2021年6月で契約が終わる彼を、クラブは夏に良い値段で放出したい
一方でセントロカンピスタの希望はスペイン、特にセビージャ復帰と見られる
バルサには現在、2021年6月末で契約が終わる選手が4人います。レオ・メッシ。ルイス・スアレス。イバン・ラキティッチ。そしてアルトゥロ・ビダル。うちメッシは是が非でも契約更新に持ち込むでしょうし、スアレスは来季の出場試合数が60%を超えると1年延長オプションが発動する。一方で2人のセントロカンピスタたちは、今夏で退団の流れに変化はありません。
(キングアルトゥロはまた別に取り上げる機会があるでしょう。ここでの主役はイバンです)
高く売りたいバルサ、望む移籍先に行きたいラキティッチ
SPORT4月6日版は、表紙(Portada)で「もつれるラキティッチ」と大見出しを付けています。
なにがもつれているのかと言えば、できるだけ高い移籍金で彼を売りたいバルサと、心の故郷であるセビージャに戻りたいラキティッチの意図がもつれている。
結末を予想すると、なんだかんだでラキティッチの意向が優先されることになるでしょう。契約には選手の合意が必要ですから。
SPORTによると、バルサはラキティッチ放出で2,000万ユーロ以上の収入を期待しています。
2年前であれば8,000万ユーロあたりの移籍金が付いたところですが、残り契約期間が1年になる三十路戦士としては未だ高水準。いや、ラキさんであれば十分すぎるほどに「お買い得」ですよね。
でもラキティッチが最優先とするセビージャは、おそらく2,000万ユーロは申し出ない。支払いは少なく済ませたい。そのためには、何もせずに日にちが過ぎていく方が有利になります。
一方でイタリア方面からは良いオファーが届いているらしい。あわよくばラウタロ作戦に彼を入れたいバルサ。思惑のもつれるところです。選手側とクラブの会話は、今のところほぼ停滞している模様。
不動のレギュラーから、交換要員、そして控えに
ラキさんを巡ってはここ2年ほど、夏になれば売却話がメディアを賑わせてきました。
2018年はエルネスト・バルベルデにとっての不動のレギュラーだったことで、わりと早期にウワサは鎮火されましたが、去年(2019年)は状況が一変。
選手が希望していた契約延長どころか、ネイマール獲得作戦の主要ピースに入れられ、混乱は8月下旬まで続いています。
マーケットへの出され方が乱暴で、シーズン開幕からの干されっぷりも露骨。理事会メンバーがなにか恨みでもあるんじゃないかと邪推したくもなる執拗な冷遇をラキティッチは受けました。フレンキー・デ・ヨングの加入とか、原点回帰への挑戦とかだけでは納得のいかない、純粋な競争以外のものを感じる扱われ方。
結局キケ・セティエンに監督交代してもさして状況は変わらなかったのですが・・・ シーズン前半の出番のなさは驚きでした(ここまで試合出場数はチーム6番目だが、プレー分数は31試合でわずか1,400分)。
しかし状況はバルサでのプレー継続にこだわったラキティッチに有利となっていきます。
契約期間が残り1年となった以上、クラブがユーロを手にしたければこの夏に彼を出さねばならず(もはや契約延長はない)、その行き先選びでは選手の意向が強く影響するからです。主導権はラキティッチにある。
SPORT曰く、アトレティコ・マドリーのウワサについても選手代理人からは一切伝えられておらず(すきま風が吹いている)、バルサとしては苛立っているといいますが身から出た錆でしょう。
決める権利を手にしている
少し前で言えば、チャビ・エルナンデスやアンドレス・イニエスタ。今ならばジェラール・ピケ、セルヒオ・ブスケツ、それにレオ・メッシ。
バルサ時代が終焉に向かっているカンテラーノに向けては「将来のことを決める権利を彼は手にしている」とよく語られますが、その権利を得るのにラ・マシア出身が条件になることはないでしょう。黒子となって前線のクラックたちを黙々と支え続けたチーム精神から、ラキティッチは将来を決める権利を手にしています。
そもそもの話、ラキティッチの場合はもう完全に元は取れている選手です。
2014年夏にセビージャから獲得した際、バルサが支払った移籍金が1,800万+300ユーロと格安(まだ優秀な選手がお手頃価格で手に入るマーケット状況だったとはいえ、アンドニ・スビサレッタは良い仕事した)。
カンテラーノであれば、フリーで送り出しているところでしょう。
着地点としては・・・ 移籍金の額では譲歩する代わりに、安心のセビージャ印の選手をオペレーションに入れてもらうとかですかね。
そして表門から、心地よく送り出したい。6年間貢献してくれた選手です。別れがもう避けがたい道であるならば、せめて敬意を持ってアディオスを。
コメント
本当に・・・
ラキティッチを邪険に扱った一事だけでも、現首脳陣は非難に値します。