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公式戦デビュー:クーマンバルサに期待できそうなこと

選手の特性に合ったシステムを採用し、メッシへの依存軽減も図る
ウォームアップや練習では負荷を上げつつ、ゲームでは楽しくフットボールを

クーマンバルサ公式戦での初試合となったビジャレアル戦は、4-0の快勝となりました。新監督の初戦はその監督の目指すフットボールがいかなるものか、機能しそうかに注目が集まるわけですが・・・ スコアもさることながら、ひょっとすると良いシーズンを送るかもしれないとの感覚を手にして勝てたのが大きいデビュー戦でした。いくつかの変化が期待を呼びます。

目指す脱・メッシ依存

今季クーマン体制になったことによるバルサの大きな変化は、メッシへの依存度を減らそうとする試みが見られることです。
クーマンも監督就任会見ではたしかに「メッシは試合に勝たせてくれる選手」だと述べていますが、プレシーズンマッチを含めたここまでの4試合を見たところでは、メッシに代わる攻撃の代案を探そうとしている。

まだまだメッシが攻撃における重要な役割を担ってはいるものの、以前のように全部をD10Sに頼るのではなく、中央ではコウチーニョが偽9番となったメッシと良い距離感をもって動いていますし、左サイドではアンス・ファティジョルディ・アルバが持ち味を発揮していました(アンスの良い意味での図太さが印象的)。

そういった引き出しを増やそうとする試みは、とても良いので成功してほしい。
メッシの負担を軽減することにもつながります。

グリーズマンが右サイドで地味な仕事を担当しているのが勿体ない気はしますが・・・ クーマン(右腕のスロイデル)も右サイドの攻撃を活性化しようと手を打ってくると思うので、トリンカオをサイドに置き、中央にグリジとかのパターンもあるんじゃないでしょうか。

そのあたりの修正が試合ごとに見られれば、クーマンバルサは真剣に期待できるようになりましょう。
誰が先発起用されても楽しみな選手がベンチに控えていますし、バルベルデ時代に目指した“ワードローブの充実”がここで実現するかもしれません。

4-2-3-1の新システム

プレシーズンに、クーマンが4-2-3-1を導入する考えだと報じられた時、果たしてそれで守備は大丈夫なのだろうかと不安になりましたが、今のところは杞憂に終わっています。

メッシを偽9番に置くことで彼の守備時のタスクを軽減させ、残り9人のフィールド選手でインテンシティ高くプレッシングを仕掛ける。ペップ時代ほどのハイプレスが見られるかというと難しいかもしれませんが、敵陣でボールを奪回するバルサは期待できそうです。
ハードワークとインテンシティはクーマンが掲げる主要課題なので、第一に取り組んでくるでしょう。

セルヒオ・ブスケツとよく動くフレンキー・デ・ヨングのドブレピボーテも、それぞれの選手が個性を発揮することで機能している。両ラテラルもやり易そう。これはまさに適材適所というやつですよね・・・
クーマンが実はやり手なのか、助手のスロイデルが敏腕なのか・・・
いずれにせよ、ライン間を取る動きも良いですし、各選手が活き活きとしているので見ていて楽しいフットボールになってます。

クーマンの補佐役に期待:英雄ラルソンと戦術家スロイデル
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メッシを基礎としつつもグリーズマンコウチーニョを最大限に活かすには、この配置がベストとすると、クーマンが欲しがっているメンフィス・デパイが入った場合はどうなるのか。

試合当日のトレーニング

インテンシティやハードワークに関わることでは、クーマン監督になってからは、トレーニングのルーティンにも変更が施されています。

まず、カンプノウで試合のある日は、当日午前のトレーニングが行われるようになった。
そして試合前のウォームアップがよりハードになった。

試合前のウォームアップを担当しているのは、ライカールト時代以来のクラブ復帰となるフィジカルトレーナー、アルベルト・ロカです。
ビジャレアル戦では、相手チームよりも先にピッチに出てきて負荷のかかるサーキットトレーニングを行っていたらしく。かつての試合前のアップといえば、リラックスした雰囲気でパスを蹴り合うのがバルサだったので、随所に意識改革が行われている模様です。

トレーニングやウォームアップでは規律を求め、試合では楽しむことを求める。就任会見でのクーマンはこんなふうに言っていました。「フットボールは楽しむためにありますし、選手たちにはまずそう言うつもりです。楽しむことなくして最大の成果は上げられない。そしてハードワークです」

フィジカルフォームを上げることは、シーズンの重要な時期にライバルたちと戦える身体を手にすることにつながり、選手たち自身の利益となる。そのためには長期的に適切な強度のトレーニングを続けていくことが重要である。
選手たちに必然性を説明し、トレーニングへの取り組みを変えているようなので、こちらも期待です。クーマンのモットーは「トレーニングするようにプレーすること」。

ほかには、試合中にピッチサイドで選手たちに指示を送るのがロナルド・クーマンに限定されているのがセティエンチームとの相違点となっています。そのあたりの違いも注意してみると、試合観戦がより楽しくなりそう。

次は難関バライードスでのセルタ・デ・ビーゴ戦なので、これまた興味深いテストとなります。そして中2日での、バイエルン相手に惜しい試合をしたセビージャを迎えての一戦。ここで3連勝できれば・・・

 

コメント

  1. トム より:

    メッシ依存の原因は、攻めの人数が少ない事にあったと思います。

    守りを固める相手に対し、PA内にいる味方はCFかWGくらいで、SBやMFが上がってきても、PAを囲むようにしつつ瞬間的な走り込みで入ってくるだけでした。
    この傾向は、特にサイド深く攻め込んだ時に、顕著でした。
    そんなカテナチオを破れるのは、並外れたクラックの力が必要です。

    しかしクーマン初戦、偽9のメッシが下がってはきても、他の選手は一気にPA内に入り込んでいました。
    これだけ人数が居れば、クラックが針の穴を通すプレーを見せなくても、どこかにゴールへのコースが出てきます。
    当然その分カウンターの危険は増えるでしょう。
    しかし、クライフから続くバルセロナのサッカーというのは、本来そういう攻撃的な物であったはず。

    クーマンの原点回帰的な攻撃重視サッカーは、好意的な目で見れます。
    リトリートサッカーに慣れたバルサだけに、最初は戸惑いも、特に下がりを優先していたDF陣にはあるでしょうが、この路線は継続して欲しいです。