しかし好機を逃さず、次々にチャンスを生み出すクラック
先週土曜日にサンティアゴ・ベルナベウで行われたエル・クラシコで、レオ・メッシがお散歩しながらプレーしていた、との分析が話題になっています。
報じたのは25日付の一般紙 El Periodico(エル・ペリオディコ。バルセロナ本社、SPORTと同系列)。
あれだけ好機に絡んだのに大半を歩いてた、その局面を見極める力に感服します。
ゆっくりと絶え間なく動き、勝負所では最速スプリント
「カステイデフェルスの自宅の中庭で二人の息子ティアゴ、マテオと遊ぶように、マドリーにある彼の庭園をメッシは歩いていた」とはEl Periodico の表現なのですが、ベルナベウを「彼の庭園」と表しているのがクレ心をくすぐります。
たまに拍手もくれますし、気持ちいい場所でしょう。
同紙のデータでは、ベルナベウにおけるメッシの動きは次のように分類されます。
- ●ウォーキング 83.10%
- ●ジョギング 10.80%
- ●ランニング 4.95%
- ●スプリント 1.15%
マドリー戦でのメッシの移動距離は8.03kmなので、割ってみますと・・・
ウォーキングは6.67km、ジョギングは867m、ランニングは397m、そしてスプリントは92.3mとか。
全力疾走は100mもないんですね。
それなりに走ったのを合わせても500mに満たない。
ただし最高時速33.59km/h はゲームでの最速記録だそうです。
3得点に関与
しかしレオは勝負所を分かっていて、ここぞの影響力は半端ではありません。
同紙によるとメッシは「歩きながらも」ボールの近くに864秒(14分24秒)いて、9度の危険な場面を生み出しています(うち5度は決定的)。
“眠っていた”前半はライン裏へ飛び出したパウリーニョへのアシストのみでしたが、後半はレパートリーの発表会の如くで。
ルイス・スアレスの先制点の場面ではコバチッチを惑わしてラキティッチへの中央廊下を開き、0-2の場面では波状攻撃に参加。
とどめの3点目ではマルセロをぶち抜き、スパイクが脱げながらもアレイシ・ビダルへのアシストを供給しています。
94%を歩いたりジョギングしたりで済ませながらも、白いマーカーを外せる場所を探して動き回り、スペースを見つけ出しては好機を逃すことなく突く!
このデータはメッシという世界最高選手のフットボル的知性の高さを如実に表しています。
さらにメッシのプレーがいかに効果的であるかは、ドリブルの回数でも分かります。
レオはこの試合だけで6回のドリブルを成功させており、これはコバチッチとモドリッチが各1回のみ成功したマドリー全体の3倍です。
自称史上最高のあの人は、1度もバルサ守備陣を抜けず。
空振りのインパクトはすごかったですけど。
このニュースのまとめ
- ・メッシはベルナベウでの大半を歩いていた
- ・にもかかわらず、バルサの決定機にはことごとく関与
- ・インテリジェンスがすごい
コメント
今回のクラシコ6回見ました。
今年のカンプノウクラシコの真っ向勝負のように、ジダンは素晴らしい監督。
今回は守備的という批判あるが、前半はジダンのプラン通りで41分のベンゼマが決まっていたら、どうなっていたか分からない。
メッシはクライフのフットボールの体現者。
技術と頭脳が合わさったラ・マシアの勝利でもある。
レアルは現状サイドからの放り込みしか得点元ないのが苦しい。
イスコでは中央のディフェンスラインを崩せない。
間違いなくサイクルの終焉にさしかかっている。