突然バルサメディアに登場したウルグアイの新星。
二日前、突然降って沸いたようにバルサ系メディアに名前が登場したのがUDラス・パルマスのウルグアイ人セントラル、マウリシオ・レモスです。この冬のマーケットでルビン・カザンからラス・パルマスへと移り、リーガデビューを果たしたばかりの若手(20歳)ということで、知名度は低め。ルイス・エンリケがこれまで好んできた選手はリーガ実績のある選手が中心だったので、やや意外な人選といえます。まだ無名ですが潜在能力は高いと評価されるこの若者。どうやら即戦力ではなく、数年後の大成を目論んでのオペレーションのようです。
最初のオファーは拒否
バルサのセントラル補強候補の中にマウリシオ・レモスの名前が現れることは、これまで一度もありませんでした。それが突然ごばっと水面に浮上してきたのは、カナリア諸島のCanarias7紙が情報をすっぱ抜いたことに起因します。これにバルセロナのSPORTやMDが揃って食いついたのは、火曜日でネタ的にヒマだったのに加え、それなりの現実味があったからでしょう。
水面下で行われていた交渉が表に出てきた場合、そこから早いピッチで完了に至るケースは珍しくありません。ただ、このレモスの件もそれに該当するかといえば、直感としては微妙。さくさくまとまりそうな気配はあまりないです。
マウリシオ・レモスは欧州初挑戦となったルビン・カザンでは、ロシアの寒さと言葉の違いに適応できず鳴かず飛ばずだったようです。それで故郷に戻ろうかとしていたところをラス・パルマスに見つけ出されて、この冬のマーケットでレンタル移籍。数週間の適応期間を経て、最終的には黄色チームの守備の要になりました。
そしてつい先日買取オプション200万ユーロが行使され、カナリアクラブの正式な一員に。契約期間は2021年まで、契約解除金は3,000万ユーロとなっています。そのセントラルに対しバルセロナは、Canarias7によると倍の400万ユーロ+出来高最大800万ユーロをオファーしたそうですが(他のメディアでは合計最大1,000万ユーロとも)、UDラス・パルマスのミゲル・アンヘル・ラミレス会長は「全くもって不十分」との理由で拒否。もっと良いオファーを持ってきてくれ、というところでしょう。
体格が良く、技術も高い
マウリシオ・レモスは186cmと身長があり、見たところガッシリした体格をしています。しかし彼はフィジカルがただ強いだけではなく、SPORT紙が言うにはボールの扱いにエレガントさがあって攻撃の起点となれる選手だとか。パスの上手さはバルサのセントラルとしてまず求められる要素ですし、スペイン経験わずか10数試合でこうして補強ターゲットと報じられるのですから、かなりのポテンシャルなのでしょう。各メディア情報によると、バルサはラス・パルマス移籍前からレモスに目をつけていたそうです。
ラス・パルマスであと1年
潜在能力は十分な宝石の原石。とはいえ、原石は磨かなければ光りを放てず、現時点でバルサに入団してトップチームでやっていけるかといえば時期尚早でしょう。ということでバルセロナはレモスを獲得できた場合もすぐにルーチョチームに組み込まず、1年間ラス・パルマスにレンタルすることでリーガ経験を積ませ、成長を促す考えだとSPORT紙は言います。
もう1年ラス・パルマスでプレーすることは、選手にとってもカナリアのクラブにとっても、バルセロナにとっても有益となるでしょう。しかし交渉成立のためにはバルサはラス・パルマスが満足するだけのオファーを提示せねばならず、そこにまず大きな努力が必要な上、ラス・パルマスは自分たちよりも先にバルサが選手側に接触した事に対して不快感を抱いているそうです(だからこそ彼らは買取オプションの行使を急いだとSPORT紙)。一方でバルサ側は、この新契約によって交渉が難しくなったわけですから、結んだ選手側には快くは思っていないとのこと。いずれにせよ話し合いは簡単ではなさそうです。
このマウリシオ・レモスの件も、現れては消える他の選手たちのウワサのように、今後はもう出てこない、、なんてことも考えられます。バルサの補強としては類のないパターンゆえ、本当に上手くいくのかと思いもする。しかしなんとなくですがニュースとしては続いていくような気がして、取り上げてみましたがどうなりますでしょうか。
そしてマウリシオ・レモスが即戦力としての補強でないなら、今年の夏にはもう一人、ピケやマスチェラーノとレギュラーを競えるセントラルを獲得することになります。マルク・バルトラの状況は相変わらず厳しそうです。
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