見通しの立たないコロナウイルス危機により、収入減少が不可避の各クラブ
可能であれば、5月からの8週間で延期試合を全消化したいが・・・
夏のマーケットはこれまでとは違った展開となりそう
新型コロナウイルス COVID-19 の感染拡大を抑制するべく、スペインでもついに国境封鎖が行われます。さらにはEUが域外からの渡航を30日間禁止するなど、欧州全体が事実上封鎖される異例の事態に(日本の対応はさぞ呑気に映ることでしょう)。こうなると経済的なダメージは避けようもなく、フットボールクラブも予算の練り直しが必須となります。
異例の状況、対応に追われる背広組
FCバルセロナはいま、主立った活動を全て停止しています。新型コロナウイルス感染拡大への対応として、選手や現場スタッフは医療サービス部の指示に従い在宅ワーク(選手はそれぞれに準備されたフィジカルトレーニングに取り組んでいる)。
ミュージアムやショップも閉まり、いつもは世界中からの観光客で賑わうカンプノウ周辺も今は閑散としているようです。
一方、クラブの活動停止によって忙しいのは背広組の人たちです。
どの部門も対応に苦慮していると思いますが、クラブ運営の中核を担う経済部門は特に大変でしょう。テレビ放映権、チケット・グッズ販売、チャンピオンズの勝利ボーナスなどによる諸々の収入が大きく減少するのは確実です。
MD3月17日号によると、毎日2,500人の入場者があるミュージアムを2週間閉めることで、100万ユーロの収入が消えるのだとか。露出のなくなるスポンサーも黙ってはいません。
金庫番はそういった状況を分析し、来季のための予算を考え直さねばならない。補強にも当然影響が出ます。バルサは今日(3月17日)重役たちが集まって緊急の経済会議を行う予定です。
収入確保のために、リーグ再開を願うクラブ
このままコンペティションが今季終了になるのかどうかは、UEFAと今後のCOVID-19状況次第です。
MDには、今日の会議でEURO2020延期が決まる場合、ラ・リーガは5月3日に再開し6月28日に閉幕か、という記事があります。5月からコンペティションが再開できれば、どうにか年度末(6月末)までに国内戦は詰め込むことができる(8週間×2試合)。
各コンペティションが一時中断で終わるのか、中止になるのかで収入も違ってくるので、各クラブとしては当然UEFAにEURO大会延期を要求しますよね。各クラブが手を組み、UEFAに圧力をかけるでしょう。
チャンピオンズは準々決勝以降が一発勝負になる案が出ていますが・・・ どうなりますでしょうか。
いずれにせよ、そのあたりが不確かなままでは、具体的な補強話も進められないわけです。
予測困難なのはマーケットも同じ
バルサの補強を巡っては、ルイス・スアレスの後任候補としてラウタロ・マルティネス(インテル)と第二案のピエーレエメリック・オーバメヤン(アーセナル)、さらには家出王子ネイマール(PSG)の呼び戻しが連日報じられています。
2021年の会長選挙までに最後の花を咲かせたいジュゼップ・マリア・バルトメウが、多額の資金をぶっ込むようです。
ラウタロ獲得には1億1,000万ユーロが、ネイマールには1億5,000万ユーロが必要な見通し。合計2億6,000万ユーロ。ウケる。ちなみにオーバメヤンは6,500万ユーロと。
ただしこれは新型コロナウイルス感染拡大による欧州停止が発生する前の金額、狂乱物価なので、欧州全体が重大な経済的ダメージを食らった今払える額とも思えません。ハビエル・テバスの願い叶わず、ラ・リーガが中止となれば尚更でしょう。
これまでの交渉事は、また条件面を新たにやり直しへ。
補強となるといつも呪われたように「サラリー総額が限界、限界」とか言ってるバルサが、収入減で大型補強できるのかも怪しそうなんですよね。
影響は資金調達のカギである売却額にも訪れます。
果たして、コウチーニョにどれだけの値段が付くのか。マーケットに出したというサムエル・ウンティティを売って、幾らになる?
見通しの立たないシーズン。補強。放出。レオ・メッシのために競争力のあるスカッドを用意したいバルセロナですが、思惑どおりにいかなさそうな夏のマーケットです。
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