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ピケ「マドリーは映画を編集している」

自分たちのプレーが出来れば、国王杯は獲れるとセントラル。

バルサのリーガ優勝を祝う市内パレードでバルセロナの街が幸福感に包まれた翌日(月曜日)、そんなことを大きく取り上げたくないマドリー応援新聞ASの表紙は彼らのフランス人監督が飾りました。見出しは“シダンは彼のリーガで優勝した”。シダンがベンチに座った後半戦20試合はレアル・マドリーの勝点が53だったのに対し、バルサが49だったことを強調してのことですが、そういったマドリー系メディアに対し一言チクリと刺したのが“バルサの広報官”であるジェラール・ピケです。会見当番を担当したジェリは言います。「彼らは(自分らの良いように)映画を編集してるね。僕らは自分たちの道を進み、ミュージアムにトロフィーを増やしていくよ」

50年間出てこないであろう世代

バルサが逆の立場だったなら、カタルーニャのスポーツ紙もマドリーの優勝やパレードは極力スルーするのは確実ですから、両陣営の“映画編集”はごく普通のことです。セントラルもそれは承知してますから、「全てが始まって以降、それぞれが己の道を進んでいるからね。僕らは僕らの、彼らは彼らの道を進んできたんだ」とコメント。バルサがたくさん勝つことで一部方面にフラストレーションを生むかの問いには、こう答えました。

「僕には分からない。毎回同じチームが優勝することには誰も興味を示さないから、こういう覇権がある時は人は新しい勝者を求め、別のチームが勝つことを期待するものだけれどね。僕らがすべきことは、目一杯楽しむことさ。8年前に来てから僕はいつだって子供のように楽しんできたし、引退するまで勝ち続けていければと思ってるよ」

「マドリーとバルサの違い?選手のタレントが違いを作ってると思う。ここ数年の僕らは、並外れたジェネレーションが同じチームに集まってきたからね。これだけのタレントが揃うことはもう半世紀は起こらないだろう

マドリーがチャンピオンズを獲ったとしても、僕らが手にした成功の価値を無くすことにはならないさ。ドブレーテを達成できるなら、僕は毎年それでOKとするだろう。もし彼らがチャンピオンズを制するなら、同じようにそれを祝福しないといけない。僕はチャンピオンズ制覇のほうが手柄が大きいとは思わないよ」

「リーガを獲ったことで、(成績評価の)“良”はもらえた。これにムンディアル・デ・クルブスと欧州スーパーカップを加える必要があるし、もしコパも獲れれば、評価は“優”となるだろうね。チャンピオンズのタイトルは常に期待されるものだけれど」

難敵セビージャ

この会見でジェラール・ピケは様々な質問に回答しており、日曜日に国王杯のタイトルを競うセビージャについても語っています。前人未到のヨーロッパリーグ3連覇を、この会見の数時間後に達成するセビージャは強い。ジェリはそう警戒しています。

かなり難しい決勝戦になるだろうね。セビージャはいつも僕らを苦しめてくるし、競い方が上手くて二つのファイナルへと勝ち進んだチームだからね。それは称賛すべきところだ」

「ヨーロッパリーグ決勝をプレーすることで、彼らが疲れて試合に臨むことはないと思う。セビージャには3日間身体を休める時間があるからね。僕らは自分たちのことに集中し、良い試合をしなければならない。もし僕らが実力どおりプレーできれば、僕らが試合に勝つだろう

バルサの今季はセビージャとのスーパーカップで始まり、セビージャとのコパで終わる。奇妙な縁のあるエメリチームです。「試合はスーパーカップと似た展開になると予想してるよ。セビージャも僕らも自分たちのスタイルに忠実であり続けてきたチームだ。8月の時点ではどちらもエンジンがあまり回ってなかったのに対し、今はおそらく回りすぎてるという違いはあるけれどね」

「チームは心身の両方で良いレベルにあるよ。僕らは失点をすることなく、たくさんゴールを決めている。リーガ優勝も多いに士気を高めているんだ。高い意欲をもって試合に臨んでいくよ」

サイクルは終わる。次世代の中心となるべきはカンテラーノ

ペップ・グアルディオラが監督となって以降の8年間、バルセロナは時に苦汁を舐めながらも、こうして競争力を保ち、タイトルを獲得し続けてきました。それによってクレのメンタルは大きく変化した、とワカ旦那は説明します。

僕らは勝者のチームになったよね。明らかなのはそれによって人は勝ち慣れてくることで、おそらくは勝つことによる喜びも減ってくるんだ。でも僕らは勝ち続けることに喜んでいるし、自分たちが成し遂げてきた事を誇りに思っているよ。8年で6回リーガ優勝するなんて、とんでもない事。このクラブの誰もやった者はいなかった事だからね」

しかし残念ながら、いつまでも勝ち続けられるチームは存在しない。諸行無常 盛者必衰、バルサもいつかは負ける日が来るとジェラール・ピケは言います。

サイクルはいつか終わりを告げるし、僕らが勝てない年も来るだろう。その時僕らは再び、勝つことを評価するようになるだろうと思う。今の僕らのようなリズムに持ち堪えられるクラブはどこにもないんだ。この勝者のサイクルが出来るかぎり長く続いていくことを期待してるよ。次の世代が勝ち続けていけることもね」

「そのためには?いろんな要素があるけれど、ラ・マシアからタレントが輩出されるべきだよ。カサ育ちの選手が先頭に立っていくべきなんだ。外部の選手が来て、去って、彼らが違いを見せるとしても、カサの人間よりクラブを愛する者はいないわけで。土台になるのはカンテラだよ」

唯一無二のジェネレーションとされるこのバルセロナ。その中心であるレオ・メッシがデビューして12年、アンドレス・イニエスタのデビューからはすでに14年が経つわけです。セルヒオ・ブスケツは今年で8年。次世代の柱となるべき選手がそろそろ出てきてほしいところですが、、怪物級はまだ現れてはいません。10代でトップデビューしてそのままチームに残ってしまう選手、早く出てきますように。

 

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