法の解釈を巡ってごたごた。
ネイマールのクラシコ出場可否を巡る駆け引きが、混迷を深めています。今月8日のリーガ第31節マラガ戦でカードを2枚もらい、退場の際に第4審判へ拍手をしたことで1＋2＝3試合の出場停止を受けていたネイマールに関し、FCバルセロナは処分の一時保留を求めてスポーツ行政裁判所（TAD）へと控訴。これを受けてTADはバルサに対し“競技委員会の下した処分は有効である”との書面を返したのですが、行われるべき審議会が開かれなかったことでバルサは公式な決議はまだ出ていないと判断し、ネイマールをマドリー遠征メンバーに加える考えを示しています。
通常審議会終了後に嘆願の提出
FCバルセロナはまず、RFEFの競技委員会が4月10日（月）に下したネイマールへの3試合の出場停止を不服として、上訴委員会へと異議申し立てを行いました。これに対し上訴委員会は20日（木）、競技委員会の考えを支持し、バルサの訴えを却下。ここまでは想定された流れですが、事がもつれたのは、バルセロナが最終手段として起こしたスペイン行政裁判所（TAD）への処分一時保留を求める訴えのタイミングが微妙だったことです。
MD紙によると、バルサがTADへと嘆願書を提出したのは21日（金）午後、裁判所の審議会が終了した後、クラブ声明によれば16時08分です。これは嘆願書の提出期限内であるため、手続き自体は合法的なものとなります。さらにこのネイマールケースは法の適応に関する前例となりうるので、バルサは前もってRFEF（スペインフットボル連盟）の法律部門へと相談をしている模様です。
なんでも連盟の規約とその上位にある法令との間には処罰の効力発生時期に関する矛盾があり、連盟からはバルサへの回答ができなかったためにクラブはTADへと話を持っていった云々です（参照元）。
ただしTADの審議会終了後に陳情書を提出したのは敢えての行為で、もしTADの決議が出なければ、行政的な決議がなければ処分は保留となる法令が機能し、自動的にネイマールが日曜日のクラシコに出場可能になると知ってのことだと言われます。法の隙間を利用した裏技ですな。
場外バトル
それによって週末に緊急の審議会を開かねばならなくなったTAD。しかしながらTADのエンリケ･アルナルド委員長はメンバーの2人の所在がつかめないとして臨時審議会の招集を行わず、バルサに対してネイマールはマドリー戦に出場できないとの書面を送っています。
イサーク･フォウト記者がツイッターで明かした書面によると、TADは土曜日の午前中に臨時の審議会を開こうとしたけれどもメンバーが揃わず実現できなかったこと、バルサは土曜ではなく金曜日に回答を求めるようすべきだったこと、陳情書の中では選手の出場の可否を明らかにしてほしいとは書いてったものの処分の一時保留は一切要望されていないことなどが説明され、最後にバルサが根拠とする法令に反して訴えによって処分の実行は停止されないとの見解が示されています。
で、、、このTADの文書に対するFCバルセロナの答えは、審議会を経なければ正式な決定にはならない、というものです。クラブは公式声明として、”クラブがTADに求めたのは決議文であり、選手の処分が確認される場合は補助的に処分一時保留が与えられることだ”と、エンリケ･アルナルド委員長の文書に反論。委員長個人の見解は公式な判決ではなく、”TAD委員長が当然の手続きを全て省略して私見を出すことに驚いている”、“FCバルセロナはTADの決議を待ち続けている”と述べ、“公に意見を述べている委員長が影響を及ぼさないよう、彼の審議への不参加を期待する”としています。
リスクのある判断
ということで、この日曜日にルイス･エンリケが発表するマドリー遠征メンバーにネイマールも含まれることだろう、と各メディアは伝えています。バルサ監督の前日会見でのコメントは、「ネイマールがいるにせよ、いないにせよ、試合への準備は整えている」。ぎりぎりまで事の進展を見て最終決断を下すようです。
そしてもしTADがだんまりを決め込んだ場合は、バルサは規約違反になるリスクを冒してもネイマールを出場させるのかどうかを決めなければなりません。法令では認められると考えられても、なにせ相手は●●な権力機構･･･ レアル･マドリーが違反行為だと告発するのは確実でしょう。
そんなこんなで場外戦が大きく目立ってしまっているベルナベウクラシコですが、ルーチョバルサとしてはそういった騒音に集中を見出されることなく（クラブが事をもつれさせているともいえる）、是が非でも勝点3を持ち帰らなければなりません。バルサがリーガ優勝するためには残り6試合に全部勝ち、かつマドリーの躓きを待つしかない。長々としょーもない話題を書いてきましたが（汗）、ベルナベウを落とす！それだけです。今日はサンジョルディの日ですし、守護聖人のご加護あれ！バモーーーース！
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