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復活へのゴール祭り:デポルティーボ戦

トンネルを抜け出し、優勝へと走れそうだと思わせる勝利。

もうこれ以上の失敗は許されない状況で迎えたデポルティーボ・デ・ラコルーニャ戦@リアソールは、ルーチョチームを生き返らせる試合となりそうです。公式戦のここ6試合で1勝1分4敗と急激な失速をし、リーガでのここ4試合で獲得した勝点はわずかに1ポイントだったバルセロナ。バレンシア戦ではゴールチャンスを作りながらも傷ついた自信によってシュート時の狂いが生じ、苦杯を舐めることになっていました。そこでこのデポル戦ですが、相手守備の緩さも手伝って、早々に先制点を奪えた事でスアレス祭りが開幕。うっ憤を晴らすゴレアーダにより、バルサを包んでいた重いムードは吹き飛んでいきました。

メリットの多い快勝

このリアソールでのゴール祭りは、多くの点でバルサにとっての恵みとなることでしょう。リーガの首位を保ったまま、残り試合を一つ減らせたこと。この数週間チームの周りに漂っていたクライシスムードを消し、希望の光を灯せたこと。タイトル争いのライバルたちにバルサはまだ死んでおらず、優勝への強い意欲を持っていると示せたこと。そして選手たち自身の心の傷を癒し、自分たちへの自信を取り戻せたこと。スポーツにおいてとりわけ重要なのは、最後の自信でしょう。

クラシコ敗北後のアノエタ訪問はタイミングとして最悪でしたが、ここでデポルティーボと当たれたことは、バルサにとって適時でした。リーガ前半戦で稼いだ貯金によって降格の怖れはほぼなくなり、さほど闘志の感じられなかったガリシアチーム。そんな相手に容易にゴール前まで迫られていたバルサの守備は問題ありですが、バルサが攻める際にはさほど圧力もなく、必殺スアレス&復調メッシによって次々に穴を開けられていきました。

スアレス大暴れ

ゴール祭りとなった最大の立役者は、言わずもがなのルイス・スアレスです。バレンシア戦では決定機を活かせなかったルイシートでしたが、この日は4ゴール3アシストと漫画のような大活躍。最初の好機を逃すことなく、11分で先制できたことが流れを引き寄せる点で非常に大きく、そこからは冴えていたメッシのアシストパスと併せてやりたい放題の様相でした。トリデンテに連係が戻ってきたことは、残る4つの“決勝戦”を戦い抜く上での強力な武器となります。

もちろん、この大勝によってバルサの問題がすべて解決されたわけではないですし、無失点としたもののシュートを16本も許したことは忘れてはいけません。デポルの攻撃陣にあと少しパンチ力があれば2-3失点し、もっと苦労していた可能性もあります。

それでもこの0-8はチームを復活へと導く貴重な勝利となりましょうし、バルセロニスタに希望を呼び戻す良い勝利なのは間違いないです。久々の出場で序盤は危なっかしかったマルク・バルトラも、最後はデランテロかと思わせるドリブル中央突破でゴラッソを決めました。なにより彼は気迫が良い。何故こんなに出番がなかったのかよく判りませんし、マスチェラーノピケを休ませるオプションとしてもっと有効活用すべき選手でしょう。あとはネイマールが復調してくれれば、より国内二冠への自信となるのですが。

ルイス・エンリケ「今日は効率性がずば抜けていた」

試合終了後にリアソールの記者会見室に姿を見せたルイス・エンリケが強調したのは、デポルティーボ戦でのチームのパフォーマンスはバレンシア戦のそれとさほど違いはなく、大きく異なっていたのは効率性だ、という点でした。

「チームを救う勝利になるかどうかは分からない。試合内容はバレンシア戦と非常によく似たものだったし、(前の試合も)私たちはすばらしい仕事をしていたからね。今回の私たちが根本的に異なっていたのは、信じられないほどに効率が良かった点だよ。このスポーツはすごく特殊なんだ」

この試合の私たちは無数の得点機を作り出し、ピッチ中央ですばらしいパスを回していた。それはバレンシア戦でも同じだったんだ。けれども結果はご覧のとおりだ。フットボルはそういうものだよ。私たちは非常に良い試合をして、勝った。失点も喫しなかった」

「失点することなく、確実な勝利をモノにする。そういう勝利を私たちは必要としていた。私たちは引き続き、すばらしいチャレンジに立ち向かっていくことになる。そのうえでこの勝利は大きなカギとなるだろう。しかしリーガ優勝するためには34節時点ではなく、38節終了時点で一番でなければならないからね。試合はまだあと4つ残されている。難しい戦いとなるだろう」

ルイス・エンリケはまた、デポルティーボの不甲斐なさにご立腹気味の地元記者に対し、次のようにコメントしています。「どの試合でも、勝利は手にしたものの功績なんだ。私たちが勝ちに相応しかった。デポルティーボはとても良い試合をしていたよ。彼らはボールの出所に圧力を掛けようとしていたけれど、カンプノウでしたようにセントラルには行かず、ブスケツだけだった。私たちはサイドを使い、ボールを上手く回し、中盤でレオが優位な状況を生み出していた。私たちはビッグチャンスで的を射ることが出来たし、先制点が決まってからは全てがこちらに有利に運んだよ」

チームが快勝によって悪い結果の連鎖から抜け出したこと、帰郷便のあれこれで会見の時間が制限されていたらしいこと、限られた質問時間の中では監督を不愉快にさせる質問も出てこなかったことで、落ち着いて試合を分析し、穏やかに会見を終えたルイス・エンリケでありましたとさ。とりあえずはめでたし、めでたし。そして次もこの感じで行きますように。

 

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