだよ。私たちは最高に難しい状況にある、それは明らかだけれど、私は次の試合に勝つことだけを考えている。手強い相手とスタジアムなので、難しい試合になるだろう。勝って自信を得ることが重要になると思う」
「デポルティーボとの過去2試合は引き分け(2-2)に終わっているので、あまり楽しい思い出ではないね。彼らは私たちに問題を起こすための手段を複数備えている。前線や後方からのプレッシングや、前線に人を残したり残さなかったりね。ビクトル(監督)がどんな決断をするかを見てみよう。こちらとしては相手が私たちに起こす以上の危険を作り出さなければならない」
そして「流れがどう移ろっていくのかを見ていこうじゃないか。フットボルはそういったものだし、人生と同じように驚きをもたらすものだ。私からチームを責めることは何もないよ。リーガで優勝するのは38試合を通してベストだったチームだ」というバルサ監督は、自分たちが優勝すると言うピケに同意しますかと訊ねられ、「もちろん。でなければ、私はここに座っていないだろう」と明言しています。
バルトラを大いに称える
外野のファンにはどうしてだか解せないほどに出番がもらえていないバルトラですが、ピケの出場停止と怪我人によって、デポルティーボ戦は先発出場が間違いないとされます。ルイス・エンリケの言葉も、マルクの先発を確信させるものでした。
「出場時間の少ない状況はどのような選手にとっても望ましいものではないけれど、マルク・バルトラはこの瞬間のためにしっかりと準備を整えてきたし、私としては彼のプロフェッショナル精神を称える以外にはないよ。タオルを投げた選手もいるなかで、彼は決して諦めなかった。彼は出場時間を手にするのに相応しい選手だ。上手くやると信じてるよ」
「選手にはそれぞれの特性があるからね。バルトラは彼が望むほどは試合に出ていないけれど、先発選手のようにトレーニングを行ってきた。チャンスが訪れた今、必要なのは自分自身を信じることだ」
メディアには刺々しい路線
元々報道陣に対しては必要以上に刺々しいと言われてきたルイス・エンリケ。最近ではバレンシア戦終了後の記者会見での、フィジカルコンディションの準備について質問したビクトル・マロ記者への応対(悪い、も意味する彼の苗字をいじったり、質問に答えなかったり)がまた話題となっていました。恣意的なニュースを流すメディアに対し、かなりの不信感があるのでしょう。このデポル戦前日会見においても、ミスターはいつもの姿勢を貫きました。
「私から謝ることは何もない。その理由は、私が誰かに対して敬意を欠いたことは一度もなかったからだ。一方でメディアは(チームの)プロフェッショナルや私に対して敬意を欠いてきたけれどね、それに関して私からは別に訂正は求めない。キミたちが私のスタイルを好きでないなら、こちらとしてはどうだっていいんだ」
ルーチョはその他にも、トリデンテを交代させない件についての質問に「コメントすることはない」と返答。それがむしろ何かあるんだろうなと想像させます。
そして以前は楽々決まっていたゴールが入らなくなった理由については、「フットボルとはそういうものだ、というフレーズがあるね。まあ各自が言いたいように言えばいいよ。もし最高の選手を擁するチームばかり勝つなら、フットボルは自分の姉(妹)と踊るよりも退屈なものとなるだろう。だから幸運なことなんだ」と回答。ユーモアと取るか、適当すぎると取るかは人それぞれでしょうが、あまり無用な波風は立てられますなよ、と少々心配にもなる我らのミスターであります^^;
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