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ルイス・エンリケ「重要なのはメンタル」

ここまでくればカギとなるのは肉体よりも心だ、とバルサ監督。

今週末のリーガ第37節の一試合、デルビー・バルセロネスにRCDエスパニョールは大きな意欲を持って臨んでくるでしょう。前節終了時点で勝点40を確保し、降格圏までは5ポイント差と、残留はほぼ確実にしているペリコたち。よってモチベーションとてはむしろ、街のライバルであるバルサを邪魔することの方が大きそうですし、勝たずとも引き分けることでクレに悪夢を提供できるとあれば、全力で9年前の再来を狙ってきそうです。もちろんバルサとしましては、そんな相手の思惑は跳ね返して勝点3を得なければならない。こちとらタイトルの懸かった“決勝戦”。背負うものが違います。

“タムダッソ”という悪夢

タムダッソ Tamudazo”は2006/07シーズンの同じくリーガ第37節に起こった、バルセロニスタにとって思い出したくもない出来事です。この年のリーガも今季と同様、1ポイントを争う心臓破りの優勝争いが展開されていました。残り2試合の時点で、ライカーバルサカペッロマドリーの勝点はどちらも72。今と異なっていたのは直接対決の結果(2-0、3-3)により、マドリーが首位に立っていたことです。

その9年前のデルビー、経過は順調でした。ラウール・タムードに先制を許したものの(29分)、ハーフタイム前にレオ・メッシが豪快にハンドで同点ゴールを決め、56分にも逆転弾をねじ込むなど、試合はバルサ有利に進行。さらにラ・ロマレダからはサラゴサがマドリーを2-1でリードしているとの報せも届く、クレにとっては申し分のない展開だったのです。このままいけばバルサが白組に勝点差3を付けるのは濃厚で、リーガタイトルがぐいぐいこちらに近付いてきている、との感覚がバルセロニスタにはありました。

しかし…… 89分、突然の“タムダッソ”によってバルサは奈落へと落とされます。イバン・デラペーニャからのアシストを受けたラウール・タムードがライン裏へと抜け出し、前へと詰めたビクトル・バルデスの横を抜くシュートを決めて2-2の同点に。加えてその数秒前にバン・ニステルローイもまたネットを揺らしていたことでバルサとマドリーの順位は動かず、最終節の快勝(ジムナスティックに1-5)空しく、ライカーチームはタイトルを逃したのでありました。そしてカペッロマドリー優勝を後押ししたことにより、このタムード弾はいつしか“タムダッソ”なる呼び名を貰ったわけです。

前日会見にてその“タムダッソ”について訊ねられたルイス・エンリケは「数年前に起こったことなんて私は全く覚えていないし、興味もないよ。私が関心があるのはピッチ上で私たちがエスパニョールを上回り、勝利に相応しい試合をすること、それだけだ」とスルーしています。

試合に集中すること

なんだかんだでデルビーなるものは「他とはまた異なった特別なあれこれがある試合だし、残り2節となって各チームが勝点を必要としていることがさらに状況を難しくする」と述べたルイス・エンリケ。彼はマドリーに対する時とは別人の如く闘志をむき出しにしてくるインコ(ペリコ)たちを破るために必要なものを問われると、体より心であるとの考えを語りました。

「間違いなく、メンタルが非常に重要になる。どの試合でも頭の働き/理性は重要だけれど、コンペティションが進むにしたがい、頭がカギとなってくるんだ。そして試合を戦うためには、ベストコンディションとなっていることも求められるね」

バルサとエスパニョールはコパを含めて今季3度対戦していますが、それらのデルビーは参考にならないとルーチョは言います。「それらの試合を語ることに興味はない。両監督は同じだけれど、今の彼らが4-1-4-1でプレーするのに対して、前回の彼らは4-4-2だったからね。デルビーだから、通常よりハイテンションな試合になるかもしれない。私たちがすべきはこちらの長所であるフットボルに集中することだよ。試合に懸かっているものを私たちは知っているし、ファンもまた観客席からチームを励ますことの重要性を知っていると私は信じている。最高の雰囲気となるだろうね」

「デルビーが激しくなることは気にしていない。私が心配しているのは、チームがフットボルに専念すること、それだけだよ」

精神面に関しては、デリケートな瞬間においてはフレッシュな精神が必要との問いに対し、バルサ監督はこのような見解を語っています。「デリケートな状況、ということは全くないんだ。ネガティブな状況でもないし、むしろその逆に私はいつもポジティブな側面から物事を見ている。私たちは確かにアドバンテージを失いはしたけれど、それは他チームが勝ってきたからだよ。それにハッキリしているのは、マドリー戦とバレンシア戦では内容が違っているということだ。マドリー戦から改善されたことはたくさんある。それにフットボルはとても気まぐれなものなので、バレンシア戦では私たちが相手をかなり上回っていながら、試合には負けた」

今節での優勝確定もありえる

この日曜日は、非常に少ないと考えられるものの、バルセロナのリーガタイトルが確定する確率はゼロではありません。バルサがエスパニョールに勝ち、かつアトレティコが最下位レバンテに敗れ、マドリーがバレンシアと引き分け以下なら、数字上バルサの優勝が確定するのです。「もちろん、私たちはカンペオンになれる。この節でカンペオンになれるのは、私たちだけだね。どんな事だって起こりえるわけだから、これがないってこともないだろう?それもまた、選択肢の一つだよ。まあなんにせよ、私たちはカンペオンになるために必要な勝点3を得ることに集中していくさ。順位表の最上段にいるのは私たちだからね」

チャンピオンズ決勝進出を決めたマドリー勢が、リーガで揃ってすっ転ぶなんて事案が発生すればバルサとしては最高ですが、シメオネチームがすでに降格の決まったレバンテに敗れることは考えにくい。こちらがレースから脱落してしまっては元も子もないので、他会場の結果も気にしつつ、ルーチョチームはデルビーにとにかく勝つよう前半からギアを上げていきましょうぞ。そして何が起こるかを待つ!良い週末となりますように!

 

コメント

  1. silver より:

    メレンゲチームはともかくとして、アトレティコが勝ち点を取りこぼす確率はほぼゼロでしょうね…
    そのためにも、残り2試合は何としても勝たなくては!!!

    しかし、エスパニョールなんて野蛮な連中が相手ではいい気がしませんね。フットボール選手と呼べるかも微妙な連中ですから、バルサ選手達が怪我なく勝利を掴んでくれるように応援します!