モダンフットボールを代表する知将、ナーゲルスマン&テン・ハーグの助手を務めた戦術のエキスパートと、クレのアイドルがオランダ人監督を支える
楽しみなんだけれどもちょっと怖い、ラ・リーガ開幕が近づいています(バルサの初陣は第3節)。新監督ロナルド・クーマンは期待に応えてチームを立て直すことが出来るのか、それとも混乱を深めるのか。不安が先立つ中で、補佐役が優秀だそうだという話は希望をくれます。監督より彼のアシスタントたちが希望ってどうなのって話ですが。
パリの英雄が帰ってきた
2020/21シーズンバルサのスタッフテクニコ(テクニカルスタッフ)たちは次の陣容となります。
- ●アルフレド・スロイデル(第2監督)
- ●エンリク・ラルソン(第3監督)
- ●アルベルト・ロカ(フィジカルトレーナー)
- ●ダニエル・ロメロ(フィジカルトレーナー)
- ●ジャウマ・バルトレス(フィジカルトレーナー)
- ●デラ・フエンテ(ゴールキーパーコーチ)
一番注目されているのはやはり、フランク・ライカールト時代にスーパーサブとしていぶし銀の活躍を見せバルセロニスタのアイドルとなったラルソン(ラーション)さんです。2006年チャンピオンズのパリ決勝では、彼のパスから聖ベレッティの優勝弾が生まれた。
あれから14年が経つ今でも「ラルソンのようなサブが欲しい・・・」とクレは思い続けています。それにしてもこのシーズンのバルサは魅力的だったな。
若きマエストロたちの補佐役を歴任
第2監督のアルフレド・スロイデル(シュロイデル?)さんは、バルサ公式ウェブでの紹介によると「セットプレーの専門家」です。
期待を高めるのは、その経歴。
2015年から2018年にかけて独ホッフェンハイムでユリアン・ナーゲルスマン(現ライプチヒ監督)を補佐し、2017/18シーズンにはクラブ史上初となるチャンピオンズ出場権獲得、2018/19シーズンにはセンセーショナルを起こしたアヤックスにて、エリク・テン・ハーグの助手をしていた――。
ナーゲルスマンにテン・ハーグといえばモダンで攻撃的なフットボールによって高い評価を得ている若き戦術家/マエストロたちです。速いパスワークと豊富な運動量。インテンシティ。
時の人となったナーゲルスマンはかつてグアルディオラのバルサを「理想的」だと語っていますし、テン・ハーグもバルサ監督候補に名前の挙がる監督です。その助手を歴任したとなると自ずと期待は高まります。
2018年にアヤックスのスタッフとなった際には、 ナーゲルスマンがホッフェンハイムで考案した戦術練習を持ち込んだらしく(MD)、バルセロナでもDNAを活かしつつも激しさのあるフットボールを実践してくれるかもしれません。
ちなみにアヤックスコーチ時代には、フレンキー・デ・ヨングにバルサ行きを勧めたりもしたそうです。
テン・カテを思い出す
また、スロイデルは現役時代、NACブレダ在籍時に、後にライカールトの第2監督となる“鬼軍曹”ヘンク・テン・カテに師事しています。MDによるとスロイデルは2018年のインタビューでテン・カテについて「自分が知る最高の監督の一人」であり「選手たちへのプレースタイルの伝え方」がすばらしかったと語っているんですね。
テン・カテはライカールトバルサの主要人物でした。
ビッグクラブで監督経験のないライカーを補佐し、トレーニングでの戦術練習を担当していたのが彼。優しい兄貴タイプだったライカールトに代わって、クラックたちに喝を入れていたのもテン・カテです(そういうことなのでライカーバルサはテン・カテがアヤックスへと去って行った2006年から下降線をたどる)。
クーマンバルサにおいてもスロイデルがテン・カテのような役割を担うのでしょうか。
クーマン、スロイデル、ラルソン体制が機能すること、これがバルセロニスタの希望となります。バルサへようこそ、アルフレド・スロイデル。このクラブの現実に愕然としないでね。。
コメント
補佐役が優秀ならば、クーマンは睨みを利かせるだけ。
強面の熊さんと、経歴のある戦術家と、優しく何でも話せそうな元同僚のラーションなら、かなりバランス良さそう。
クーマンは4-2-3-1による徹底した前線プレスで、攻撃的に行きそうですね。
楽しみになってきました。
リトリートに慣れた後ろの選手に、マスチェラーノのようなチェックをさせられるかな。