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デンベレの怪我が多発するのは、トレーニングに問題がある説

選手は食習慣を変えていると仏L’EQUIPE紙
バルサでの練習方法と身体特性の不一致が怪我に関係しているとの見解を示す

2017年夏のバルサ入団以降、常にどこかを怪我している印象のウスマン・デンベレ。実際、同年9月16日のヘタフェ戦で負った左脚・大腿二頭筋の腱断裂から今年2月3日の右脚・大腿二頭筋の近位腱断裂まで、デンベレの負傷は9回を数えます。多い。しかし不思議なのは、ドルトムントでの彼は怪我をする選手ではなかったという点です。バルサでの何かが悪いんじゃないか、との推測は成り立ちます。

「かつてないほどにバルサで成功すると決意している」

ウスマン・デンベレは現在、2月3日のトレーニング中に発生した右脚・大腿二頭筋の近位腱の断裂から回復しようとリハビリに励んでいます。
昨年11月27日の古巣ドルトムント戦で負った大腿二頭筋の怪我から復帰しようかという時、すぐ近くの腱が切れてしまうという残念すぎる負傷でした。

このデンベレについて、仏L’EQUIPE(レキップ)紙3月3日号が特集を組んでいます。
それによると今のデンベレは「前向きで、モチベーション高く、かつてないほどにバルサで成功しようと決意している」(選手筋)らしく。怪我の再発後はたいそう打ちひしがれていたと報じられていたので、前向きにリハビリに取り組めているのは朗報です。

食生活の改善はすでに行われている

ウスマン・デンベレに関しては、一時期よくプロフェッショナル精神の欠如が問題視されていました。度重なるトレーニング遅刻、友人たちとの夜更かしゲーム、食生活の乱れなど。
しかしL’EQUIPEが取材をしたアントニー・オーデボーさん(デンベレが個人契約している料理人)によると、モスキートは生活習慣を改善させています。

「ウスマンの家には、RTD(※)もソーダもありません。あるのはフレッシュで健康的なものだけです」
「ウスマンはフットボールにおいて非常に強く、以前の彼はそれで十分だと考えていました。しかし彼は成長し、理解したのです。今はクロダイやスズキ、鶏肉、それにたくさんの豆類を食べていますよ。彼は健康に非常に気を遣っているので、この怪我での不運を見るのは辛いことです

※RTD(Ready to Drink):購入後すぐ、手間なくそのまま飲める飲料。出来合いの飲料)。缶チューハイとか、缶カクテルなどの低アルコール飲料を指すことが多い。

「彼は出不精で静かな子で、自宅でパーティをしたことは一度もありません。私は彼に食事時間を指示していますが、それは彼が私にそう求めたからです。自宅でのプランニングがあり、すべてが文書化されています。プロフェッショナルですよ」

以前は炭酸飲料を飲んでいたところを、フルーツジュースに変更し、睡眠も改善したとL’EQUIPEは伝えています。かつてのレオ・メッシがそうしたように、食習慣の改善はすでに成されているわけです。
では何故、バルセロナでのデンベレは怪我だらけなのか。仏紙の考察はトレーニング方法へと移っていきます。

特性とトレーニング内容が合っていない

L’EQUIPE紙(のHugo Guillemet記者)が考えるデンベレが怪我を繰り返す主要因の一つは、デンベレの体質とバルセロナでのトレーニング方法の不一致です。

曰く、爆発力のあるフットボリスタにはスプリンターがするような筋トレもまた要求されるのに、バルセロナのトレーニングは彼用のフィジカルメニューが用意されていないのだと。
ベルナベウで敗れた後のセルヒオ・ブスケツが「僕らはフィジカルなチームではない」と語っていましたが、メニューは戦術や技術寄りなんでしょう。そして一律にトレーニングしている。

L’EQUIPE紙によると、12月にデンベレがリハビリを行ったアスペタル・クリニック(ドーハ)が継続して彼の具合をチェックしていて、バルサに対してデンベレのGPSデータの提供を求めたそうです。
すると「デンベレが試合で走る時は90%がスプリントだったにも関わらず、トレーニングでのスプリント量は20%だった」と判明。試合で求められる部分がトレーニングで鍛えられておらず、「選手の必要に合致しないクラブ文化がある」との見解を仏紙は示しています。

メッシもまた爆発力が持ち味の選手ですが、試合の中で行うスプリント比率が20%以内だから怪我にならないのでしょうか。
でもそういったGPSデータは数年前から取っているのに、分析して活用できていないとすれば残念なことです。宝の持ち腐れ感(実際のところは不明で、個別メニューもあるかもしれない)。

移籍組には少なく感じられるトレーニング負荷

L’EQUIPEはまた、バルサ筋の情報として、「フレンキー・デ・ヨングはトレーニングでの負荷がアヤックスでの経験と一致していないことに気付き、入団から数週間後に個人トレーナーを雇った」とも伝えています。
マルクアンドレ・テル・ステーゲンがバルサのトレーニング量の少なさに不満を抱いている、との情報も流れていますし、他クラブから加入した選手には負荷が少なく感じられるのでしょう。

そしてスタッフの質に問題があるとすれば・・・
ただし、仏紙はデンベレがデビューしたレンヌのアシスタントコーチであるミチェル・トゥロインさんの「彼はものすごい才能を持っていたので、プレーさせようというクラブは急いだ。それが根底にあるんだ。あまりにプレーしすぎたのは明らかだ」とのコメントも紹介しています。

いくつもの要素が絡み合っての怪我多発か。

L’EQUIPEによると、昨年秋にはデンベレと医療スタッフによる話し合いがあり、そこでクラブ理事が彼の怪我多発におけるクラブの責任を認めた云々です。
最近はクラブの責任ある立場の人物がドルトムントの幹部に電話をかけ、何故ドイツ時代のデンベレが一度も怪我をしなかったのかを訊ねたとも同紙は報じています。

今季はもうフットボールをプレーできないウスマン・デンベレ。次は7月のプレシーズンマッチですから、復帰を急ぎようがないのが不幸中の幸いとなりますか。
ドルトムントへの問い合わせは、来季も構想に入っていることの現れ?
ネイマール復帰作戦に当然の如く名前が入っているウスマンの去就はいかに。

このニュースのまとめ

  • ・バルサで怪我を繰り返すデンベレだが、入団以前はそうではなかった
  • ・食生活はすでに改善されている
  • ・試合でスプリントする比率と、トレーニング比率が合っていないらしい
  • ・移籍選手はバルサのトレーニング負荷が足りないと感じる

 

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