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頼みの綱は、イニエスタ

チーム復調への起爆剤として期待がかかる。

0-2で快勝したセルティック・パークを除けば、1点差による勝利か、引き分けと負けを繰り返しているこの1ヶ月のFCバルセロナ。それはちょうど、負傷によってアンドレス・イニエスタが長期離脱を余儀なくされた時期と重なります。パスフットボルとカウンターの融合を特徴とするルーチョチームですが、肝心のパスは中盤にドンがいなければ効果的に回らない。4日後に迫ったカンプノウクラシコで好調ジダネマドリーを打ち破るためには、イニエスタの復帰に望みを託すしかないという雰囲気になっているバルセロニズモです。怪我明けの彼には、あまり負担をかけたくなかったのですが、そうも言っていられないのが申し訳ないといいますか…。

完治診断は時間の問題

あのバンガール時代以来、久しぶりに“魔の11月”なる言葉がしっくりとくる今日この頃。重たくなってきたムードを吹き飛ばすためには、文字どおりに起爆剤が必要な状況のルーチョバルサにおいて、その適役として期待されているのがアンドレス・イニエスタです。

10月22日のバレンシア戦で右ヒザ外側靭帯を部分断裂させられた時には、12月3日のレアル・マドリー戦はおそらく間に合わないと見られていたカピタンでしたが、その後の回復は非常に順調でした。先週金曜からはグループ練習にも加わるようになっており、今ではSPORT紙もMD紙も、イニエスタがクラシコに先発出場するだろうとの見解で一致しています。早ければそろそろ、医療部の完治診断が下りる模様です。

SPORTはさらに、ルイス・エンリケは可能であればアンドレスを明日の国王杯エルクレス戦で少しだけ暖機運転させ、マドリー戦にはより仕上がった状態で使いたがっていた、といいます。しかしイニエスタは昨季のコパ決勝(対セビージャ)の89分に累積3枚目となるカードを受けており、出場停止で起用できないようで。もし忘れて使ってしまうと、失格敗退。そんなクラブがたしかどこかにありました。

なんにせよ、フットボル面のみならず精神面においてもアンドレス・イニエスタの復帰はチームにとって大きな支えとなるでしょう。本来であれば、33歳のイニエスタには負担をかけず、勝負を決めた後半にデニス・スアレスあたりと交代で万雷の拍手を受けながらの再登場が望ましかったのですが、、、

ウンティティはコパで復帰か

ドン・アンドレスとともに、チームを元気にするべく戻ってくるのが、“ビッグサム”ことサムエル・ウンティティです。フランス代表セントラルのまた、今日にでも医療部の完治診断を受けておかしくない状態らしく、コパの招集メンバーとしてアリカンテへと行くと見られています。

明日のエルクレス戦でルイス・エンリケは、右足首にダメージを負っているジェラール・ピケを休ませるでしょうし、昨季のコパ決勝で一発退場になったハビエル・マスチェラーノも強制的に欠場となります。そしてジェレミー・マティエウは、1ヶ月前に全治3週間と診断された右ふくらはぎの怪我がまだ回復していない。つまりルーチョが明日起用できるセントラルは、グラスゴーでバルサデビューしたマルロン・サントスと、このウンティティくらいしかいないわけです。

ウンティティがアリカンテで無事任務を遂行し、マドリー戦に向けてリズムを上げるのは好ましいですが、どうか怪我の再発なんてことにはなりませんよう。実にスリリングです。

バルサスタイルを取り戻せるか

アノエタでのバルサが残念すぎた理由は、結果云々よりも、フットボルの内容が望まれるスタイルとあまりに異なっていたからです。バルサBを成績不振で更迭されたエウセビオ・サクリスタン率いるラ・レアルのほうが、よほど魅力的なフットボルをし、彼らが勝点3を得られなかったのがお気の毒になるほどバルセロナはひどかった。イニエスタウンティティが復帰することによって、スタイルもまた取り戻すことがまず求められます。

レアル・ソシエダ戦で発生した問題の多くは、中盤の欠如に由来するであろうことは素人目にも思いつきます。バルサの中盤はラ・レアルのプレッシングに対応できず、パス失敗を連発。ルーズボールはことごとく相手側に渡り、こちらのプレッシングは小気味良いパス展開であっという間に引き剥がされていました。ゲーム後半ならともかく、序盤からバスクチームのスピードに付いていけなかったのは、なにが原因なのか。蓄積した疲れか、アノエタへの苦手意識から生じる行き過ぎた慎重さか。

アノエタでの戦術的な問題として、MD紙は両ラテラルがオヤルサバルベラへの対応に追われたことを挙げています。それによってセルジ・ロベルトジョルディ・アルバが前に出られず、中盤は数的有利を作れない。ロベルトのボール喪失は14回、アルバは13回だそうで、ラ・レアルのハイプレスから逃げるべく最後列から送られたボールが、ラテラルで奪われているのが分かります。さらにテル・ステーゲンがロングボールを余儀なくされ、18回もボールを相手に渡していると。それだけ中盤でボールを収められなかったわけです。

イニエスタウンティティが戻ることで、このあたりは改善されると期待しますが、それに加えて良いポジショニングをすばやく行えるようになっているかどうか。ヨハン・クルイフへ勝利を捧げるべし!と意気込んで逆にさっぱりだった昨季のカンプノウクラシコの記憶が新しく、まだあまり楽観的になれない11月29日、バルサ117回目の誕生日であります。

 

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